住まいの探し方から契約まで

不動産会社

長期滞在の場合は、店舗のある不動産会社を利用するのがいいでしょう。手数料が発生しますが、英語で対応してくれるなど契約時にも安心です。パリなどの大都市には、日本語で対応してくれる不動産会社もあります。

サイトや掲示板

フランス語での対応となりますが、物件検索サイトを利用するといいでしょう。中には、家賃が比較的安いシェアハウス(Colocation)専用のウェブサイトもあります。また、MixB パリ掲示板 といった日本語の掲示板サイトもあります。

家の種類

都市部の一般的なスタイルは、マンションタイプのアパルトマン(Appartement)です。間取りを表す表記は、以下となります。
Studio / T1は、ワンルームのことで1部屋+キッチン付き、T2は、1LDKのことでリビング+寝室1部屋、T3は、2LDKのことでリビング+寝室2部屋、T4は、3LDKでリビング+寝室3部屋となります。
戸建て住宅/メゾン・アンディヴィデュエル(Maison individuelle)や連棟式住宅/メゾン ミトワイエンヌ(Maison individuelle)は、郊外や地方都市に多く、庭があります。
なお、フランスの家の階数の数え方は、日本とは異なります。日本でいう1階は、概念として0階となり、RDC (rez-de-chaussée)または G (Ground floor)、日本で2階は、フランスでは1階 (1er étage)、日本で3階は、フランスでは2階(2ème étage)、日本で4階は、フランスでは3階(3ème étage)と呼びます。

家具付き/家具なし

賃貸物件には、家具付き/ムブレ(Meublé)と家具なし/ノン・ムブレ(non meublé)があります。前者は、ベッドやソファーなどの家具があり、すぐに生活を始められる物件で、後者は、スペースのみの賃貸のため、必要な家具類は、自分で揃えることになります。
部屋の設備に関する説明は、以下のように書かれています。

Appartement meublé avec cuisine équipée:家具付きの部屋で、キッチンには、オーブンや電子レンジ、冷蔵庫、食洗機など電化製品がある。
Studio vide avec coin cuisine équipée:家具はなし。キッチンには、ミニ冷蔵庫などのある程度設備あり。
non meublé, cuisine semi-équipée:家具はなく、キッチンも一部のみ(コンロぐらい)が付いているなど、ある程度の設備がある場合も。

管理費・光熱費

家賃には、管理費・光熱費、ゴミ回収代が含まれている場合があります。家賃の表示をしっかり見ましょう。例えば、家賃850 € mois ccとあれば、共益費が含まれます。共益費の内容は、物件によって違うので確認しましょう。また、hc(hors charge)と書いてある場合は、共益費は別となります。

条件の提示と確認

希望エリア、予算、間取り(T1、T2 など)、家具付き/家具なしかどうか(meublé / non meublé)、駐車場などの設備の要不要、滞在期間を伝え、気になる物件情報が見つかったら、不動産会社に下見のアポイントを取りましょう。
その際に、 壁や水回り、暖房、近隣環境、交通アクセスをよくチェックしましょう。また、家賃に管理費、光熱費が含まれているか、追加の費用があるかを忘れずに確認しましょう。都市部は、良い物件は競争が激しいので、敏速にオファーを出しましょう。

申し込み・契約

賃貸住宅の契約時には、以下の必要書類を提出します。
身分証明書、滞在許可証(必要な場合)、所得証明(給与明細3カ月分など)、雇用契約書(または学生証)。連帯保証人が必要な場合もあります。
不動産会社と大家が書類を見て審査しますが、ポイントは、収入が家賃の3倍以上あることが目安とのことです。
承認されたら、敷金として、一般的に家具なしで1カ月分、家具付きで2カ月分と仲介手数料として約1カ月分の家賃を支払います。

入居時

入居時の状態確認/エタ・デ・リュー ダントレ(État des lieux d’entrée)を行います。入居前に大家または不動産会社と一緒に室内を細かくチェックします。

・壁・床・天井の状態(汚れ、傷、ひび)
・ドア・窓の開閉
・水回り(キッチン、バスルーム、トイレの水漏れやカビ)
・電気設備(電球、スイッチ、コンセント)
・家具付きなら、家具の破損や汚れも確認

退去時に、入居時と比較して破損や新しい汚れが確認され、損傷などがある場合は、敷金から引かれるので、部屋ごとに傷や汚れなど状態を詳細に確認して、必要なら写真も撮りましょう。それらを入居者と貸主が双方が確認した上で契約書を作り、署名をします。契約書は、退去時までしっかりと保管しましょう。

退去時

退去が決まったら、大家または不動産会社に書面で通知します。内容証明郵便(Lettre recommandée avec accusé de réception)で送ると安心です。
通常、解約通知期間は、家具なし物件で3カ月前、家具付き物件で1カ月前とされています。
入居時と同じ状態に戻すのが基本のため、壁の穴、汚れ、小さな破損などを修理しておきましょう。家具付き物件なら、家具の破損・汚れも確認します。特にカーテンやカーペット、キッチンなどの汚れが気になったら、専門業者にクリーニングを頼むと良いでしょう。
解約通知時期も含め、契約書をよく読み直して対処しましょう。

ゴミの出し方

基本は3分類です。

・可燃ゴミ・一般ゴミ(Ordures ménagères):生ゴミ、汚れた紙など
・リサイクルゴミ(Emballages recyclables/Tri sélectif):プラスチック、紙、缶、ペットボトルなどで、汚れを軽く落とします。
・ガラス(Verre):ビン、空き瓶
地域で多少、違いますが、ゴミ箱の色は以下となります。
灰色/黒:可燃ゴミ
黄色:リサイクルゴミ
緑色:ガラスゴミ

ゴミの集荷は、地域や建物ごとに曜日と時間が決まっているので、居住する市役所のウェブサイトで確認しましょう。
集合住宅では、建物内に専用のゴミ置き場があり、「ゴミ出しのカレンダー」が建物の入り口や掲示板に貼ってある場合が多いようです。
粗大ゴミ(Déchets encombrants)は、収集日が決まっていることがほとんどです。ただし、申し込みが必要な場合もあるので、居住する市役所のウェブサイトで確認しましょう。

ルール違反には罰金

ゴミを収集日の前夜以外に道路に置いたり、不適切な分別や汚れたままの容器をゴミ箱に入れるなどの行為は細かくチェックされます。その他、指定以外の場所、指定以外のゴミ箱で出したり、粗大ゴミの不法投棄など、ゴミの出し方についてさまざまなことが罰金対象となります。
ルールはエリアによって違うので、ウェブサイトで「Collecte des déchets + 自分の市名」と入力して調べましょう。