住まいの探し方から契約まで

不動産会社

英国の賃貸物件には不動産会社(letting agent)が管理する物件と、家主が直接管理する物件があります。まず住みたい地域を絞り、その地域を扱う不動産会社に連絡。
希望条件を伝えて賃貸物件リストを出してもらいます。信頼できる家主や不動産会社を見極めることが大事。日系不動産会社は、日本人が好む地域の物件を多く扱っており、契約などのサポート面でも心強いでしょう。

広告掲示板

アパート/フラットや一軒家のシェア、直接家主から部屋貸しを希望する場合は、ウェブサイトで探す方法もあります。特に、日本人向け広告掲示板サイト MixB、PANDORA、ロンドン掲示板は情報が豊富。

条件の提示

住まい探しの際は、家のタイプ、広さ(部屋数)、駐車場の有無、入居時期、居住期間、家賃、契約形態(個人・法人)などの希望を伝えます。興味のある物件情報を得たら、アポイントをとって必ず下見を。好物件は競争も激しいので、気に入ったら迅速に借りたい旨を伝えるとよいでしょう。

家具付き/家具なし

賃貸物件には、家具付き/ファーニッシュト(furnished)と、アンファーニッシュト(unfurnished)の2 種類があります。前者は、ベッドやソファーなどが付いていて、すぐに生活を始められる物件。後者は、備え付けの収納スペースや白物家電、カーテン、照明以外の移動可能な家具が無い物件。家主によって条件は異なりますので、契約前によく確認しましょう。

入居時

インベントリー・チェックイン(inventory check in)を行います。エージェントを通して入居する場合は、入居時に専門家の立ち会いのもと、住居全体、家具や備品(お皿やカップに至るまで)、庭の状態などを、テナントと家主の間で確認します。退去時にも同様の確認作業が行われます。退去時に問題になりそうなところがあれば、念のため写真を撮っておきましょう。なお、これにかかる費用は家主が持つのが一般的ですが、契約内容によっては退去時の費用はテナントが支払う場合もあります。契約書は、完全に理解・納得できるまでチェックし、大切に保管しましょう。

契約時に必要な書類

契約時に、ビザの種類がわかる書類(パスポートなど)、勤務先や銀行、前家主からの推薦状/リファレンス(reference)、初契約の場合は会社の保証などが必要になることがあります。英国内で引っ越す際には、退去時に家主からリファレンスをもらっておくとよいでしょう。

退去時

室内の備品や家具を移動した場合は、Missing Item として記載されないよう、必ず入居時の場所に戻しておきましょう。切れた電球はすべて新しいものに交換しておかないと、電球代に加え電球交換の作業費用も請求される場合があります。カーテンやカーペットなども含め、すべての部屋に専門業者によるクリーニングが必要になることが普通です。契約内容を確認しましょう。インベントリー・チェックアウト(inventory check out)を行います。基本的に、経年劣化(wear and tear)を除き、入居時と同じ状態で退去するのが決まりです。備品などの紛失や破損には弁償金が発生することもあるので注意。不用品を引き取ってもらえるかは、家主か不動産会社に相談しましょう。

家の種類

デタッチト・ハウス(Detached House)
一戸建ての独立した一軒家。郊外では一般的だが、ロンドン中心部では希少。広い裏庭の他、駐車ができる前庭とガレージがある。

セミ・デタッチト・ハウス(Semi-detached House)
大きな一軒家を半分に分けたような家。左右対称の2 軒で一戸を形成しているが、二世帯それぞれ独立した玄関を持つ。ロンドン郊外に多い。

テラスド・ハウス(Terraced House)
家が隙間なく連なるタイプの英国版の長屋。各家はほぼ同じ造りなので外装で個性を出す。長屋の両端の物件は採光がよいことから人気がある。

コンバージョン・フラット(Conversion Flat)
ジョージ王朝やヴィクトリア王朝時代に建てられた一軒家を、現代の家族形態に合わせて世帯ごとに区切り、複数のフラットに改築したもの。

パーパス・ビルト・フラット(Purpose-built Flat)
日本でいうマンションやアパートのような存在。配達物を受け取る人や守衛の人が常駐している場合もある。

高級アパートメント(Modern Apartment)
新興エリアに多い近代的な高層ビル仕様アパートメントで、1階には受付があり、オフィスや商業施設が入居している場合もある。

ゴミの収集ルール

ゴミの収集方法や収集日は、各地域によって異なります。カウンシル指定のゴミ箱(dustbin)やキャスター付きゴミ箱(wheelie bin)を、特定の曜日に家の前に出す方法の他、いつでも出せるゴミ置き場が設置されている場合もあります。パーパス・ビルト・フラットには、各階や地下にいつでも捨てられるゴミ置き場や収集所があるのが一般的です。カウンシルによっては、「庭ゴミ収集(Garden Waste Collection)」と呼ばれる、刈った芝生や雑草、落ち葉などを隔週で回収するサービスを有料で行っており、カウンシル指定の庭ゴミ専用ゴミ箱(Green Bin)に料金払い済みステッカーを張ります。カウンシルにより対応が異なりますので、詳しくは居住地区カウンシルか家主、不動産会社に確認しましょう。

粗大ゴミ

粗大ゴミは、普通のゴミ収集では回収されません。お住まいの地域のカウンシルに連絡をし、引き取ってもらうか(有料)、ウェブサイトで近くの廃棄物リサイクルセンターを調べて持ち込みます。各カウンシルではReuse and recycling centre(RRC)と呼ばれる廃棄物リサイクルセンターを設けています。使わなくなった家具や家電、自転車などの粗大ゴミを引き取ってくれる便利な場所で、自分で廃棄物を持ち込みます。センターによっては要事前予約、持ち込み制限、料金の発生があるので、「reuse and recycling centre」をキーワードに最寄りのセンターを検索し、確認しましょう。例えばロンドン北部・北東部はRRCs のウェブサイトにリストが掲載されています。

資源ゴミ

通常、プラスチックボトルやビン、缶、紙、ダンボールなどの資源ゴミは定期的に収集されます。リサイクル専用のゴミ箱にまとめて入れて出せる場合と、種類別に分別が必要な場合があり、収集方法や頻度は居住地域によって異なります。