イギリスの教育システム

英国での学校選択

・日経学校
英国には、全日制日本人小・中学校、日系私立校(小・中・高)、日系幼稚園があり、日本と同様の教育課程のもと、学習が進められます。
文部科学省直轄の全日制小・中学校であるロンドン日本人学校(The Japanese School in London)では、日本の義務教育期間中の生徒を受け入れています(ただし中学3年生の2学期以降の転入は、2学期当初よりの転入を除き原則として不可)。
日系私立校には、全寮制の立教英国学院(小5〜高3)と、寮か通学のいずれかを選べる帝京ロンドン学園高等部(高1〜3)があります。

・現地の公立校
英国の義務教育は5〜16歳で、すべての子どもは、公立学校で無償で学ぶ権利があります。
小・中公立校への編入(in-year admissions)を希望する場合は、住居を構える地域の自治体/カウンシル(Council)のウェブサイトの教育部門ページからオンラインで申し込みます。編入申し込みは、通学希望の子どもがすでに渡英済みで、住所が確定していることが条件となります。日本の幼稚園に当たるナーサリー(Nursery)、高校に当たるシックスフォーム(Sixth Form)は、通常、学校に直接連絡して入学の申し込みをします。
編入はいつでも可能です。自治体で編入手続きをすると入学可能な学校についての連絡があります。希望する学校に空きがない場合は、希望校の欠員待ち名簿(waiting list)に載せてもらい、待っている間は割り当てられた別の学校に通います。しかし、必ずしも希望校に入れるとは限りません。
グラマースクール(Grammar School)と呼ばれる選抜制進学校の公立中学校への入学を希望する場合には、試験に合格しなければなりません。

・英系私立校
私立のプライマリースクール(Primary School)の多くは、低学年は空きがあれば面接程度で入学できますが、高学年になると試験が課されます。編入の際は、英語、数学、言語推論/バーバル・リーゾニング(Verbal Reasoning)などの試験がある場合と、面接のみの場合があります。
英系私立のセカンダリースクール(Secondary School)の初年となるYear 7に入学を希望する場合には、現地生徒と同様の入学試験を受けなくてはならない学校がほとんどです。ただし、入学試験では受け入れられなくても途中で欠員が出た場合に入学できる学校もあります。しかし、(GCSE / General Certificate of Secondary Education)コースが始まるYear 10からの入学は難しくなります。
英系私立校では、英語の能力次第では学年を下げて編入させられることがあります。

・アメリカンスクール、インターナショナルスクール
アメリカンスクールやインターナショナルスクールには、英語の補習授業体制が整っているところが多く、英語圏に初めて来た子どもでも比較的早く学校に溶け込むことができます。
アメリカンスクールには、SAT(Scholastic Assessment Test)、AP(Advanced Placement)の他、IB(International Baccalaureate)コースを備えた学校があります。多くのインターナショナルスクールでは、IBのカリキュラムのもと、学習が進められます。

・情報入手
まずは希望する学校に連絡をして、見学の申し込みをしましょう。学校選びのアドバイスが必要な場合は、専門家に聞くとよいでしょう。

【教育関係コンサルタント】
英国内の私立学校や試験などについて外国人生徒のためのコンサルタント。
Gabbitas
28 Grosvenor St., London W1K 4QR

【現地校相談室/現地校サポート室】
JOBAロンドン校の「現地校相談室」では、現地校探しや入学手続きのサポートを日本語で受けられます。日本の学習サポートに加え、現地校の学習補助も「現地校サポート」で受けられます。
JOBA(海外・帰国子女教育専門機関)

日本語の補習

日本語力は、他の教科の学習に直接影響し、また自己表現の重要な手段であることから、精神面への影響も指摘されています。海外滞在中にその力を落とさないためにも、補習校や塾での日本語学習や、日本語環境の保持は大切です。

・補習校
現地校に通う子どもたちの日本語力の維持・向上のために、英国各地で毎週土曜日に開かれる補習授業校があります。対象学年は地域により異なります。

・塾
受験対策、算数・数学の強化、日本語力の維持・伸長、進学や受験の最新情報を得るなどの目的から日系の塾に通う生徒もいます。春・夏・冬休みを利用した講習会も行われています。

日本人学校と補修授業校

<ロンドン日本人学校(全日制)>
The Japanese School in London
87 Creffield Rd., Acton, London W3 9PU

<日本人学校補習授業校>
・ロンドン補習授業校
The Japanese Saturday School in London

アクトン校舎 87 Creffield Rd., London W3 9PU
ブレント校舎 Whitefield School, Claremont Rd., London NW2 1TR
クロイドン校舎 Croydon High School, Old Farleigh Rd., South Croydon CR2 8YB

・ケント日本語補習授業校
Kent Japanese School
授業はハイス(Hythe)市内で開催 問い合わせはウェブサイトのフォームから

・ダービーシャー日本人補習校
Derbyshire Japanese School
問い合わせはウェブサイトのフォームから

・テルフォード補習授業校
Telford Japanese School
c/o The Old Hall School, Stanley Rd, Wellington, Telford TF1 3LB

・ウェールズ補習校
Japanese School in Wales
問い合わせはウェブサイトのフォームから

・マンチェスター日本人補習授業校
Manchester Japanese School

・ヨークシャーハンバーサイド日本語補習校
Yorkshire & Humberside Japanese School

・北東イングランド補習授業校
North East England Japanese Saturday School

・スコットランド日本語補習授業校
The Scotland Japanese School
問い合わせはウェブサイトのフォームから

義務教育

・イングランドとウェールズの教育制度の概要
英国の義務教育は5〜16歳。イングランドとウェールズの公立校では5歳になる年から入るレセプション(Reception)とYear 1〜6の7年間がプライマリースクール(Primary School)、Year 7〜11の5年間がセカンダリースクール(Secondary School)です。その後、大学進学を考えている生徒は、2年間のシックスフォーム(Sixth Form)に進みます。

・スコットランドの教育制度の概要
スコットランドでは、1年生はプライマリー1と呼ばれ、プライマリー7までの7年間が小学校、その後セカンダリー1〜4の4年間が中学校です。試験もイングランドとは違い、National 4 & 5を義務教育修了試験として受験し、進学希望の生徒は17歳のS5でHigh­er、18歳のS6でAdvanced Higherと呼ばれる試験を受けます。


・学期のシステム
新学年は、9月からの秋学期(autumn term)から始まり、1月からの春学期(spring term)、4月からの夏学期(summer term)の3学期で構成されます。各学期の半ばにハーフ・ターム休暇(half term holiday)と呼ばれる1週間ほどの休みがあります。

・初等教育
イングランドやウェールズでは、小学校をプライマリースクールあるいはインファントスクール + ジュニアスクール(Primary School / Infant School + Junior School)と呼び、Year 1の前にレセプション(Reception)という準備学年があります。レセプションは、その年度に5歳の誕生日を迎える4歳児が対象です。公立小学校の申込は前年の9月から1月中旬にかけてオンラインで行います。どの公立校に入学するかは特別な理由がない限り住所で決まり、学校から自宅までの直線距離で判断されます。

・中等教育
公立の場合、プライマリースクールを卒業すると次に入学するセカンダリースクールが自動的に決まるわけではなく、Year 6の10月末までに居住地域の自治体に進学希望校の申し込みをしなくてはなりません。定員を超える応募があった場合には、学校の近くに住む生徒が優先されるため、希望校に入れない場合もあります。また英国国教会系やカトリック系の公立校では、それぞれの教会に所属していることを入学の条件としているところも多いので、入学を希望する場合は事前に入学条件を確認しておきましょう。グラマースクールの場合はYear 5の6月からYear 6の9月にかけて行われる入学試験を受ける必要があります。グラマースクールには、GCSEやAレベル(General Certificate of Education Advanced Level)などの試験の成績がよい学校が多く、また学費も原則無料であるため人気が高く、入学試験の倍率が10倍ほどになる学校もあります。

・私立校
公立校の1クラスの生徒数が約30人であるのに対し、私立校(パブリックスクールやプライベートスクールとも呼ばれる)は13〜14名程度のところが多く、教師の目も届きやすいといえます。費用は年間£12,000〜25,000程度で、寮制学校/ボーディングスクール(Boarding School)はさらに高額です。またインターナショナルスクールやアメリカンスクールは、英語のサポート体制が充実しているなど、日本人には魅力的ですが、幼稚園からグレード4までの学費が年間£35,000を超えるところもあり、年齢が上がるにつれさらに増していきます。

・寮制学校
寮制学校には、完全寮制(full boarding)や週末の帰宅が許される週5日制(weekly boarding)の他、導入している学校は多くはありませんが、寮生活の頻度や期間が自由に選択できるフレックス制(flexi boarding)があります

・統一テスト
公立の義務教育期間中Year 2とYear 6にSATs(Standard Assessment Tests)という全国統一テストが実施されます。Year 6の結果は、各学校別の平均点が公表されます。
イングランドとウェールズの私立・公立校では、Year 11終了前の学期末(5〜6月)にGCSEが実施されます。この試験の評価は、試験結果と過去2年間の成績も考慮されたものとなります。一定の基準に達していれば、大学進学のための勉強をするシックスフォームに進むことができます。結果は、8月半ば過ぎに本人に通知されます。

学校生活など

・制服
英国の多くの学校では、プライマリースクールのレセプションから制服を着用します。制服は学校で販売される場合もありますが、標準的な制服を使用している学校の場合は、デパートや大型スーパーでも購入できます。

・ランチ
公立、私立を問わず、学校には給食(school dinner)がありますが、お弁当の持参も許可されています。

・教科書
日本のように決まった教科書はありません。特に公立小学校では、さまざまな教材を用いて授業を進めます。教科書を使う場合にも、教科書はすべて学校所有のため家に持って帰ることはほとんどありません。持ち帰りたい場合には、担当の先生に申し出るとよいでしょう。

・宿題
小学校低学年のうちは、毎週数冊の本を持ち帰ります。家庭では、子どもの読書を助け、意味のわからない単語を調べさせるなど十分なサポートが必要です。また連絡帳に子どもの音読の状況を記入し、毎週担任の先生に報告します。読書以外の宿題は、算数などのプリント類になります。公立小学校に比べ、私立小学校の宿題は多めです。 セカンダリースクールになると、毎日宿題が課されます。提出期限についても厳しく、生徒の自己管理能力を養うよい機会となります。

・保護者会
保護者と教師との面談があります。面談はペアレンツ・イブニング(Parents’ Evening)と呼ばれ、両親が揃って参加できるよう夜間に行われます。学校にもよりますが、秋と春の年2回行われることが多いようです。近年はオンラインで実施する学校もあります。

・誕生会
英国人の多くは、子どもの誕生会を盛大に行います。自宅で行うこともありますが、同じクラスの生徒のほとんどを招待するような場合には、パーティーができる施設を使います。招待状をもらったら、できるだけ参加させたいところです。誕生会実施の要領を覚えたら、今度は自分の子どもの誕生会も同じようにやってみるとよいでしょう。誕生会をきっかけにし、子どもだけでなく親同士の交流も深まるかもしれません。

高等教育

・大学進学の準備
公立・私立校とも、中等教育(Secondary Education)を終え、GCSEで一定の成績を収めた生徒は、シックスフォームと呼ばれる2年間の高等学校に進むことができます。シックスフォームは、大学入学に必要な全国統一試験Aレベルの履修課程です。その多くは、公立・私立に限らず、セカンダリースクールの上級学年用コースとして同じ敷地内にあります。

・選択科目
Aレベルの選択科目は多岐にわたりますが、GCSEにおいて一定の成績を収めた科目かつ目指す大学進学のために必要な3~5科目を選択し、履修します。希望の科目が学校にない場合は、付属のシックスフォームに進まず転校することも可能です。

・シックスフォームカレッジ
中学に併設されたシックスフォームの他に、Aレベルの履修課程のあるシックスフォームカレッジ(Sixth Form College)と呼ばれる学校があります。通常16〜19歳が在籍し、Aレベルの履修コースの他、より実践的な科目が受講できたり、GCSE取得コースを併設していることもあります。

・大学受験資格
大学(university)入学のためには、3〜4科目でのAレベル資格取得が必須。

・願書提出
大学の学部課程(undergraduate)への入学願書提出は、UCAS(Universities and Colleges Admissions Services)を通して、オンラインまたは郵送で行います。詳細はUCASのウェブサイト(www.ucas.com)を参照。その他にも、英国の大学への入学に関するさまざまな情報が掲載されています。
大学入試の合否は、Aレベルの成績や書類審査、面接で決まり、結果はUCASから学校を通して本人に通知されます。

・英語のレベル
英国籍以外の生徒が大学受験をする場合は、英語レベルの成績証明も必要です。アカデミック英語検定IELTSなどの試験の準備も忘れないように。
英国外の教育課程を受けてきた生徒のために、高等教育最終課程において取得する国際バカロレア(IB)を受験資格要件としているところもあります。

・ファウンデーション・コース
外国人やAレベルの結果が合格基準に満たなかった生徒を対象に、大学入学に向けた準備を行うのがファウンデーションコース(Foundation Course)。大学内に設けられていることもあり、通常、コースを修了するとその大学の学士課程への入学が認められます。

・期間
英国の大学は1年目から専門課程となるため多くは3年間で卒業となりますが、言語や医療関係など、学部によってはそれ以上の年数を経ての卒業となります。

・学部課程以上
学部課程以降の修士課程と博士課程はPG(Postgraduate)と呼ばれます。これらの課程に進むことを希望する場合は、大学の学部に直接願書を提出します。

・その他の教育機関
大学以外の高等教育には、各カレッジの専門コース(全日制、パートタイム)などがあります。修了資格を取得できるコースもあります。

【GCSEとA Level】
公立・私立校とも中等教育終了前に受けるのが、全国統一中等教育終了試験/GCSE(General Certificate of Secondary Educa tion)。この試験結果が一定の基準に達していれば、大学進学のためのシックスフォームに進学できる。GCSEの評価は9〜1の9段階。なお、U(unclassied)は評価不能(不合格)の意味。大学進学のためにはAレベル(General Certificate of Education Advanced Level)が必要。進みたい大学や専攻に関連した科目を2年間かけて履修し、統一試験を受験する。それぞれの科目に与えられる評価が大学入学選考時の選考基準となる。

【ギャップ・イヤー(gap year)】
シックスフォームを終えた学生が進学を1年見送り、社会経験を積むこと。1年間の過ごし方としては、海外のワーキングホリデー参加やバックパック旅行が最も人気。ウィリアム王子はチリで、ヘンリー王子はオーストラリアでそれぞれギャップ・イヤーを過ごされた。

【パブリックスクール】
小さな英国紳士、エリートコースの少年達が通うイメージのパブリックスクール(Public School)。中でも有名なのがイートン、ハーロー、ラグビー等である。アメリカでは公立校のことをパブリックスクールと呼ぶが、イギリスでは公立校はステートスクール(state school)と呼び、異なるので注意。パブリックスクールの生徒数はイングランドでは約7%にすぎないが、大学におけるパブリックスクール出身者の割合はかなり高く、各界トップ
になると3人に2人といわれ、パブリックスクール出身者が英国社会の枠組みを作っていると言ってもあながち過言ではないだろう。
プレパラトリースクールと呼ばれる学校は、有名パブリックスクールへの進学を目指す私立校。授業料は高額だが、教育熱心な保護者は高い学費を惜しまないところはいずこも同じ。子どもの誕生と同時に進学のための貯金を始めたり、志望校へ入学申し込みを行うことも珍しくない。

学齢前の子どもの教育

学齢前の幼児教育施設は、お住まいの地域の自治体で調べます。

・トドラーグループ/プレイグループ
基本的に0〜3歳対象。週1〜2回、1回2時間程度で、教会のホールやコミュニティーセンターが会場となります。親の付き添いが必要。

・チャイルドマインダー
家庭的保育のスペシャリストであるチャイルドマインダーの資格を持った個人が、子どもたちを自宅で保育するシステム。イングランドでは7歳以下の子ども最大6名まで(5歳以下は3名まで〔ただし既存の子どもの兄弟姉妹、チャイルドマインダー自身の子どもの場合を含む場合は3名以上も可〕、0歳児は1名まで)、ウェールズでは11歳以下の子ども最大10名まで(7歳まで6名、4歳まで3名、18ヵ月未満は2名まで)。スコットランドでは15歳以下の子ども最大8名まで(11歳以下は6名まで、学齢に達していない子どもは3名まで、0歳児は1名まで)、北アイルランドでは自分の子どもを含む11歳以下の子ども最大6名まで(学齢に達していない子どもは3名まで、0歳児は1名まで)。

・現地幼稚園/保育園
週5日、1日3時間程度が主流で、公立の場合は無料。形態は、ナーサリースクール(Nursery School)や小学校付属の保育園、有料の私立校(Pre-preparatory School)、地域のファミリーセンターやコミュニティーセンター、保護者の勤め先が提供する保育所などさまざまです。
いずれの施設も、定員に達している場合は欠員待ち名簿(waiting list)に登録を。

・日系幼稚園
ロンドンには、日系の幼稚園や幼児教育施設もあり、日本のスタイルに準じた幼児教育を受けることができます。

・補助金
イングランドでは、3・4歳児への教育費のサポートとして、チャイルドマインダーや私立のナーサリー費用の週15時間分までの補助金(Universal Entitlement)が国から支給されます。

【保護者の責任】
英国虐待防止協会(NSPCC)では以下のことを推奨している。
・幼児・乳幼児だけを家に残さない
・12歳未満の子どもだけを置いて、長時間家を空けない
・16歳未満の子どもだけを置いて、泊まりがけで出かけない
・子どもの年齢が16~18歳であっても、頻繁に長時間家を空けたり、複数日泊まりがけで出かけない
・電気や暖房がない、あるいは危険物があるような環境下に子どもだけを残さない

英国の育児手当

・児童手当
児童手当/チャイルド・ベネフィット(Child Benefit)は、未成年者のいる家庭が受け取れる給付金で、申請すると第1子に対して週£25.60、2子目以降は1人に付き週£16.95が4週間ごとに支給されます。

・給付対象者
対象は英国在住者(resident)で、15歳以下の子どもを持つすべての保護者。永住権のある外国人も申請することができます。子どもが16〜19歳でも、Aレベルや国際バカロレアなどの高校教育課程の学生か、認定職業訓練プログラム(National Vocational Qualifications / NVQs)などを受講中であれば、対象となります。
ただし、申請者かそのパートナーの年間収入額が1人で6万ポンドを超える高額所得者である場合は、High Income Child Benefit Chargeと呼ばれる税金を支払う義務が課せられます。収入額によって児童手当を申請すべきかどうか判断しましょう。

・申請の仕方
① 英国で出産すると、通常、出産後のケアパックと共に申請書(CH2 form)が渡されるので、申請書に国民保険番号(National Insurance Number)や銀行口座の詳細など必要事項を記入し、出産証明書(Birth Certificate)と共に申請書に記載されているChild Benefit Office に郵送します。
英国政府のウェブサイトからオンライン申請もできます。

帰国にあたって

・早めの準備
帰国時の学校については、英国への赴任が決まった時点で考慮しておきましょう。下記「帰国生受け入れ校についての情報入手先」が参考になります。

・日本の小・中校編入
公立小・中学校では随時生徒を受け入れています。公立小・中学校に編入を希望する際は各地域の教育委員会に相談の上、学校訪問をし、校長または教頭との面談を申し込むとよいでしょう。私立小学校は、欠員のあるところが少なく、編入試験を実施していても倍率が高いようです。私立中学校では欠員が出ると、編入試験を7〜8月または1〜2月に実施しますが、随時編入試験を行うところもあります。

・日本の高校編入
高校に編入する場合は、公立・私立共に、空きがあれば編入試験が受けられます。空きの有無は、学校やその地域の教育委員会に確認しましょう。

・日本の中学・高校受験
帰国子女の多くは一般入試ではなく、帰国生受けけ入れ校の特別枠を受験する傾向があります。帰国生受け入れ校については、前項の「帰国生受け入れ校についての情報入手先」を参考に、また受験までの準備や学校選びについては、塾に相談するとよいでしょう。

・日本の大学受験
帰国生受け入れ枠を設けている多くの大学では、願書と共にAレベル、IB、SAT、TOEFLなどの統一試験結果の提出が求められます。入試の際は、文系では英語・国語・小論文、理系では数学・理科・小論文を課するところが増えています。小論文は日本語で書かせる大学がほとんどのため、普段から確かな日本語力を身につけておくことが大切です。

【海外・帰国子女のための無料教育相談ウェブサイト】
海外子女教育に長年の経験がある専門カウンセラーが具体的なアドバイスを行う。

【帰国生受け入れ校についての情報入手先】
JOBA On Line
海外・帰国生のための受験・教育情報サイト

海外子女教育振興財団
帰国子女受入校検索

フレンズ 帰国生 母の会
母親が歩いて見た帰国生のための学校案内

関西帰国生親の会かけはし

アダルトエデュケーション

・英語を学ぶ
多くの英語学校は私立で、ケンブリッジ検定やIELTS受験コース、日常会話、ビジネス英語などのクラスがあり、時間やレッスンのスタイルは多様です。
世界の共通語ともいえる英語は、その教授法も確立されており、さまざまな母国語を持つ人が陥りがちな学習上の弱点などをよく理解した、経験豊かな英語教師もいます。
授業内容や環境、福利、経営状況などが一定の基準を満たした学校が、ブリティッシュ・カウンシルの認定を受けられます。学校を決める前に、実際に訪れて学校の雰囲気を確認し、不明な点はなんでも質問しましょう。

・より実践的な英語
地方自治体運営のカレッジにも外国人対象の英語クラスが豊富。日常会話、発音、ビジネス、受験のためのコースをはじめ、外国人の社会生活のサポートが目的の実践的な集中コースも数多くあります。また、自分の居住地域以外の学校にも入学できます。
地元紙やインターネットを利用し、個人教師や語学交換の相手を見つける方法もあります。個人交渉の場合は、料金や目的、場所、資格など事前に双方がはっきり了解し合うことが大切です。

・大人のための学校
義務教育を終了した人のための学校は、一般にファーザーエデュケーション(Further Education)やアダルトスクール(Adult School)と呼ばれます。

・カレッジ
もっとも身近でバラエティーに富んだ選択肢があるのは、自治体運営のカレッジ。どこの自治体にもあり、居住区以外の学校でも入学できます。ただし、日本国籍者は外国人学生(overseas student)扱いとなるため、授業料が英国人より高い場合もあります。コースの期間は1年、または学期単位。託児所のある学校もあります。

・コースの種類
文学、アート、セラピスト養成、コンピューター、語学、料理、ワイン・テイスティング、クラフト、スポーツなど、趣味から職業訓練、プロの資格取得、大学入学のためのファウンデーションコースまで、コースは多岐にわたります。
興味があることを、まずは体験したい、知識を広げたい、という人に最適。何年も同じコースをとり続けライフワークにしたり、資格取得を目指したりと、各々が自分のペースで学んでいます。

・学校の探し方
公立カレッジの情報は、「Findcourses」などを参考に。 各カレッジには、学校案内や詳しいコース内容を記載したProspectusと呼ばれる入学案内パンフレットがあります。学期前には見学・相談日/オープンデー(Open Day)を設けていますので、下見に出かけましょう。

・単発の講座
ミュージアムなどで行われるレクチャーやワークショップの予定表、内容はパンフレットやウェブサイトで確認を。

・ホリデー型
ホリデーシーズンには、旅行とパックになった滞在型セミナーも国内外で開かれます。イタリアやスペイン、フランスでの料理やワイン・テイスティング、リゾート地でのヨガなどを組み合わせたリトリート(retreat)、アート研修、カントリーサイドでのガーデニングやスポーツのコースが人気。

・日系
日系の各種教室や個人教室、随時開かれる歴史や文化講座なども少なくありません。日本語フリーペーパーや日本人向け広告掲示板ウェブサイトで情報収集をしてみましょう。