スイスの住まい情報
住まいの探し方から契約まで 物件購入の際に知っておきたい法律 賃貸物件 家の種類 住まいのメンテナンス さまざまな手続き ゴミ処理とリサイクル ペット
住まいの探し方から契約まで
スイスはヨーロッパの中でもっとも住宅所有率が低い国の一つといわれていますが、農村部では持ち家所有が一般的です。しかし、売買または賃貸可能な物件の種類は豊富で、集合住宅や一戸建て住宅、ファームハウス、さらにはシャトーなど、さまざまな形体の物件があります。
ユーロスタット(Eurostat/EU統計局)の最新データによると、水道・電気・ガス・その他の燃料を含む住宅費をEU平均と比較した場合、住宅費が最も高かったのは、スイス(EU平均比110%増)でした。とはいえ、持ち家であれ賃貸であれ住宅価格は州によって大きく異なり、最も安いジュラ(Jura)の場合、最も高いジュネーブ(Geneva)の約1/4という調査結果もあります。
都市部では特に賃貸物件の需要が高く、見つかるまで平均3~6カ月かかることもあるので、物件探しはできるだけ早めに始めましょう。
不動産会社
高級住宅専門から学生向けまで、多くの不動産会社があります。マルチリンガルのお国柄だけあり、英語を話すエージェントにはことかきません。賃貸市場を把握し、適切な物件を見つけてくれるのは、地元の知識が豊富な不動産会社でしょう。
住まいに関する情報を集めるのには、不動産会社が運営する検索サイトが便利です。フィルターを使って、価格・立地・物件タイプなどの希望の条件に基づいて検索範囲を絞り込むことができます。
不動産会社の一例
Properstar
(担当者が話す言語がわかるページもご利用ください。)
Homegate
Immo Scout24
newhome
immobilier
RealAdvisor
Housing Anywhere
Alle Immobilien
Acheter-Louer
Flatfox
rentola
不動産に特化しているわけではありませんが、スイス生活全般のサポートを行う日本語対応の会社もあります。
トレッソンヌ(Tressonne):ジュネーブエリアに強い
スムーズ・ムーヴ(Smooth Move):スイス移住への確かなサポート
スイス・ワンダーネット(Swiss Wonder Net):主にドイツ語圏での物件検索、内覧、同行通訳サポート
オンライン掲示板
日本人向けウェブサイトの掲示板ページにも、空き部屋情報などが掲載されています。タイミングがよければ、スイス情報.com や、ジュネーブ掲示板 で条件に合う物件が見つかるかもしれません。
物件購入の際に知っておきたい法律
「レックス・コラー法(The Lex Koller Law)」により、非居住者はスイス国内の不動産購入が制限されています。スイス居住許可証を持つ EU/EFTA国民、またはC居住許可証/定住許可(Niederlassungsbewilligung C)を持つ第三国国民、B居住許可証/滞在許可(Aufenthaltsbewilligung B)を持つ人は、居住目的であればスイス国内の不動産を1軒に限り購入できます。購入すると、スイスの土地登記簿に所有者として記載されます
賃貸物件
ジュネーブ、バーゼル、チューリッヒなどの都市部の住まいは賃貸が一般的です。賃貸形態として多いのはアパートですが、地方に行くほどコテージなどの戸建て住宅も増えてきます。
家具付き/家具なし
賃貸物件には、家具付き(möbliert)と、家具なし(unmöbliert)があります。前者は、ベッドやソファーなどが付いており、すぐに生活を始められる物件。後者は、備え付けの収納スペースや白物家電、カーテン、照明以外の移動可能な家具がない物件。大家によって条件は異なりますので、契約前に確認しましょう。
物件を探すにあたって知っておくべきこと
条件に合う物件を見つけたら、迅速に行動しましょう。必要な書類はあらかじめ準備しておき、すぐに申請します。とはいえ、入居できるかできないかは先着順ではありません。また、応募はできるかぎり直接訪問して行うことをお勧めします。物件を見学する際は相手に好印象を与えることはもちろん、応募書類は居住地の言語で記入することが重要です。英語で記入すると審査対象外となる可能性もあります。不動産会社を通した場合、給与基準を満たしているだけでは不十分で、担当者はあらゆる基準に基づいて候補者を絞り込みます。国籍やスイス滞在期間(短いとそこで候補者から外れる可能性あり)、雇用形態、細かいところでは、地域とのつながりなども考慮されます。
プランBを用意しておくと安心ですが、賃貸契約が締結されたら保留中の他の応募をすぐに取り下げないと違約金を請求されることもあるので、気をつけましょう。
契約前に必要になる書類
・成人居住者全員のパスポート/身分証明書
・雇用主からの労働契約書/給与確認書
・労働許可証および居住許可証
・賃貸借申込書(代理店のウェブサイトからダウンロードするか、代理店で入手)
・負債がないことの証明書(ドイツ語 Betreibungsauszug/フランス語 Extrait de l’office de poursuite/イタリア語 Estratto del registro delle esecuzioni)
※国外から移転する場合には不要な場合もあるので不動産会社か大家に確認しましょう。
テナントの権利
テナントは法的に保護された権利を有します。詳細はスイス政府のウェブサイトからPDF形式でダウンロードできます。残念ながら日本語はありませんが、他の12の言語で提供されています。
スイスの法律は一般的に、テナントにとって非常に有利になっています。物件の状態が良好でない場合や、以前のテナントよりも大幅に高い家賃を支払っていることが判明した場合、調停手続きを通じて民間市場で請求されている家賃に異議を申し立てることができます。厳格な家賃規制はないものの、家賃の引き上げに関しては現在の金利に連動していることが決まりです。家賃以外の費用もすべて賃貸契約書に明記されていなければなりません。家主が調停の申し立てを理由にテナントを追い出すことは不法行為です。
ただし家主にも権利はあります。適切な手続きさえ踏めば合法的に家賃を値上げすることは可能です。家主はテナントに対し、値上げの3カ月以上前に通知し、正式な書面に詳細を記載する必要があります。金利の上昇や物件の改修など、家賃の値上げの理由も明記しなくてはなりません。
賃貸契約と敷金
スイスでは、合法的に滞在していれば誰でも住宅を借りることができます。その際、家主とテナント双方の権利と責任を詳細に規定した賃貸契約書を交わさなければなりません。
⚫︎ 賃貸契約
法的には、賃貸契約を書面による契約書で締結する必要はありませんが、そうしておくことをお勧めします。契約書には、賃貸物件の詳細、契約当事者、敷金、月額賃料を記載します。追加費用(例えば、光熱費など)が発生する場合は、それらについても契約書に詳細を記載する必要があります。契約書に家賃以外の追加費用について明記されていない場合は、提示された家賃にすべての合理的な費用が含まれていると想定できますが、テナントの負担額を正確に把握しておくことが大切です。
多くの場合、電話代、電気代、水道代はテナントが負担しますが、家主が平均的な費用の概算額を示してくれることもあります。通常の家賃に加えてすべての光熱費の概算額を毎月家主に前払いするのが一般的です。光熱費の支払いは家主がしますが、テナントに対して毎年詳細な請求書を提示する義務があります。これにより、実際に発生した光熱費と前払い金を照らし合わせて正しいか確認することができ、追加支払いを求めるか、キャッシュバックを受け取ることになります。
スイス政府のウェブサイトでは、賃貸および転貸の両方における賃貸契約書のサンプルを閲覧することができます。あくまでも標準的な内容なため、ニーズに合わない場合には、条項の追加・変更・削除が必要になるので、家主または代理人に契約書の修正を依頼してください。転居の多い駐在員居住者のコミュニティがある大都市では、予定外に移動になるようなケースも珍しいことではありません。退去の通知期間を短縮するための「外交条項」の追加を入れるとよいでしょう。家主が追加条項を受け入れることは義務ではありませんが、交渉の価値はあるでしょう。
⚫︎ 敷金
敷金は最大で家賃の3カ月分を超してはならないという決まりがあります。これは、大家または不動産会社の別口座に保管されるため、事業資金や個人資金になることはありません。敷金は銀行振込にすることが重要です。現金を渡すことは絶対に避けてください。
⚫︎ 契約解約
契約解約については、大家とテナントの双方に対して通知期間を定めておきます。契約書に別段の規定がない限り、通知期間は通常3カ月です。退去が決まったら、書留郵便で家主に通知します。パートナーや他の成人と同居している場合、署名は全員がしてください。通常、テナントは代わりのテナントが見つかった場合にのみ早期に解約ができます。家主との間で未解決の紛争や問題がある場合は、スイス政府の住宅仲裁機関(Federal Office for Housing BWO)に相談しましょう。
⚫︎ 保証金の返還
スイスに限らず世界中でよくある問題として、テナントの退去時に物件に損傷があったことを理由に、大家が敷金を返還しないことがあります。スイスでは、賃貸物件の経年劣化についてはペナルティを科せられることはありません。居住中の物件の維持管理はテナントの責任であるため、賃貸期間中に行った作業や費用の記録は証拠としてしっかり残しておきましょう。大家が退去時に敷金の一部または全額を返還しない場合、物件に費やした時間と費用の記録を提示することで、敷金返還を求めることができます。
大家とテナントの間で直接解決できない問題がある場合は、家主・テナント委員会、または州の調停機関に相談しましょう。住んでいる地域の詳細はすべて、政府のウェブサイトの該当欄に住所を入力することで確認できます。
家の種類
⚫︎ 一戸建て(Einfamilienhaus)
静寂やプライバシーを最大限に提供し、通常は専用の庭が付いているのが一戸建て住宅。風通しが良く、自然光が差し込む設計になっていることが多いようです。しかし、都市のスプロール現象(無秩序かつ無計画に市街地が郊外へ拡大していく現象)から緑地を守ることを目的として作られた土地利用計画規制により、戸建て住宅を建てるための土地が減少しているというのが実情で、住宅価格の高騰もあり、現実的な選択肢ではなくなってきています。
⚫︎ 二戸建て(Doppelhaus)
左右対称の2つの住宅が中央の壁でつながったタイプの戸建て住宅。2つの家族が同じ土地に一緒に暮らしたい場合などにも賢明な選択となるでしょう。
⚫︎ テラスハウス(Reinhenhaus)
3戸以上の戸建て住宅が壁を共有して連なった集合住宅。このタイプの住まいはスイスで長年にわたって高い需要がありますが、近年、新築建設用の土地不足(つまり高騰)となって以来さらに需要が高まっています。戸建て住宅と比較して、約15%のコスト削減という、環境、経済、運用上の多くのメリットがあります。さらに、近隣とのつながりとプライバシーの良好なバランスも期待されます。
⚫︎ 年代物のアパート(Altbauwohnung)
アパートを探す際に「時代物のアパートか、それとも新築アパートか?」で悩む人も多いかもしれません。一般的に、若い世代は時代物のアパートを逆にトレンドと捉え、その魅力と個性を高く評価する傾向があります。新築に比べると家賃が比較的安いのも魅力です。しかし、改装されていないアパートには、床がきしむ、壁が薄い、窓やドアに雨漏りがあるといった欠点もあります。既に改装済みである時代物のアパートも少なくないので、建築年と改装済みかどうかを確認するとよいでしょう。
⚫︎ 新築アパート(Neubauwohnung)
「新築アパートとは〇〇年以降に建てられた物件」という確固とした定義はないものの、1990年代末あたりからオープンプランのリビングの人気が高まり、現在ではオープンプランのデザインは事実上当たり前のものとなっています。これが現代建築のスタンダードであり、象徴となっているといっても間違いではないでしょう。ほとんどの場合、キッチン、ダイニング、リビングルームが一体となって、広々としたスペースを形成しており、その分、内壁や独立した部屋が少なくなる傾向があります。典型的なオープンプラン設計の新築アパートは、似たような日常生活を送る少人数世帯に最適ですが、家族が大きく、個々のニーズや日常生活が多様であればあるほど、伝統的な間取りの方がより実用的だといえるでしょう。
⚫︎ ロフト(Loft)
広々としたインダストリアルな雰囲気を持つロフトアパートは、オープンプランデザインの究極的な形態といえるしょう。内壁はなく天井が高くて、居住空間全体が広い面積に広がっています。2階には部屋が1つだけあるのが一般的です。工場だった建物をロフトに建て替えていた1990年代当時は手頃な価格のアパートでしたが、現在は大規模な改修によって、高価な住宅へと変わってきているようです。
⚫︎ メゾネット/デュプレックスアパート(Maisonette/Duplexwohnungen)
フランス語で「小さな家」を意味するメゾネット。賃貸アパートでありながら、まるで一軒家にいるような感覚を味わえる広さです。メゾネットは少なくとも2階建てで、建物の地下または上層階に位置する場合もあります。上階の居住空間が開放されバルコニーのように見える場合は、「ギャラリーアパートメント(Galeriewohnung)」と呼ばれることもあります。
⚫︎ ペントハウス(Attika)
豪華なタイプのアパートがペントハウス。高層ビルの最上階にあるアパートを指し、特別な設備が備わっていることが多いようです。一般的には、壮大な景色を望む大きなテラスに囲まれており、デザインは、開放的な空間のものもあれば、独立した部屋が複数ある伝統的な間取りのものもあります。
テラス付きアパート(Terrassenwohnung)
部屋のレイアウトや部屋数とは無関係に、テラスを持つアパートを指します。ワンルーム、年代物アパート、ロフトのいずれも、テラスがあればテラスアパートと呼べるでしょう。テラスとバルコニーの違いを理解しておくことも重要です。バルコニーは地上レベルより上にあり、建物の構造から突き出ているのに対し、テラスは必ずしもそうではなく、開放的で通常は地上階または上階に位置しているというのが主な違いです。大きさは関係ありません。
⚫︎ ガーデンアパート(Gartenwohnung)
庭付きのガーデンアパートも人気があります。庭付きの戸建て住宅に住むのは難しいという場合でも、庭付きであるアパートの1階を手頃な価格で見つけることはできるかもしれません。小さな子どもやペットのいる家族やお年寄りには大変魅力のある物件です。
⚫︎ スタジオ(Studiowohnung)
寝室、ラウンジ、オフィス、キッチンなど、主要なリビングエリアの機能をすべて備えた一部屋だけのアパートがスタジオです。通常、レイアウトはシンプルで、キッチンまたは簡易キッチンが部屋に設置され、トイレとバスルームのみが独立した部屋に割り当てられています。廊下はなく、玄関を開けるとすぐリビングエリアになります。ミニマルなインテリアデザインを好む方に最適です。
※スタジオと違い、ワンベッドルームアパートには小さな独立したキッチン、廊下、小さな玄関スペースがあります。
⚫︎ 一軒家の中のアパート(Wohnung in einem Haus)
一般に「多世帯住宅(Mehrfamilienhaus)」と呼ばれ、複数の家族や入居者のために設計された住宅です。少なくとも3つの独立したユニットで構成され、個々のアパートは通常、複数の階にまたがっています。「多世帯住宅」とはいっても、必ずしも家族が住むという意味ではなく、単身者用であったり、学生用であったり、フラットシェアに使われる場合もあります。
⚫︎ 二世帯住宅(Zweifamilienhaus)
2つの独立した(構造的に明確に分離された)居住ユニットで構成されている建物が二世帯住宅(Zweifamilienhaus)。一戸建て住宅に、母屋よりも小さく、二次的な役割を持つ独立したアパート(Einliegerwohnung)が併設されているタイプもあります。最近では、玄関も別々に設けられているタイプもあり、人気が高まってきています。
⚫︎ シェアハウス(Wohngemeinschaft)
特に、学生や若者に人気のシェアハウス/アパート。家賃を抑えたい人には最適のオプションです。学生の多いシェアハウスは、国際色豊かになる可能性も高いでしょう。このような物件は不動産でも扱っている他、学校の掲示板やオンラインプラットフォームでも情報を入手できます。
住まいのメンテナンス
テナントの義務
スイスの賃貸物件のメンテナンスに関する法律は州によって異なり、厳しい規則があります。ほとんどの賃貸契約書には、「基本的な物件のメンテナンスはテナントが責任を負う」と記載されており、テナントは義務を明確に定めた契約書を遵守しなければなりません。損傷があったり、物件が適切に管理されていなかったりする場合、テナントは修理費用を負担する責任があり、退去時に家主が満足のいく状態で引き渡せないと、修理やメンテナンス費用が敷金から差し引かれる可能性が高まります。
物件に損害が生じたら、テナントは家主に通知する義務があります。多くの場合、家主は迅速に問題を解決してくれる業者を紹介してくれるので、状況が悪化する前にできるだけ早く知らせてください。事故は誰にでも起こりうるものですが、それを隠蔽しようとしたり、テナント自身で応急処置を試みたりすると、結局はより多くの費用がかかってしまう可能性があります。問題報告は、常に正直に行うのが得策です。
賃貸契約書に定められた物件のメンテナンスの例
- 浴室と台所は十分に換気する
- 蛇口に付いた水垢は取り除く
- 電気製品のゴムパッキンを交換する
- ブラインドは正常に作動する状態に保つ
- 換気扇、食器洗い機、コンロなどのフィルターは清潔に保つ
- 冷凍庫の中は定期的に空にして隅々まで清掃する
- 排水口の詰まりを取り除く
※これらはあくまで例であり、決してメンテナンスのすべてを網羅したリストではありません。
住まいのメンテナンスのヒント
賃貸物件が見つかったら、正式に契約を結ぶ前に賃貸契約書を熟読し、契約に含まれるメンテナンスや技術サービスの内容をしっかり確認してください。上記「賃貸契約書に定められた物件のメンテナンスの例」の項目の一部が家賃に含まれていて、サービスの予約をするだけで済む場合もあります。
必要に応じて、住宅の維持管理サービス業者とメンテナンス契約を結ぶのも一案です。義務付けられている定期点検を忘れることもなく、自分でメンテナンスを行う手間が省けるため、費用がかかっても、長期的に見れば大きな出費を避けることができるでしょう。
暖房設備などの各種機器にステッカーが貼られているかを確認しましょう。これらのステッカーには通常、メンテナンスを担当する会社の連絡先やメンテナンス期日が記載されています。記載がない場合には、家主が業者を紹介してくれるか聞いてみましょう。
家主や維持管理業者の連絡先は手元に控えておくように。スイスで初めて賃貸物件を借りたり、規則の異なる州に引越ししたりすると、物件のメンテナンスに関して誰が何を担当するのかわからなくなってしまうこともあります。困ったことが起きたら、すぐに家主か維持管理業者に連絡できるようにしておきましょう。
賃貸物件のメンテナンスに関する法律を守るメリット
メンテナンス不足や怠慢による損傷はテナントの責任。劣化が見られたらすぐに家主に報告しなくてはならないというルールは、他の国と比べると少し厳しいかもしれませんが、実際にはテナントと家主の双方を守ることがその目的です。定期的なメンテナンスは建物の寿命を延ばし、タイムリーな修繕とメンテナンスは、しばしば高額になりがちな深刻なトラブルを軽減することにつながります。
住宅維持管理サービス業者の探し方
賃貸物件の場合は、まず不動産会社か家主に問い合わせましょう。また、暖房システムや機器にサービス会社の連絡先が記載されたステッカーが貼られていたら、これらの機器はすでにメンテナンス契約を結んでいる可能性もあります。確認しておきましょう。
テナント自身が業者と契約をする場合は、MyProfessional.chなどのウェブサイトで検索するとよいでしょう。
専門的なサービスについては、清掃、技術サービス、ガーデニングなど多岐にわたるメンテナンスをまとめて提供するHome Service AGのような会社の利用を検討してみましょう。
スイス企業の正当性は、中央企業名索引であるZefix(Zentraler Firmenindex)を確認してください。同サイトは、スイス連邦商業登記局の公式の公開検索ポータルで、国内全26州の登録企業、法人、およびそのデータを無料で検索することができます。
賃貸物件のセキュリティ
スイスでは、スマートテクノロジーを使ったセキュリティシステムが広く利用されており、Protectas、Sunrise、Kevin、Focus Controlといった企業が専門的なオプションを提供しています。
※カメラ設置のために壁に穴を開けたり、鍵を交換したりするなど、建物の構造に少しでも影響が出る場合は、家主の事前承認が必要です。一時的な設置であれば、穴あけ工事が不要なスマートカメラを検討しましょう。ただし、監視サービスがスイスの監視規制に準拠していることが必須です。
テナント向けセキュリティオプション
- ワイヤレス警報システム:
集合住宅に適したモーションセンサーやドアセンサーを使用し、非破壊設置(Non-Destructive Inspection/NDI)が可能 - スマートセキュリティ(DIY):
留守中でも家に人がいるように見せかけるシステム - 監視サービス:
24時間365日の監視サービス。何かを感知すると30分以内に到着する迅速な認定介入オプションも - 包括的パッケージ:
24時間365日警備員が対応し、アプリを使った監視や緊急支援を含むパッケージ
セキュリティを導入するにあたって考慮すべき事項
連邦データ保護法(FADP)を遵守しましょう。監視カメラは公共の場所や他人の所有物を撮影することはできません。撮影が許可されるのは、私有地またはテナントの賃貸スペースのみ。スマートドアロックによるセキュリティ強化も同様で、データ保護法に違反しないよう注意が必要です。
費用についても考慮しましょう。基本的なDIYワイヤレスシステムは比較的安価ですが、プロ仕様のシステムは設置の複雑さによって3,000スイスフランから1万スイスフランを超える場合もあります。
テナント賠償責任保険
スイスにはテナント専用の賠償責任保険はありませんが、テナントが賃貸物件に損害を与えた場合に備えて、個人賠償責任保険に加入することが推奨されています。この保険は、子どもが壁に落書きをしたり、キッチン家具の移動でフローリングを傷付けたりなど、通常の摩耗や損耗を超える損害を補償するものです。これらの損害は、賃貸物件を明け渡す際にかなり高額な修繕費用がかかる可能性があります。
集合住宅での洗濯ルール
洗濯に関する連邦法はありませんが、大家が規則を設けていることは珍しくありません。多くの集合住宅には共用の洗濯室があり、利用時間が決められています。世帯ごとに特定の時間帯が割り当てられ、夜間や日・祝日の洗濯を制限している物件もあります。
新しい物件や部屋ごとに洗濯機のある集合住宅では、制限は少ないものの、騒音規制や共用規則が適用されていることがほとんどです。不便に感じることもあるかもしれませんが、スイス人が共有インフラや良好な近隣関係、明確な共用規則を重視する傾向を反映していると理解しましょう。
洗濯干し
- 乾燥室/セコマット(Secomat):
多くの集合住宅の共用乾燥室には、数時間で効率的に洗濯物を乾かすことができる「セコマット(高効率の室内空気式洗濯乾燥機兼除湿機)」が備えられています。 - 乾燥機の清掃:
乾燥機のフィルターを清掃し、使用後に乾燥機本体を拭くことは、一般的なマナーとされています。 - バルコニー:
日・祝日にバルコニーに洗濯物を干すことは、美観上の理由から禁止または推奨されないケースが少なくありません。道路から見えてしまう造りの場合はなおさらです。 - 室内:
共同住宅でも、室内での洗濯物の乾燥は許可されていることがほとんどですが、カビの発生を防ぐためにも、湿度を急激に上昇させるような物干しラックの使用は避けてください。カビが発生した場合の責任はテナントにあります。
さまざまな手続き
スイスには各州または各都市に半民営化された独自の電力供給会社があり、民間企業が各地域で契約獲得を目指して競争が激化しています。一方、一般家庭では居住地域の電力会社とのみ取引を行い、別の供給会社が管轄する地域に引っ越さない限りは、供給会社を切り替えることはできません。
また、電気とガスを供給する会社が水道も供給しているため、ほとんどの公共サービスは実質的に同じ供給会社によって管理されています。
スイス政府は、一般家庭向けエネルギー市場を完全に自由化しようと何度か試みましたが、そのたびに国民投票で否決されています。この制度がコストを低く抑えるのに役立っているというのがその大きな理由です。
賃貸物件の電気・ガス
賃貸物件の光熱費は、家主が一括して負担し、その後家賃に含めることがほとんど。賃貸契約を結ぶ前に、家賃に含まれるものとそうでないものを確認しましょう。
光熱費が家賃に含まれない場合は、自分で地域のエネルギー供給会社に登録しなくてはなりません。その際、前のテナントの氏名を尋ねられることがあるので予め確認しておきましょう。
エネルギー供給会社と契約するために必要な書類
- パスポートや居住許可証などの身分証明書
- 住宅ローン明細書、賃貸契約書売買、契約書などの住所証明書
- スイスの銀行口座情報
- (すでにあれば)物件に設置されているスマートメーターのID
エネルギー料金は通常、口座振替で毎月支払います。1年に1度、支払い内容とエネルギー使用量を記載した明細書が送付されますが、エネルギー使用量が予想より多かったり少なかったりした場合には、月々の支払い金額で調整されます。
電気料金
電気料金は居住地域によって大きな差があります。料金に含まれるものは通常請求書に記されており、主に以下が含まれています。
- 電気料金
- 送電網利用料
- 社会貢献金(一部の自治体が課す電気購入税)
- 再生可能エネルギー貢献金(再生可能エネルギー源の普及促進のために課される上乗せ料金)
- 冬季予備電力貢献金(予備電力の維持費用を賄うための追加料金)
エネルギー供給パッケージの選択
個人が自由に電力会社を選ぶことはできませんが、多くの電力会社が提供するエネルギーパッケージと料金プランには、幅広い選択肢があります。たとえば、
- 従来の電力網を利用する標準パッケージ
- オフピーク時に料金が割引されるパッケージ
- 再生可能エネルギーのみを使用するグリーンイニシアチブパッケージ
- さらに、以下のような追加のエネルギー製品についても競争力のある価格が提供されています。
- 太陽光パネル
- 地熱発電機
- ヒートポンプ
- スマートホーム機器
エネルギー供給会社の変更
スイスではエネルギー供給会社を自由に変更することはできません。変更できるのは、別の会社がサービスを提供している地域に引っ越す場合のみ。
引越しの際は、以前の供給会社に解約する旨を伝えてください。その後、引越日にメーターの検針値を提出することで、最終請求額が確定されます。
電圧と電源プラグ
スイスでは、他の多くのヨーロッパ諸国と同じ230V/50Hzの電圧を使用しています。異なる電圧を使用する国から移住する場合には、機器を正常に動作させるための電源プラグアダプターが必要になります。
電源プラグは、タイプC(2ピン)とタイプJ(3ピン)が使用されています。タイプCプラグは、スイスでもっとも一般的なタイプJのコンセントにも使用できます。
水道
山岳地帯に位置しているスイスでは、水の約40%が高山の湧水から供給されており、一般供給前に一切処理する必要がありません。残りの60%も地下水と地表水の混合水のため、どの蛇口からでも水を飲むことができます。国内であれば、特に明記されていない限り噴水の水も飲むことができます。連邦食品安全獣医局(FSVO)は、水質が包括的な基準を満たしていることを確認するため、定期的に水質検査を実施しています。
豊富な水資源を有しているのにもかかわらず、スイス連邦環境庁は、急速な気候変動により水供給に関する課題が深刻化していると発表しています。氷河の融解と積雪量の減少は水資源の分布を変化させ、特に夏になると局地的に一時的な水不足を引き起こしています。こうしたリスクに対処するため、積極的な地域計画と新技術への投資が進められています。
水道契約方法
スイスの水道供給は地域ごとに標準化されており、一般住民が水道会社を選ぶことはできないため、在住地域を担当する水道会社と契約します。しかし、このような手続きが必要になるのは住宅を購入した場合に限られ、賃貸物件では家主が水道会社とのやり取りを行い、水道料金は家賃に含まれていることが普通です。賃貸契約書に詳細が記載されていますので、確認しましょう。
まれなケースではあるものの、もしも自分で水道会社と契約することになったら、在住地域の水道会社に連絡を。その際、下記の情報が必要になります。
- 氏名
- 住所
- 入居日のメーターの読み取り値
- 銀行口座情報(料金は口座振替で支払うため)
※スムーズな引き継ぎ手続きのため、前の居住者の氏名も調べておきましょう
1年に1度、水道事業者はメーターの読み取り値に基づいて、推定使用量と実際の使用量を比較した請求書を発行します。使用量が予想より多かったり少なかったりした場合には、追加料金を請求されるか、払い戻しを受けます。
水道会社の変更
水道水は地元の水道会社からしか供給されないため、別の水道会社の管轄区域に住所を移すのでない限り、水道会社を変更することはできません。
固定電話
固定電話サービスは現在、ほぼすべてIPベース(インターネット接続型)となっており、光ファイバーまたは銅線で設置され、ルーターでVoIP(Voice over IP)が設定されます。多くの場合、インターネットやテレビのパッケージとセットで提供されています。Swisscomなどのプロバイダーは、単体オプションも提供しています。主要プロバイダーには他にも、SunriseやWingoなどがあります。WingoではWingoインターネットに追加できる無料の固定電話回線サービス「Wingo Fix」を提供しています。
スタンドアロンの基本回線利用も可能ですが、それぞれのニーズに合わせてインターネット、有料テレビ、携帯電話などとのパッケージを見つけると、個別で契約するよりも割安になります。
インターネット
スイスには数多くのインターネットプロバイダーがあり、選択肢が豊富。他の公共サービスとは異なり、自由に選ぶことができます。
契約前に、AlaoやComparisなどの比較サイトを利用して料金やパッケージ内容を比較してみましょう。住所を入力すれば、在住地域で高速インターネットの接続が可能かどうか確認でき、フィルター機能を使えば、希望条件に合わせて絞り込むことができます。
インターネットの契約
賃貸物件では前の入居者のプロバイダーとの契約を引き継ぐことができることもあり、手続きははるかに簡単になります。転貸の場合は、代表入居者または家主がインターネットの手配を行い、その費用の一部(または全部)が家賃に含まれます。
前の入居者の契約を引き継げない場合には、新しく契約を結ぶ必要があります。モバイルインターネットプランを選択するというケースを除き、新しいルーターの配送や技術者によるインターネット回線の設置を待つ必要があります。
インターネットに繋げる方法
インターネット接続は、使用される技術によって速度と信頼性が大きく左右されます。
- DSL
もっとも一般的な方法で、銅線電話回線でデータを伝送します。一般的にケーブルや光ファイバーよりも速度が遅く、信頼性もやや劣ります。プロバイダーの多くはDSL、またはDSLと光ファイバーの混合接続を使用しています。 - ケーブル
同軸テレビケーブルでデータを伝送。速さはDSLと光ファイバーの間ぐらいです。エリア内の複数ユーザーで共有されるため、ピーク時には速度が低下することも。 - 光ファイバー
ガラスファイバーを使用してデータを伝送。もっとも高速で信頼性が高い接続方式とされています。スイスでは光ファイバーネットワークは拡大しているものの、多くのプロバイダーは依然として顧客宅への最終接続にDSLを使用しています。契約前に、自宅まで光ファイバー回線が敷設されているか(FTTP)、それとも周辺地域までしか敷設されていないか(FTTCまたはFTTN)を確認する必要があります。 - モバイルネットワーク
4Gや5Gなどのモバイル通信ネットワークを使用してデータを送信。多くの携帯電話会社は、家庭向けブロードバンドインターネットプランを提供しています。短期的な解決策としてや、遠隔地での利用には適していますが、接続が不安定になる傾向もあります。
ゴミ収集のルール
リサイクル率の高さで知られるスイス。住人一人ひとりに自分の役割を果たすことが求められます。ゴミの収集には料金がかかり、その徴収方法は、自治体のゴミ袋を購入する、あるいは市販のゴミ袋に貼るシールを購入するなど地域によってまちまちです。シール購入の場合でも、各州の市町村に特化したものでないとなりません。また、収集ルールを守らないと高額な罰金が課せられることもあります。
最寄りのリサイクルボックスは通常、ガラス、ペットボトル、金属缶、家庭用油などを回収対象としてます。スーパーマーケットにも小さなリサイクルステーションがあり、限られた種類ではありますが、特定の品物を処分することができます。
リサイクル紙は、紐で束ねて特定の収集日に道路脇に置いておくのが一般的ですが、集合住宅だと一般紙用ゴミ箱が設置されていることもあります。地域によっては、古い家具やその他の大型品(自転車など)を回収する日が設けられている場合も。各自治体は、ゴミの収集(収集時間や手順など)とリサイクルに関する情報を、パンフレットの郵送やインターネットを通じて提供しています。在住地域のリサイクルサービスについてもあらかじめ調べておくことが大切です。
また、ほとんどの自治体にはリサイクルセンターがあるので、大量にリサイクルするものが出てきた場合に便利です。センターの規模が大きいほど、回収できる家庭用品や使用済み素材の種類も広く、電化製品、緑の廃棄物、金属製品、家具、さらには動物の死骸まで含まれます。不要だけどまだ使える衣類の処分は、リサイクル拠点に設置されている慈善団体の回収箱に入れましょう。最寄りのリサイクルセンターを探すには、インタラクティブマップをご利用ください。
新しい電化製品や家具を購入する際には、配達時に不要品や壊れた品物を引き取ってくれるサービスがあるかどうか尋ねてみるとよいでしょう。多くは有料になりますが、自分でリサイクルセンターまで運ぶ手間が省けます。また、小売店は使用済み電池の回収を、薬局は不要になった薬や期限切れの薬を引き取る義務があります。
ペット
厳格な動物福祉規制のあるスイスですが、ペットを飼育する際の法律や規則は州ごとに異なります。下記に挙げるのは一般的な規則ですので、品種やワクチン接種に関する地域の規則を必ず確認してください。
ペットに関する一般的な規則
モルモット、ウサギ、オウムなど、社会性のある動物を単独で飼育することは禁止されています。飼育ケージは最低限サイズの要件を満たし、適切な衛生状態が保たれ、日当たりのよい場所に設置されていなくてはなりません。
スイス動物福祉法(The Swiss Animal Welfare Act/AniWA)は、動物に痛みや苦しみ、不安を与えることを禁止しています。電気や注射で動物を罰する装置やスパイクカラーは使用できません。
犬の飼育規則
すべての犬は、到着または購入後10日以内にマイクロチップを装着し、AMICUSのデータベースに登録する必要があります。海外から入国させた犬は10日以内に獣医師によるマーキング検査を受け、子犬は生後3カ月以内に獣医師によるマイクロチップの埋め込みを受けなければなりません。データベースへの登録はマーキング検査やチップ埋め込みをした獣医師が行います。
海外から入国する個人のペットでない限り、断耳または断尾された犬を国内に持ち込むことは禁止されています。
飼い主は、州に犬税(約100~200スイスフラン)を支払い、地元の自治体に登録します。一部の州では賠償責任保険の加入が義務付けられています。
飼い主には、飼い犬を毎日運動させる義務があります。庭などに繋いでいる場合には、少なくとも20平方メートルのスペースが必要です。
生後15週間未満の子犬の商業的な輸入は禁止されています。ブリーダーから直接引き取る個人所有者であれば、15週間未満子犬を輸入できます。
※チューリッヒで導入された新しい法律:
2025年6月1日以降に犬を飼い始めた人は、犬種や大きさにかかわらず、義務付けられた訓練コースを受講しなければなりません。初めて犬を飼う人や10年以上犬を飼っていない方は、最終試験を含む理論コースを受講することが義務付けられています。実技訓練コースは6回のレッスンで構成され、すべての飼い主が受講する必要があります。コースや試験に関する詳細はこちらでご確認ください。
猫の飼育規則
猫のマイクロチップ装着は必須ではありませんが、室内飼いでない場合には特に、識別のために猫をANISデータベースに登録することが推奨されています。
室内飼いの猫には、遊んだり高いところに登ったりする機会を与え、人間や他の猫と定期的に接触させなければなりません。
エキゾチックペット
野生動物やエキゾチックな動物種を飼育するには、多くの場合許可が必要で、専門的なケアと安全が確保されていることが必須です。連邦食品安全獣医局(Federal Food Safety and Veterinary Office/FSVO)からの特別な許可を受ける必要がある動物もいます。また、特定の動物は飼育自体が禁止されています。絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約(CITES)では、世界中で約3,500種の保護対象動物種をリストアップしています。これらの動物またはその製品の輸入は厳しく禁止されているか、許可が必要です。輸入時には、原産国のCITES当局が発行した輸出許可証または再輸出許可証を、税関の獣医検査官に提出してください。







