ロンドン一般情報
ロンドン概要
ロンドンの人口はおよそ975 万人。さまざまな人種や民族が共存し、多種多様な文化が混在しています。街を歩けば、世界中から集まってきた人々が母国語で会話する声があちこちから耳に入り、多民族都市にいることを実感するでしょう。ビッグ・ベンやセント・ポール大聖堂などがそびえる歴史ある街並みの中で、最先端カルチャーが生み出される活気あふれる街です。
自治体/カウンシル(行政区)
⚫︎ロンドンは、City of London にInner London の12 行政区、そしてOuter London の20 行政区の合計32 の行政区から成り立っています。これらの地区をまとめてグレーターロンドン(Greater London)と呼びます。
⚫︎各行政区は、地方税や住民税/カウンシルタックス(Council Tax)、および中央政府からの交付金を主な財源として、市民生活が滞りなく行われるよう幅広い分野で行政サービスを行っています。
郵便番号
⚫︎国の郵便番号(postcode)はアルファベットと数字からなり、地域を特定するのに非常に分かりやすくなっています。
⚫︎郵便番号の区分は行政区とは異なります。
ロンドン公共交通機関
公共交通機関
⚫︎ロンドンの主な公共交通機関は、地下鉄(underground)、バス、ドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR / Docklands Light Railway)、オーバーグラウンド(Overground)、地方へ行く鉄道(National Rail)に分類されます。南部には郊外へ向かうトラム路線があり、利用料金は、1~9に分けられたゾーン(zone)によって決まります。その他、テムズ川を利用したテムズクリッパー(Thames Clipper)という水上バスもあります。
⚫︎エスカレーターを利用する際は右側に立ち、左側は急ぐ人用に空けておくのがルールになっています。
⚫︎ロンドンの交通一般に関する情報は、ロンドン交通局(Transport for London)の公式ウェブサイトで。目的地への行き方や運行時刻、料金などトラベル情報全般を網羅しています。運行況やストライキ状況、代替移動方法などは公式ページで調べましょう。
乗車券
ロンドンの公共交通機関では、現金による清算はできません。プリペイドであるオイスターカード(Oyster Card)を入手するか、キャッシュカードやクレジットカード、あるいは決済機能の付いたスマートフォンを携行しましょう。
地下鉄
⚫︎その形からチューブ(Tube)の愛称を持つロンドンの地下鉄は、全11路線。始発と終電の時間は路線によって異なりますが、概ね月0土曜日は始発が5:00 ‒ 5:30頃、終電はセントラル地区を24:00 ‒ 1:00頃に発車(路線によっては金・土の夜は深夜運行あり。「ナイトチューブ」参照)、日曜日は始発が5:30 ‒ 7:00頃、終電はセントラル地区を23:30 ‒ 24:00頃に発車します。公式サイトで確認を。
⚫︎料金は乗車ゾーンと下車ゾーンによって決まります。繁華街や金融街のある中心部がゾーン1 で、郊外に向けてゾーンの数字が上がります。詳しくは地下鉄マップで確認を。
⚫︎車内にベビーカー(buggy)や折りたたみ式の自転車を持ち込むことはできますが、混雑状況などによっては制限されることもあります。たためない自転車は路線や時間によっては持ち込みが禁止される区間もあります。そちらは公式サイトで確認できます。
⚫︎ロンドンの地下鉄で現在エアコンが設置されているのは、Circle、Hammer。それ以外の路線では、夏場はかなり蒸し暑くなります。2025年末までに、Piccadilly線でもエアコンを備えた新型列車の運行を開始する予定です。
ナイトチューブ
地下鉄の一部路線は金曜日の始発から日曜日の終電まで継続して運行しています(Night Tube)。現在、Victoria、Piccadilly、Northern、Central、Jubilee 各線の、一部を除く区間で深夜運行が行われており、オフピークの運賃で乗車できます。詳細はロンドン交通局のウェブサイトで確認を。
ドックランズ・ライト・レイルウェイ
ドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR)は無人自動運転の路線で、シティ、ドックランズ、グリニッジなどを結んでいます。
オーバーグラウンド
⚫︎オーバーグラウンドは、主にゾーン2より外側の、地下鉄網のないエリアを走る地上路線で、113駅をカバーしています。2024年11月より旅程を分かりやすくする目的で、6つのルートに独自の路線名と色が付けられました。
⚫︎①Lioness(黄):Euston 駅とWatford Junction 駅間 ②Mildmay(青):Stratford 駅とRichmond 駅・Clapham Junction 駅間 ③Windrush(赤):Highbury & Islington駅とClapham Junction駅・New Cross駅・Crystal Palace駅・West Croy ④Weave(r 栗):Liverpool Street駅とEnfield Town駅・Cheshunt駅・Chingford駅間 ⑤Suffragette(緑):Gospel Oak 駅とBarking Riverside 駅間、⑥Liberty(グレー):Romford 駅とUpminster 駅間
⚫︎利用方法は地下鉄と同じですが、中心部を通らないためその分料金は安く設定されています。
⚫︎Highbury & Islington 駅からNew Gross Gate 駅までは、金曜と土曜の深夜運行サービスがあります。
ナショナルレイル
ナショナルレイルはロンドンにある約20の主要鉄道駅から、英国各地の地方都市を結んでいます。
バス
現金払いはできません。あらかじめオイスターカードやコンタクトレス機能の付いたキャッシュカードかクレジットカード、決済機能の付いたスマートフォンを携帯しておきましょう。普段バスのみを利用する場合は、オンラインやニュースエージェント(Newsagent)などで購入できるバスパス(Bus Pass)がお得です。また、地下鉄の定期券やトラベルカードを持っていると、ゾーンにかかわらずバスにも乗車できます。
⚫︎土地勘がないうちは不安もありますが、地上で乗り降りできるバスは慣れると便利。特にロンドンでは住宅地の中を網の目のように走り、日常の足となっています。
⚫︎バス前面のパネルにはルートナンバー、終点、いくつかの通過ポイントが表示されています。バス停には停車するバスのルート番号の他、行き先の地名、ルート上のバス停名、運行時間の目安などが表示されています。
⚫︎バス停に「Request(リクエスト)」または「Request Stop(リクエスト・ストップ)」とあったら、手を挙げて合図しなければバスは停まりません。ただしロンドン市内のバス路線は、リクエスト・ストップでなくても慣例として乗りたいバスが来たら手を挙げて合図をしなければ停まらない傾向にありますので、合図を忘れないようにしましょう。
⚫︎住宅街を走るバスの中には、バス停がなく所定の場所で手を挙げて乗り降りする「Hail & Ride」区間のある路線もあります。この区間に入るときと出るときに車内アナウンスがあります。降りたい場所が近づいたら、停車ボタンを押しましょう。
https://tfl.gov.uk/modes/buses/using-buses-in-london
⚫︎交通事情などにより、予告なくルートや目的地が変更になることもあります。乗車中にそうなってしまったら、車内アナウンスに注意を払いましょう。
バスマップ
ロンドン各地を通るバスの詳細ルートマップは公式サイトにアクセスし、「Bus spider maps」から地域名をクリックして表示します。
ナイトバス
⚫︎深夜12時を過ぎると、本数は少ないもののルートによっては朝までナイトバスが走っており、バスのルートナンバーの前に「N」が付いた路線がそれに当たります。ナイトバスに切り替わると、同じルートナンバーでも郊外へ行くほど昼間の路線よりも多くの地域をカバーします。
⚫︎全停留所がリクエスト・ストップになるので、必ず手を挙げて合図をし乗り損なわないように気を付けましょう。
スーパーループ(Superloop)
ロンドン郊外の街や病院、学校などをループのように丸く結ぶ高速バス、スーパーループ。排ガス規制による自家用車への車両通行税が導入されたことにより、バス移動の選択肢を増やすことを目的に2023 年より導入された。主要なバス停しか停まらないので素早い移動が可能。ルートの詳細はこちらから。
オイスターカード
⚫︎オイスターカード(Oyster Card)は、地下鉄、バス、オーバーグラウンド、一部ロンドン近郊の鉄道駅(マップ)やトラム、テムズクリッパーなどに共通して使えるスマートカードです。
⚫︎1週間、1ヵ月、または1年間の定期券として使用できる他、あらかじめいくらかの金額をカードにチャージしておき、乗車するごとに運賃が差し引かれるプリペイドカード(Pay As You Go)としても使えます。
オフピーク
⚫︎Pay As You Goでロンドンの公共交通機関を利用する場合は、平日(祝日を除く)の6:30 ‒ 9:30 と16:00 ‒ 19:00 のピークタイムを避けると運賃が安くなります。ただし、ヒースロー空港駅からゾーン1に行く場合には一日中ピークタイム料金となります。
⚫︎夕方のピークタイム(16:00 ‒ 19:00)でも、ゾーン1以外の区間からゾーン1に行く場合はオフピーク料金になります。
キャップス(Caps)
Pay As You Go を使って1日に何度も乗り降りする場合、1日の上限額以上は課金されないよう自動設定されているのがキャップス。上限額は、利用時間帯や利用ゾーンによって変わります。コンタクトレスを使った場合には、月~日曜日の1週間分の上限が決まったPay As You Go(1週間用のトラベルカードと同額)もあります。
オイスターカード利用の留意点
オイスターカードを使って乗車・下車する際にはカードリーダーにしっかりとタッチしてください。カードリーダーがカードを認識しないと最大料金がかかるのでご注意を。詳細はこちらから。
旅行者用オイスターカード
⚫︎有名ショップやレストラン、ギャラリー、その他の観光施設で特別割引が受けられる特典が付いた旅行者用オイスターカード(Visitor Oyster Card)もあります。出国前に購入する必要がありますが、トップアップ(top up)はロンドンで行うことも可能です。
⚫︎新規のオイスターカードは、ロンドン交通局のウェブサイトにてアカウント登録して購入、または駅の窓口で購入できます(£7)。トップアップはタッチスクリーン式の自動切符販売機やオイスターカードのウェブサイト、オイスターカードのマークのあるニュースエージェントで。オンライン登録をして、銀行口座から自動引落の設定をする方法もあります。
コンタクトレス
キャッシュカードやクレジットカード、決算機能付きスマートフォンも、カードリーダーにタッチすることでオイスターカードと同じ運賃で利用できます。
トラベルカード
トラベルカードは、1日、1週間、1ヵ月、1年など、期間とゾーンを決めて、その限度内で乗り放題で利用できるチケット。ペーパータイプを購入する方法と、オイスターカードを「トラベルカード」として利用する方法があり、地下鉄、バス、DLR、オーバーグラウンド、一部の郊外電車などで使えます。
定期券
定期券(Travelcard Season Tickets)にはバス・地下鉄・鉄道共通、バス専用のバスパス(Bus Pass)があります。購入可能期間は7日、1ヵ月、1年の3種類。週6日以上の往復または1 日あたり3回以上の利用があり、かつそれが主にピーク時である場合には、オイスターカードのPay As You Go のキャップス額よりも定期券の方がお得になります。
10歳以下は無料
大人が同伴する5歳未満の子どもは無料で公共交通機関を使えます。5~10歳も写真付きの専用オイスターカード(5-10 Zip Oyster Photocards)を作るとロンドン交通局が運営する全サービスが無料です。鉄道(National Rail)の無料乗車区間は公式サイトで確認を。
11~17歳も無料・割引に
11~15歳は、11-15 Zip Oyster Photocards を取得することでバスとトラムが無料に、その他の交通機関は子ども料金で利用できます。鉄道とテムズクリッパー・リバーバス・サービスも、5~15歳は基本的に大人の半額料金になります(桟橋で購入するテムズクリッパー往復料金を除く)。
16・17歳は、16 + Zip Oyster Photocardを取得することで、バス・地下鉄・DLR・オーバーグランド・エリザベス線(West Drayton とReading の間は除く)と、ほとんどの鉄道路線が大人のPay As You Go 料金の半額になる他、ロンドン在住者はバスとトラムが無料で乗車できます。1週間、1ヵ月、またはそれ以上有効のトラベルカードやバス&トラムパスは子ども料金で購入できます。
各Zip Oyster Photocard の詳細や申し込み方法は公式で。
その他の割引・無料カード
一定条件を満たすロンドン在住の18歳以上の学生や仕事の実習生(appren-tice)は、18 + Student Oyster Photocard を取得するとバス&トラムパス、トラベルカードが大人料金の30%割引に、また60歳以上のロンドン在住者が対象の60 + London Oyster Photocard を使うと、平日の9:00(鉄道は9:30)以降と週末・祝日はロンドンの交通機関の一部の利用が無料になります。詳細は公式サイトで。
タクシー
⚫︎もっとも信頼できるのは、ブラックキャブ(Black Cab)と呼ばれるタクシー。フロントガラス上部のランプが点灯していたら空車の印。
⚫︎ブラックキャブを止めたら車の窓越しに行き先を告げ、自分でドアを開けて乗車。料金は、曜日や時間帯、距離に応じて加算されます。荷物が多くてドライバーに手を貸してもらったなど、状況に応じて10%程度のチップを渡すとよいでしょう。伝統的には降車してから窓越しに現金を支払っていましたが、最近は車内でコンタクトレス支払いを済ませるケースも増えています。
ミニキャブ
ブラックキャブに比べて割安のミニキャブ(Minicab)は、一般の車を使ったタクシーサービス。ブラックキャブとは異なり街を流して客を拾うことはできないので、利用の際はライセンスを持つ業者のオフィスに直接出向くか、ウェブサイトや電話、アプリを使って予約を。大手には Addison Lee があります。予約時には料金の確認も忘れずに。
配車サービス
ロンドンをはじめとする都市部では、アプリを使って配車サービスを注文する「ウーバー(Uber)」や「フリーナウ(FREE NOW)」、「ボルト(Bolt)」などがあり、割安なことから利用者が増えています。支払い方法などをあらかじめ登録しておくので現金なしで乗車できて便利ですが、一般の人が運転しているケースが多いため、夜間は他のユーザーのドライバー評価ページを確認した上で利用するとよいでしょう。詳細は各社のウェブサイトで確認を。
レンタサイクル
ロンドンにはレンタサイクルのサービスがいくつかあり、中でもロンドン交通局が運営している Santander Cycles では、市内各所に800ヵ所以上ある駐輪場(Docking Station)から1日24時間いつでも自転車を借りることができて便利。1回の乗車は30分までが£1.65で、それ以降は30 分ごとに£1.65が加算されます。利用するにはまず専用アプリをダウンロードして登録。アプリを使えない場合は、キャッシュカードを使って、直接自転車ドックでレンタルすることもできます。頻繁に利用する場合は、月会員(£20)や年会員(£120)になって電子キー・システムで自由にアクセスする方法がお得です。会員になると1時間までは追加料金なしで乗り放題。また通勤で利用する場合は、Santanderだけでなく、
Brompton やBuzzbike など他のオペレーターが提供する半年または1年契約のサービスを使えば通常に比べて最大43%レンタル料を割引することが可能。詳細は、www.cyclescheme.co.uk/rent-a-bike で。
電動自転車
Santander Cycles では自転車にエンジンが付いた電動自転車(e-bike)の貸し出しもしています。利用には事前登録が必要。1回の乗車30分まで£3.30、それ以降は30分ごとに£3.30追加。頻繁に使う場合は、月会費£20、または年会費£120を支払うと、60分まで1ポンド、それ以上は60分ごとに£3.30を追加。詳細はこちら。
電動スクーター
ロンドン市内における電動スクーター(electric scooter)の利用において、現在ロンドン交通局から一般道を走る許可を受けているレンタル・スクーターは、LimeとVoiの2社のみ。電動スクーターは自動車に分類されるので利用には運転免許証が必要です。また、保険なしで利用すると罰金£300と罰則ポイント6点が課せられる場合があります。詳しくはウェブサイトで確認を。
<忘れ物・落とし物をしたら>
地下鉄・バス・タクシー
⚫︎ロンドンの地下鉄やDLR、オーバーグラウンド、ブラックキャブに置き忘れをしたら直接出向かず、ロンドン交通局のウェブサイトのオンライン問い合わせ申込書に詳細を記入して問い合わせをします。
バスでの置き忘れは、紛失して3日以内であればバスのオペレータに連絡します(https://tfl.gov.uk/modes/buses/who-runs-your-bus)。
クレジットカードやキャッシュカードの遺失受付はしておらず、届出があった場合は破棄されます。これらを紛失した場合には、すぐに発行元の金融機関へ紛失したことを伝え、再発行の手続きをしましょう。
⚫︎問い合わせ後、連絡が入るまで最長15日かかります。駅や車庫に直接赴いて引き取る場合は無料ですが、遺失物預かり所に送られると3ヵ月間まで保管され、管理費として手数料が発生します。また、3ヵ月を過ぎたものはロンドン交通局の所有物となります
鉄道
鉄道内での置き忘れは、ターミナル駅の遺失物預かり所に問い合わせを。