住まいの探し方から契約まで

不動産会社

イタリアで賃貸物件を探す場合は、不動産業者(agenzie imbiliari)を通すと内覧の手配や、レンタルまでのプロセスが円滑に進むでしょう。ただし、家賃の1~カ月分に相当する手数料 (provvigione)が請求されることがあるので事前に確認しましょう。
物件探し専用のウェブサイトもありますが、ほとんどがイタリア語なので、イタリア語のわかる知人に現地の情報を聞くことをお勧めします。

イタリアの有名な不動産会社

Tecnocasa:イタリア最大の不動産会社の一つで、全国各地に支店があります。不動産の販売、賃貸から管理まで幅広いサービスを提供しています。
gabettiイタリアで60年以上運営している著名な不動産会社です。イタリア全土にオフィスを構え、不動産の販売、賃貸、不動産管理、投資コンサルティングに関することまで幅広いサービスを提供しています。
Engel & Völkersイタリアの複数の都市にオフィスを構える国際的な不動産代理店です。高級住宅や別荘などの高級物件を専門としています。
RE/MAX世界的な不動産フランチャイズです。不動産の販売、賃貸、商業用不動産をサポートします。
Casa.itイタリアの不動産物件を掲載する大手オンライン・ポータルの一つで、提携不動産会社や個人エージェントのネットワークを持っています。このプラットフォームを使用すると、物件を検索したり、エージェントに直接連絡したりできます。
Idealista.itイタリアで人気のあるもう1つのオンライン不動産プラットフォームです。賃貸物件、販売住宅、商業物件が検索できます。
Immobiliare.itイタリア最大の不動産ポータルの一つです。さまざまな都市や地域における不動産販売、賃貸、リースに関する包括的なリストを提供します。

不動産業者を通して物件を探す場合、手数料やコミッションを含めた契約の際に発生する料金を明確にすることが重要です。希望するエリアや住まいの種類に関して、ライセンスを取得していて、評判が高く、経験豊富なエージェントを選択しましょう。

広告掲示板

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契約の手順

①物件の内見
希望にあった物件が見つかったら、家主か不動産会社に内見の予約を入れます。物件の状態、設備、既存の家具や電化製品の状態はしっかり確認しましょう。退去時に問題になりそうなところがあれば、念のため写真を撮っておきましょう。

②賃貸契約
希望の物件が見つかったら、家賃、リース期間、その他の追加条件を家主または不動産会社と交渉し、合意したすべての条件がレンタル契約書に明確に記載されていることを確認しましょう。

③必要書類
本人確認書類 (パスポートまたはIDカード)、収入証明書 (雇用契約書または銀行明細書など)の他、場合によっては以前の家主からのリファレンスが含まれます。家主によっては、あなたに代わって家賃の支払いを保証してくれる保証人を必要とする場合もあります。

④保証金
借主は通常、入居時に家賃の1~3ヶ月分に相当する保証金 (cauzione) の支払いを要求されます。これは潜在的な損害や未払いの請求に対する保証として保持されます。保証金は、正当な理由による控除を差し引いて、リース終了時に返還されます。

⑤賃貸契約の登録
家主と借主の両方が、契約に署名してから30日以内に地元の税務署 (Agenzia delle Entrate)に賃貸契約を登録する必要があります。これにより賃貸契約の法的有効性が保証され、当事者双方の権利が保護されます。登録を怠った場合、罰金など問題が発生する可能性があります。

⑥家賃と諸経費
賃貸契約書に記載されている通り、月々の家賃を期日までに支払います。家賃に加えて、電気、水道、ガスなどの公共料金、また分譲マンションなどの集合住宅を借りる場合は共益費の支払いも請求される場合があります。支払額の内訳については家主または不動産会社に確認しましょう。

退去時

入居前と退去時の物件の状態と付属品の詳細確認を行います。既存の傷や故障などの問題があった場合は家主や不動産会社に伝え、入居時と現在の様子の写真を見せましょう。
賃貸契約を早期に終了する場合は、少なくとも3カ月前に家主に通知する必要があります。場合のよっては、罰金が科せられる場合があります。

公共料金

電気、ガス、水道、インターネットサービスの公共料金のアカウントを借主名義で、または家主の指示に従って設定します。

家の種類

イタリアの住宅の種類は、一戸建て住宅、パティオのある家、連棟住宅、アパート、スタジオ、ロフト、農場に建つ家など多岐にわたります。

⚫︎一戸建て住宅(casa singola)ヴィラ(villa)またはスモール・ヴィラ(piccola villa)とも呼ばれます。一世帯が居住できる一戸建て住宅。

⚫︎パティオのある家(casa con patio)外部空間が壁やフェンスで区切られたタイプの家です。中庭にはプールやパーゴラなどがある場合があります。

⚫︎連棟住宅(case associate)2棟以上の独立した住宅が連棟されているタイプです。テラスハウス(case a schiera)、ツイン・ハウス(abitazioni binate(ツインハウス)、集合住宅(quelle raggruppate)などがあります。

⚫︎アパート(gli appartamenti)リビング、寝室、簡易キッチンエリアを組み合わせたコンパクトなアパートメントです。

⚫︎スタジオ(studio/Monolocale)シングルルームとバスルームを備えたミニ・アパートメントです。

⚫︎ ロフト(soppalco)工業用スペースや倉庫をオープンプランの住宅ユニットに改造したものです。高い天井やむき出しのレンガ造り、大きな窓が特徴で、モダンで広々としています。

⚫︎ 農場に建つ家(cascine/casale/masseria/baite)農村にある典型的な家屋。トスカーナ州とラツィオ州ではcasaleと呼ばれる典型的な住居で2階建。1階は仕事場として、2階は家族の住居として使われています。
cascineには家畜を飼育したり、畑仕事に使う道具を置いたりするための場所が設けられています。masseriaは南イタリアの地域で広く見られます。

⚫︎シャレー(chalet)傾斜した屋根と広い軒を備えた木造住宅の一種。別荘としても利用されます。

ゴミの捨て方(ミラノの場合)

ゴミは通常、コンテナや指定のビニール袋(バーコードが付いている場合もあります)に入れて回収されますが、自治体ごとにルールが異なり、ルール自体も毎年変わります。
ライター、おむつ(生理用品含む)、カミソリ、歯ブラシ、ペン類、はさみ、消しゴム、CD、たばこ、陶器(食器や植木鉢など)、動物のフン、鍋、ハンガー、おもちゃなどは、リサイクルができないので一般ゴミ(リヒュウーティ/Rifiuti)として捨てましょう。

⚫︎一般ゴミ/リヒュウーティ(Rifiuti)

⚫︎紙系のゴミ/カータ(Carta)紙、ノート、紙箱、牛乳パック、新聞、雑誌、包装紙、未使用のティッシュ、ナプキン、キッチンペーパー、段ボールなど

⚫︎プラスチック系ゴミ/プラスティカ(Plastica)洗剤ボトル、ペットボトルとそのキャップ、プラスチック製のレジ袋、プリンやヨーグルトなどの食品プラ容器、ラップ、スナック菓子などの袋、使い捨て皿、コップ(プラスチック製)など。

⚫︎空き缶・空き瓶系ゴミ/ヴィエトロ・エ・マティーナ(Vetro e Lattine)瓶(金属キャップ含む)、缶、グラス、アルミホイル、アルミ容器、空のスプレー缶など

⚫︎生ゴミ/オルガーニコ(Organico)残飯、卵の殻、使用済みのティッシュペーパーやキッチンペーパー、コーヒーかす、茶葉、花など

ゴミ捨ての曜日・時間

各自治体によって異なり、曜日ごとに各回収車が来る地域もあれば、ゴミ回収の曜日も時間指定もされていない地域もあります。指定のない地域では、自治体のウェブサイトを確認しましょう。都市部であれば海外滞在者向けに英訳ルールブックなどが用意されていることもあります。指定のゴミ袋を使わなかったり、回収日以外の日にゴミを出すと回収されなかったり、罰金を科される地域もあります。

粗大ゴミ、バッテリー、ランプ、蛍光灯、セメント、ブロック(ミラノの場合)

大型電化製品や家具などの粗大ゴミ、バッテリー、ランプ、蛍光灯、セメント、ブロックなどは無料で捨てる方法が2つあります。1つはミラノのゴミの収集を管理するミラノ環境サービス会社(AMSA)に電話をしてゴミの詳細を伝え、指定された日の夜に家の前に置き、取りに来てもらう方法、もう1つはAMSAのゴミ収集場に直接持って行く方法です。

Amsa(Azienda Milanese Servizi Ambientali)
ミラノ市およびミラノ首都圏の14の自治体における都市廃棄物管理会社

ポイ捨て

レシート、ティッシュペーパー、タバコの吸い殻、チューインガムといった小さなものでも道端や排水溝に捨てることは禁止されており、この規則を破ると30ユーロから150ユーロの罰金が科せられます。吸殻などタバコ関連ゴミの場合は、罰金が最大2倍に増額されます。

大型ゴミや有害廃棄物の無断放置

廃棄物の内容によっては、1,000ユーロから10,000ユーロの罰金を科されたり、刑事罰に処せられケースもあります。有害廃棄物に関するものが含まれる石油精製または工業化学プロセスからの廃棄物、溶剤、使用済み油、蓄電池などの場合には、刑罰は最大2倍に加重されます。

ペットの排泄物

動物の排泄物を放置すると、汚染状況に応じて100ユーロから10,000ユーロを超える罰金が科せられることもあります。猫や犬の排泄物や、動物自体が発する悪臭にも気を配らないと、犯罪として処罰される可能性があります。