ウィーン一般情報
ウィーン概要
オーストリアの首都ウィーンは、都市および連邦州。オーストリアの9つの州の中で、面積は最小ですが、人口は最大のおよそ202万人(北海道札幌市とほぼ同様)です。
オーストリア北東部、アルプス山脈の麓とカルパティア山脈(Carpathians)の間に位置し、ヨーロッパで2番目に長い川であるドナウ川(Donau)が山々を切り開いて流れています。ドナウ川沿いのこの街の大部分は右岸にあります。
ヨーロッパ旅行の拠点としても最適のロケーション。東ヨーロッパと西ヨーロッパにまたがり、イタリアやバルカン半島との結びつきが強い一方、DACH(ドイツ、オーストリア、スイス)加盟国間では国境管理が緩く、比較的自由に移動することができます。その立地と歴史的重要性から、主要な交通ハブにもなっており、大陸の他の地域への鉄道や道路のアクセスが容易です。
ウィーンはまた、ニューヨークやジュネーブに次ぐ「第三の国連都市」。国際原子力機関(International Atomic Energy Agency/IAEA)や国連工業開発機関(United Nations Industrial Development Organization/UNIDO)など、国連諸機関の本部が置かれている他、欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Co-operation in Europe/OSCE)事務局や石油輸出国機構(Organization of the Petroleum Exporting Countries/OPEC)本部を有する国際都市でもあります。冷戦期には東西両陣営の接点として、ケネディ-フルシチョフ会談(1961年)が行われるなど、いくつかの国際交渉の舞台ともなりました。
(日本外務省ページより)日本とは特に音楽分野での交流が活発で、ウィーン市立音楽芸術大学(Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien/MUK)などで多くの日本人留学生が音楽を学ぶ他、著名な日本人音楽家がオーストリアを拠点として活動しています。また、世界的に有名なウィーン少年合唱団(Wiener Sängerknaben)やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)は定期的に日本公演を実施しています。近年は、漫画などの日本のポップカルチャーの影響を受けた学生が日本語を学習するケースが増えています。オーストリアで唯一日本学科を有するウィーン大学日本学科には毎年約200名(副専攻を含む)の学生が入学しています。一方で、日本の伝統文化や武道等に関心を持つ人も少なくなく、寿司や抹茶、ラーメンといった日本食のブームも起きています。
自治体/行政区
ウィーン市は23区の行政区で構成され、それぞれが独自の個性と趣を持っています。旧市街と市内中心部が最初の区で、その周囲に8つの区が広がり、その8つの区の周囲にさらに14の区があります。旧市街を取り囲む「インナーサークル」には、第1区から第9区までと第20区が含まれます。
第1区/インネンシュタットまたはインナーシュタット(Innenstadt / Innere Stadt)
中心部である「第1区/インネンシュタットまたはインナーシュタット(Innenstadt / Innere Stadt)は、1周4キロ、直径は約1.3キロの「リンク(Ring)」と呼ばれる環状道路に囲まれています。ホーフブルク宮殿(Hofburg)や国立歌劇場(Wiener Staatsoper)をはじめとする多くの歴史的名所や一流住宅街が集まっており、現在でも、城壁が崩壊する19世紀以前の街並みを残しています。観光スポットの多くは第1区とその周辺に集中しているので、歩いてまわることができるのも魅力です。
第2区/レオポルトシュタット(Leopoldstadt)
ドナウ運河支流の対岸、第1区の向かいに位置しています。巨大な遊園地、大観覧車「リーゼンラート(Wiener Riesenrad)」、プラネタリウム、ゴーカートなどの魅力的な施設が250以上も揃った広大なプラーター公園(Der Wiener Prater)や、マダム・タッソー蝋人形館(Madame Tussauds Wien)、多目的スタジアム「エルンスト・ハッペル・シュターディオン(Ernst-Happel-Stadion)」が知られています。
第3区/ラントシュトラーセ(Landstrasse)
現在は名高い美術館となっている、18世紀の「ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)」と、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー設計による20世紀の2つの歴史的建物「フンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)」と「クンストハウス・ウィーン(Kunst Haus Wien)」があります。
第4区/ヴィーデン(Wieden)
この区で最もよく知られているのは、「ウィーン博物館(Wien Museum)と壮麗な「カールス教会(Karlskirche)」でしょう。いずれにも「カールス広場(Karlsplatz)」を見下ろすパノラマテラスがあります。ウィーンで長年営業している英国・米国系食料品店「ボビーズ(Bobby’s)」もこの区にあります。
第5区/マルガレテン(Margareten)
ウィーン川(Wienfluss)と、大きな「ナッシュマルクト蚤の市(Flohmarkt am Naschmarkt)」の一端に隣接しています。他には観光名所と呼ばれるようなスポットはあまりありません。
第6区/マリアヒルフ(Mariahilf)
活気に満ち、バーやレストランが豊富なエリア。巨大な「ナッシュマルクト蚤の市」、「ハウス・デ・メール水族館と動物園(Haus des Meeres)」、ウィーンの主要ショッピング街「マリアヒルファー通り(Mariahilfer Straße)」、「ハイドンハウス博物館(Haydnhaus Museum)」があります。
第7区/ノイバウ(Neubau)
中心部に位置する「ミュージアムクォーター複合施設(MuseumsQuartier Wien - MQ)」には、美術館、展示会、カフェ、イベント、ショップが入っており、コンテンポラリーな雰囲気が漂う文化的エリアです。
第8区/ヨーゼフシュタット(Josefstadt)
「フォルクスクンデ博物館(Volkskundemuseum)」といくつかの美しい教会があります。この人気の歴史地区には、ハイドンとブルックナーが演奏した「ピアリス教会(Piaristenkirche)」と、ベートーヴェンの葬儀が行われた「アルザー教会(Alserkirche)」が特に有名です。また、その歴史を1788 年まで遡る「ヨーゼフシュタット劇場(Josefstadt)」は地元の人々の誇りです。
第9区/アルザーグルント(Alsergrund)
古い建物が多く、「シューベルトの生家(Schubert Geburtshaus)」、フロイトの古いアパート内に造られた「ジークムント・フロイト博物館(Sigmund Freud Museum)」、「フォルクスオーパー歌劇場(Wiener Volksoper)」、「リヒテンシュタイン庭園宮殿(Gartenpalais Liechtenstein)」、「シュトラウスの家(Haus der Strauß)」などがあります。
第20区/ブリジッテナウ(Brigittenau)
ここは、19世紀末にドナウ川の川床を排水して人工的に作られた地区。第2地区であるレオポルシュタットから行政的に分離されたため、第2区に隣接していながら数字の上では離れています。ドナウ川とドナウ運河(Donaukanal)の間に位置し、ウィーンで最も水と緑に満ちたエリアといえるでしょう。幼稚園や学校、病院、銀行、図書館、スポーツ施設など、生活を豊かにする施設が集まっているのも特徴です。
第9区からさらに外れると、ウィーンとニーダーエスターライヒ州(Niederösterreich)の境界を示す別の環状地区があります。これら郊外地区は、第10区から第23区に分かれます。自分がどの地区にいるのか迷ってしまったら、最寄りの道路標識を探してください。多くの場合、通りの名前の前に地区番号が付いています。ただ、地区番号と家の番号はよく似ているので、混同しないように気をましょう。
Author: Drolexandre via Wikimedia Commons
郵便番号
オーストリアの郵便番号は4桁。首都ウィーンの郵便番号は属する地区によって決まります。ウィーンでは最初の桁は常に1、次の2桁は地区番号、最後の桁は通常0となります。例えば第1区インネレ・シュタットの郵便番号は1010、第12区マイドリングは1120です。
しかしいくつか例外もあります。例えば、ウィーン国際空港は実際にはウィーン市外のニーダーエスターライヒ州に位置していますが、ウィーン市固有の(ただし地区ベースではない)郵便番号である1300番が付与されています。ウィーン国際センターは第22区ドナウシュタットに位置していますが、郵便番号は1400番、オーストリア国連平和維持軍の郵便番号は1500番です。
ウィーンの郵便番号一覧表
区番号 | 地区名 | 郵便番号 |
---|---|---|
1 | Inner City | 1010 |
2 | Leopoldstadt | 1020 |
3 | Landstrasse | 1030 |
4 | Wieden | 1040 |
5 | Margareten | 1050 |
6 | Mariahilf | 1060 |
7 | Neubau | 1070 |
8 | Josefstadt | 1080 |
9 | Alsergrund | 1090 |
10 | Favoriten | 1100 |
11 | Simmering | 1110 |
12 | Meidling | 1120 |
13 | Hietzing | 1130 |
14 | Penzing | 1140 |
15 | Rudolfsheim-Fünfhaus | 1150 |
16 | Ottakring | 1160 |
17 | Hernals | 1170 |
18 | Währing | 1180 |
19 | Döbling | 1190 |
20 | Brigittenau | 1200 |
21 | Floridsdorf | 1210 |
22 | Donaustadt | 1220 |
23 | Liesing | 1230 |
Vienna International Airport | 1300 | |
Vienna International Centre | 1400 | |
United Nations Peace-Keeping Forces | 1500 |
公共交通機関
公共交通機関(BVG / Berliner Verkehrsbetriebe)
ウィーン市内の公共交通機関は発達しており、バス(Busse)、電車(S-Bahn)、路面電車(Straßenbahn)、地下鉄(U-Bahn)を利用すれば、市内のほぼどこへでも迅速に移動することができます。ウィーンの公共交通機関である「ウィーナー・リーニエン(Wiener Linien)」は、地下鉄5路線、路面電車29路線、バス127路線を運行しており、500台以上の路面電車と450台以上のバスで構成されています。
バリアフリーも進んでおり、車両、駅、案内・案内システムの各設計においては、アクセシビリティに重点が置かれています。特に、身体はもちろんのこと、聴覚障がいや視覚障がいのある乗客への配慮が行き届いています。
乗車券
ウィーンの公共交通機関は、ニーダーエスターライヒ州(Niederösterreic)の一部、ブルゲンラント州(Burgenland)、そしてウィーン市全域を含む「オーストリア東部地域交通連合(Vorkehrsverbund Ost-Region VOR)」に加盟しています。ウィーナー・リーニエンの乗車券は、すべての公共交通機関(バス、路面電車、地下鉄、鉄道、バーデン鉄道、ほとんどの地域バス路線)において、ウィーン市内「ゾーン100(ウィーン市の行政区域全23区を対象にした公共交通の運賃ゾーン)」全域で有効です。
片道乗車券(Einzelfahrschein)の料金は2.40ユーロ。券売機はほとんどの地下鉄駅に設置されている他、たばこ屋や前売り券販売所(https://www.wienerlinien.at/kundendialog/unsere-standorte)でも購入できます。片道料金は一律2.40ユーロですが、路面電車内で購入すると割増料金が適用され2.60ユーロになります。
片道乗車券は、1回の移動が完了するまで、バス、電車、路面電車、地下鉄を自由に乗り換えができますが、目的地に到着後の別の場所への移動や、改札を出て用事を済ませたあとの使用は不可となっています。「1回の移動の完了」の時間制限は80分が目安です。
交通機関に乗車する前には、乗車券を有効化する必要があります。地下鉄駅、バス、路面電車の入口にある青い機械で乗車券に刻印(Entwertung)するのを忘れないようにしましょう。
乗車券には用途や滞在期間に応じて、1日片道券(1 Fahrt Wien)から、1日・2日・3日券(24, 48 oder 72 Stunden WIEN)、7日券(7 Tage WIEN)、1カ月定期券(31 Tage WIEN)、1年定期券(31 Tage WIEN)の他、美術館などの観光スポットや飲食店での割引などの特典が利用できる、ウィーン・シティ・カード(Vienna City Card)やイージーシティパス(EasyCityPass)など、さまざまな種類があります。
ウィーンの公共交通機関を無料で利用することができる年齢は6歳になる学年度末までの子ども。また、15歳までの子ども・青少年も、ウィーンの学校休暇中、日曜日、祝日、および11月2日と15日には、公共交通機関が無料で利用できます(各学校が決める休校日は不可)。オーストリアの公立学校または公立私立学校に通う高学年の生徒(職業訓練生を除く)の場合、この無料乗車規則は24歳になるまで適用されますが、学生証が証明書となります。
65歳以上のシニアは、片道または2往復の乗車券を高齢者割引料金で購入できます。また、定期的に交通機関を利用するシニアには、年間パスも割引料金で提供されます。
ある程度の期間滞在する学生には、下記のようなお得な乗車券があります:
トップユースチケット(Top-Jugendticket)/ ユースチケット(Jugendticket)
家族手当を受けているなど、一定の条件を満たす学生と見習い実習生の1年間通学・通勤が無料になる上、自由時間にも利用できる定期券。ユースチケットは19.60ユーロ、トップユースチケットは86ユーロ。条件の詳細はウェブサイトでご確認ください。
セメスターチケット(Semesterkarte)
学業奨励法(Studienförderungsgesetz – StudFG)第3条に基づき、各学期開始時に26歳未満の教育機関の一般学生が購入できる定期券(75ユーロ)。9月1日から1月31日までの冬学期と2月1日から6月30日までの夏学期のそれぞれ5カ月間有効です。夏休みの2カ月間は、「ウィーンホリデー乗車券(Ferienmonatskarte WIEN)」が29.50ユーロで購入できます。
各乗車券の詳細はウェブサイトでご確認ください。
行き先から目的地までの行き方やかかる時間などはこちらで確認できます。
ウィーナー・リーニエンのネットワークマップ各種はこちらからダウンロードできます。街の中心部や深夜運行に特化した地図や、トイレのある駅を示したマップもあります。
地下鉄
市内を移動するのに迅速で信頼性が高く、便利な手段が地下鉄です。市街地全域をカバーする5路線を擁する地下鉄は、ウィーンの観光スポットを巡る上でも欠かせない交通手段。地下鉄網は5つの主要路線で構成されており、色と番号で区別されています。
U1 | 赤 | 市の北部レオポルダウ(Leopoldau)と南部オーバーラー(Oberlaa)を結び、シュテファン広場(Stephansplatz)や中央駅ハウプトバーンホフ(Hauptbahnhof)などの重要な連絡駅を通ります |
---|---|---|
U2 | 紫 | 市内中心部のカールス広場(Karlsplatz)から東部のゼーシュタット(Seestadt)までを結び、プラーター(Prater)シュタディオン(Stadion)などの主要駅に停車します |
U3 | オレンジ | 西部のオッタクリング(Ottakring)から東部のジンメリング(Simmering)までを結び、市内中心部の主要停車駅には西駅(Westbahnhof)やシュテファン広場(Stephansplatz)などがあります |
U4 | 緑 | 西のヒュッテルドルフ(Hütteldorf)と北のハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)の間をドナウ運河と並行して走り、カールスプラッツ(Karlsplatz)とシェーンブルン(Schönbrunn)に停車します |
U6 | 茶 | 南のジーベンヒルテン(Siebenhirten)から北のフロリズドルフ(Floridsdor)までを結び、西バーンホフ駅(Westbahnhof)やレンゲンフェルトガッセ(Längenfeldgasse.)などの重要な連絡駅を通ります |
すべての地下鉄と鉄道との接続駅を示すウィーン市営地下鉄の地図は、こちらからダウンロードできます。
バス
市内には131のバス路線が毎日運行。バスの名称は数字とAまたはBの文字で構成されています。ウィーン中心部の狭い道路を走るために特別に開発された「シティバス(City Buses)」が、目的地まで迅速に走ります。路線マップはこちら(https://maps-vienna.com/vienna-bus-station-map)をご確認ください。
21の路線を持つ深夜バスは、00:30から05:00まで運行。バスの名称に「N」が付いているのが目印です。深夜バスの路線地図は、週日版と週末版に分かれていますので、お間違いなく。
路面電車(トラム)
路面電車はおそらくウィーンで最も頻繁に利用される公共交通機関。同市で路面電車が最初に運行したのは1865年のことですが、現在28路線を持つ路面電車網は全長約171キロ(一説には225キロとも)で、世界で6番目を誇ります。平日はおよそに3~8分間隔で走り、遅延はほとんどありません。降雪対策が講じられているため、寒い冬でもかなりの猛吹雪にならない限りは利用可能です。従来の路面電車に加えて身体の不自由な方にも利用しやすいULF(超低床)車両も運行し始め、数年以内にはすべての路線に同様の設備が導入される予定です。
路面電車マップはこちらからダウンロードできます。
公共交通機関で使える乗車券アプリ
乗車券は、14歳以上であれば誰でもアカウントを開けるウィーナー・リーニエンのオフィシャルアプリ「WienMobil」から購入することもできます。アプリはドイツ語で提供されていますが、スマートフォンの設定がドイツ語以外で設定されている場合は英語で表示されます。アプリはApp StoreかGoogle Playにアクセスし「WienMobil」で検索してください。各種乗車券の他、最短ルートプランナー、リアルタイムの出発情報、自転車シェアリング、カーシェアリング、タクシーなどの追加モビリティサービスなどにも使え、大変便利です。
オフピーク
ウィーナー・リーニエンの乗車券にはピークやオフピークといった時間設定はなく、どの乗車券も同社が運行するすべてのバス、地下鉄、路面電車、電車にいつでもアクセスできます。
ウィーナー・リーニエンのハウスルール
およそ200万人の人々に日々利用されているウィーナー・リーニエンのサービス。快適で争いのない旅を実現するために、一定のルールが定められています。違反した場合には、駅からの退去、清掃料金(最低40ユーロ)、損害賠償請求などの罰則があります。同社の職員は、その理由を述べた上で、施設および車両から退去を求めることができ、違反が繰り返された場合には、敷地内への立ち入りが禁止されることもあります。その期間は、違反の重大性と頻度によります。また乗客は、職員から身元確認の要請があればそれに応じる義務があります。
公共交通機関の利用者はウィーナー・リーニエンのハウスルールを遵守する義務があり、政令により公布された規則に違反すると、地区行政当局により最高726ユーロの罰金が科せられるケースもあります。
ウィーンでは、どの交通機関の駅にも改札口がありません。乗客はカバンやポケットから乗車券を取り出すことなく利用する駅で乗り降りするだけ。しかしだからといって公共交通機関が無料というわけではありません。検札も行われます。車掌が車内点検をしていることもあれば、プラットフォームの端で抜き打ち検札が実施されることもあります。隣に座った乗客と思しき人が、おもむろに交通局の身分証明書を取り出し「乗車券を提示しなさい」と要求するのに出くわすこともあるでしょう。無賃乗車の罰金は105ユーロで、捕まったときに有効なパスポートまたは公的身分証明書を検札係員に提示できない場合は、最寄りの警察署へ連行されます。1カ月有効の乗車券は罰金の半額以下で購入できることを覚えておきましょう。
子どもの責任は保護者にあります。子どもからは常に目を離さず、ホーム上での安全な行動に留意しましょう。ベビーカーはしっかりと固定し、到着する電車による突風や駅構内の混雑状況にも注意しましょう。
タクシー
ウィーンでは、きちんと規制・整備されたタクシーシステムが提供されています。乗客側の義務として、正規タクシー内では禁煙ルールを守りましょう。
タクシーは、道路脇かタクシー乗り場で拾うか、電話やアプリで希望の場所に配車依頼をすることもできます。タクシー乗り場は、インタラクティブな市内地図に表示され、乗客はタクシー乗り場で好きな車両を選ぶことができます。
タクシー配車センター「Taxi 31 300」と「Taxi 40 100」への配車依頼は、下記の電話またはオンラインから。詳細情報、料金表、運賃情報も下記ウェブサイトで確認できます。
Taxi 31 300:電話 +43 1 40 100、ウェブサイト
Taxi 40 100:電話 +43 1 31 300、ウェブサイト
配車センターのアプリはApp StoreまたはGoogle Play(ドイツ語と英語)から無料でダウンロードできます。「Taxi 31300」または「Taxi 40100」で検索してください。
支払いはキャッシュレス(デビットカード、クレジットカード、バウチャー)または現金で。予約の際に目的地を伝えると、メーターではなく固定料金で利用できます。電気タクシーやハイブリッドタクシーのリクエストも可能です。
その他、アプリを使った配車サービスを提供するUberやBoltなどもあります。
ウィーンではタクシー運転手の義務が法律で定められています。荷物の積み下ろしの介助もその一つ。また、QRコードが車内のすべての座席からはっきりと見えるよう設置されていなければなりません。乗客はこのコードを使って乗車状況の即時フィードバックを提供したり、認可されたウィーンのタクシーに乗っていることを確認したりできます。正規タクシーは、屋根の「TAXI」の標識と、末尾に「TX」(W-xxxTX)で終わるナンバープレートで識別できます。
タクシー利用時に事故や運転手の法的義務違反などの問題が発生した場合の連絡先は、ウィーン商工会議所になっています。運転手氏名、ナンバープレート番号(写真付き)、または請求書を揃えて、下記にご一報ください。(タクシー内のQRコードからもアクセスできます):
ウィーン商工会議所(Wirtschaftskammer Wien)
電話:+43 1 514 503 495
メールアドレス:taxi@wkw.at
ウェブサイト: www.wko.at/wien/taxi
ウィーン空港の送迎サービスを提供する交通会社も数多く存在しています:
Airport Cab :
Airport Driver
Airport Taxi Wien
ATS Airport Transfer Service
VIP Airport Taxi
など
車椅子利用者とその付き添いのためのミニバスなど、特別な輸送サービスを提供している会社は下記の通り:
Airport Driver
ATS Airport Transfer Service
Airport Jet-Set Service
Blaguss Minibus-Service
Taxi Mann Mödling
Wiener Lokalbahnen Verkehrsdienste GmbH
その他の交通手段
電車での通勤・通学はもちろんのこと、小回りのきく電動スクーターや自転車、引っ越しや大きな買い物、国内旅行などに便利なレンタカーと、ウィーンにはスマートなモビリティの選択肢が豊富にあります。このような乗り物のレンタルに大変便利なのが、携帯電話用アプリ「wegfinder」。wegfinderは、公共交通機関とその他のモビリティサービスの両方をカバーし、自家用車、自転車、スクーターなどを所有することなく、日常生活におけるモビリティニーズを満たしてくれます。クロスモーダルなルート案内や料金情報、予約機能も備えています。例えば、自宅からある場所までバスで移動し、下車したところからレンタサイクルに乗り換え、途中で電車の最寄り駅までタクシーを予約、その後電車に乗る、といった複雑な行程もこのアプリ一つで予約から支払いまで行うことができます。
wegfinderはApp StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロードできます。
自転車レンタル(Fahrräder Mieten)
世界中で人気の高まっているサイクリングは、シティバイク、電動マウンテンバイク共にウィーンでも大流行中。日常生活の中で、自転車はちょっとした用事や短距離の通勤に最適です。遠出や休暇でも、周囲の景色を存分に楽しむのならサイクリングがお勧めです。
wegfinderアプリで、nextbike Lower Austria、citybike Linz、Stadtrad Innsbruck(https://www.stadtrad-innsbruck.at/de/#standorte)、VVT Regiorad、ÖBB Bikeなど、多目的な自転車シェアリングサービスにアクセスできます。
アプリでレンタル可能な自転車にはすべてQRコードが付いているので、wegfinderアプリでスキャンしてレンタルを開始してください。
レンタル料金はレンタル会社によって異なります。詳細は、有料自転車を予約する前にアプリの予約概要で確認してください。
ÖBB※ Rail&Drive
ウィーンのみならず、オーストリア35カ所以上の拠点から、電気自動車を含む車両各種の格安レンタルを提供。年会費はなく、初回のみ19.90ユーロかかります。レンタル料金は利用時間と距離によって決まります。例えば、週末レンタル(金曜日の12:00から月曜日の08:00まで)は、1時間あたり1.80ユーロから。
料金の詳細はこちらでご確認ください。
※ÖBB:オーストリア連邦鉄道(Österreichische Bundesbahnen) の略称で、オーストリアの国有鉄道会社
電動スクーター(E-Scooter)
ウィーンを含む多くの都市では、公共交通機関の補助として電動スクーターが利用されるケースが増えています。電動スクーターは楽しいだけでなく、短距離の自動車旅行よりもはるかに環境に優しいといえるでしょう。必要に応じて電動スクーターを借りる場合はなおさらです。オーストリア全土で、wegfinderアプリと連携してDottとBirdの電動スクーターシェアリングサービスが利用できる他、Wegfinderを使って、現在地から近い電動スクーターの位置の検索もできます。スクーターのハンドル中央に付いているQRコードをwegfinderアプリでスキャンすることで、レンタル開始となります。
電動スクーターは、自転車の走行が許可されている場所であればどこでも走行可能です。最高速度は時速20キロに保ち、2人乗りは厳禁。チュートリアルが必要な方は、予約概要欄「使い方」を読みましょう。
レンタル料金は、初回費用プラス1分ごとのチャージとなります。乗車ごとの料金はアプリで確認できる他、乗車中も随時アップデートされます。あらかじめwegfinderに登録されている支払い方法から直接レンタル料金を払うシステムになっています。