チェコの教育
チェコの教育システム
チェコ共和国の教育は、初等教育 (Primární vzdělávání):小学校(základní škola)、中等教育(Sekundární vzdělávání):初等・中等教育(základní a střední škola)、高等教育(Terciární vzdělávání):高等職業学校、大学(vyšší odborná škola, vysoká škola)に分かれています。
教育青少年スポーツ省(Ministerstvo školství, mládeže a tělovýchovy/MŠMT) https://msmt.gov.cz/は、国の就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育、大学教育、各分野の国際協力を含む研究開発などの国の教育行政一般に対する責任を負っています。
地方においては、県が後期中等教育機関及び高等教育レベルの専門学校を、市町村が就学前教育機関及び義務教育機関を設置、管理、運営をしています。
チェコ共和国の学年度は9月1日に始まり、6月30日まで続きます。
現地校と私立校
チェコでは、公立学校と私立学校の二重教育制度が採用されています。公立学校は国費で運営され、すべての生徒が無料で通学できます。一方、私立学校は独自の授業料を設定し、授業料を徴収することができます。公立学校は教育・青少年・スポーツ省が承認した標準的な教育プログラムを提供しますが、私立学校は異なるプログラムと授業料を提供できます。現地校には、チェコ語しかわからない教員も多くいます。
年齢別学校の種類
就学前教育
就学前教育については1歳から保育園(jesle)、3歳から5歳までの児童は、公立または私立の幼稚園(mateřskou školu)に通うことができます。
公立幼稚園は無償ですが、授業料が支払われる私立学校もあります。
幼稚園では、子どもたちは幼い頃から社会性を身につけ、学習との関わりを育みます。児童の年齢構成は各施設によって異なり、年齢別にクラス分けしている幼稚園もあれば、異年齢混合クラスを設けている幼稚園もあります。授業はチェコ語で行われます。
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義務教育
義務教育は、5(幼稚園)~15歳の10年です。
初等教育(Primární vzdělávání):小学校(základní škola)と中等教育(Sekundární vzdělávání):初等・中等教育(základní a střední škola)
初等・前期中等教育は、6歳入学で初中一貫制の基礎教育として9年間、基礎学校で行われます。
第6~9学年は8年制のギムナジウム(Gymnázium)及び芸術学校(conservatoire)、第8~9学年は6年制のギムナジウムでも行われます。基礎学校は、第1~5学年の第1段階と第6~9学年の第2段階で構成されています。
ギムナジウムとは学校の一種で主な目的は、大学または高等職業学校への進学準備であり、卒業生の平均90%以上が大学または高等職業学校に進学します。チェコ共和国では、このタイプの中等学校は非常に人気があります。小学校によっては年齢で学年が決まるのではなく、その子にあった学年を提案、選択できます。
後期中等教育(Vyšší střední vzdělání)
後期中等教育は、後期中等教育学校及び芸術学校で行われてます。後期中等教育学校には、ギムナジウム、中等技術学校、中等職業学校、職業学校,専門学校、実践学校、後期中等教育学校の亜型と位置付けられている学校種があります。これらの学校種では、高等教育進学の基礎要件となる修了試験の合格者には、高等教育への進学が認められます。
芸術学校では、音楽と演劇を学ぶ6年制(後期中等教育4年+高等教育 2年)と、舞踊などを学ぶ 8年制(基礎教育4年+後期中等教育4年)の普通教育及び職業教育プログラムが提供されます。最終学年で行われる卒業試験の合格者には、芸術系の高等教育への進学要件となる芸術学校高等専門教育修了資格が与えられます。後期中等教育4年目に修了試験を受、芸術系に制限されずに高等教育に進学することも可能です。
高等教育(Terciární vzdělávání)と大学教育(Univerzitní vzdělání)
高等教育は、修了試験の合格者を対象に、総合大学、非大学型の高等教育機関、高等専門学校で行われます。総合大学は公立、州立大学、私立に分かれており、公立大学と州立大学はEU加盟国の学生に対しては無料です。
私立大学はより実用的な焦点を当てているため、卒業生は将来の就職を見つける上で一定の利点があります。
医学部取得の場合は6年、博士号取得の場合は8年かかりますが、それ以外は3~4年で学士、1~3年で修士、3~4年で博士が、非大学型の高等教育機関では、主に3 ~ 4年で学士が取得できます。
カレル大学は最も重要な大学機関であり、2025年には世界最高の大学の一つにランクされました。
高等専門学校(芸術学校の高等教育段階を含む)には、3年程度の高等教育レベルの職業教育課程が置かれ、最終試験の合格者には相応の修了証が与えられます。
⚫︎その他の学校
インターナショナルスクール
プラハ・ドイチェ・シューレ(Deutsche Schule Prag)
プラハのドイツ語学校。幼稚園、小学校、文法学校あり。
プラハ・フランセ・ド・プラハ(Lycée français de Prague)
プラハのフランス学校。8-18歳まで対象。
プラハインターナショナルスクールs.r.o.(International School of Prague s.r.o.)
幼稚園から高校3年生まで対象。国際バカロレア(IB)の4つのプログラムすべてを提供。
プラハ・ブリティッシュ・インターナショナル・スクール(Prague British International School)
プラハを代表するインターナショナルスクール。2-19-18歳まで対象。
プラハのクリスチャンインターナショナルスクール(Christian International School of Prague)
チェコ共和国プラハで1年生から12年生までの生徒を対象に、対面式の英語教育を提供。アメリカ式のカリキュラムを採用。
プラハのアメリカンアカデミー(American Academy in Prague High School)
2024年に市内中心部に開校。初等教育から高等教育をまでメリカンスタイルのカリキュラムとプロジェクトベースの独自の学習を提供。
職業学校(Česká odborná škola/SOŠ)
職業資格は、2年間または3年間のコースと最終試験を経て授与されますが、職業によって資格の種類は異なります。資格が授与されない2年間の職業コースもあります。
SOŠは、技術経済、経済、医療、教育など、様々な分野での専門職活動に向けて学生を育成することに重点を置いています。SOŠの中には、職業資格に加えて、大学進学を可能にする中等教育修了証・アカデミック・マチュリタ(Maturita)を提供するところもあります。これらの学校は、マチュリタを提供する他の学校と同様に4年間で、卒業するには両方の試験に合格する必要があります。
専門学校(Odborné školy)とリセウム(Lyceum)
専門学校は4年間で、マチュリタを授与します。専門化学、電気工学、農業、インターネット技術、ビジネスなど、幅広い産業技術をカバーしています。リセウムは、より一般的なカリキュラムを教える専門高校で、歴史や地理などの学問は、通常の専門学校よりも徹底的に教えられます。リセウムの種類には、技術、教育、医療、科学、軍事(国防省と共同で運営)などがあります。
文法学校(gymnázií)
私立や公立など、様々な種類の文法学校があります。文法学校の卒業生には資格はなく、このタイプの学校の目的は大学進学の準備です。
4年制文法学校(Čtyřleté gymnázium)
4年制は、一般教養を重視するか、体育や音楽に重点を置きます。一般教養を重視する学校は、専門分野を選択することができます。科目は小学校第2段階と同じですが、必修となるのは10年生と11年生のみです(数学は12年生にも、チェコ語と外国語2科目は13年生まで)。
6年制文法学校(Šestileté gymnázium)
生徒は小学校7年生から入学できます。この形態の学校はあまり普及しておらず、就学できる生徒は約2%に過ぎません。
8年制文法学校(Osmileté gymnázium)
就学期間が8年間と最も長く、中等教育の全過程を網羅しています。小学校5年生を修了すると、この学校に入学できます。最初の4年間は前期文法学校と呼ばれ、義務教育の修了を意味します。残りの4年間は後期文法学校と呼ばれます。小学生の約10%がこのタイプの中等学校に進学します。
入学試験と手続き
通常、チェコ語、数学、および一般教養の前提条件に関する入学試験の形で行われますが、一部の文法学校ではチェコ語と数学のみの入学試験が行われます。ほとんどの学校はウェブサイトで詳細な入学条件を提供していますが、志願者を評価するための追加基準として、過去の教育成果が考慮される場合や、小学校で優秀な成績を収めた生徒は入学試験の一部または全部が免除される場合があります。
文法学校受験のための試験
チェコ共和国における統一入学試験(jednotné přijímací zkoušky /JPZ)
チェコ共和国教育・青少年・スポーツ省によって設立された組織である教育成果評価センター(Centrum pro zjišťování výsledků vzdělávání/CERMAT)は、はこの試験は、中等学校および大学入学資格取得のための入学選考において重要な位置を占めています。JPZは、チェコ語とチェコ文学の教科試験と数学の試験の2つのパートで構成されており、出願者が志望する一部の学校で実施されます。CERMATは、受験生の試験対策を支援するために模擬入学試験も実施しています。
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マチュリタ(Maturita)試験
マチュリタ試験は、4年制中等学校の共通卒業資格であり、大学および高等専門学校の入学要件です。マチュリタ試験は複数の科目で構成されています。すべての生徒はチェコ語と世界文学の試験を受けなければなりません。試験は読解・文法、筆記、文学の口頭試験で構成されています。2つ目の科目は数学または外国語(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、またはロシア語で、筆記、読解、会話、リスニングを含む、ヨーロッパ言語共通参照枠のB1レベル)のいずれかです。これらの必須科目の試験はCERMATによって標準化され、設定されています。
中等教育修了試験(Maturitní zkouška)
チェコ共和国で中等教育を修了するための試験です。この試験は、国立試験と学校試験の2つのパートで構成されています。国立試験はCERMATによって実施され、学校試験は学校を対象としており、筆記試験と口頭試験が含まれます。中等教育修了試験は中等教育の修了に重要であり、大学進学の可能性にも影響を与える可能性があります。
高等専門学校(Vyšší odborná škola, VOŠ)
専門職のための高等教育を提供し、通常は専門学校と併設されています。卒業前に、学生は最終試験(absolutorium)を受け、最終論文を執筆しなければなりません。卒業生は氏名の後に敬称「DiS.」(diplomovaný specialista、学位取得スペシャリスト)を使用することができます。
専門学校は4年間で、マチュリタを授与します。専門化学、電気工学、農業、インターネット技術、ビジネスなど、幅広い産業技術をカバーしています。リセウムは、より一般的なカリキュラムを教える専門高校で、歴史や地理などの学問は、通常の専門学校よりも徹底的に教えられます。リセウムの種類には、技術、教育、医療、科学、軍事(国防省と共同で運営)などがあります。
日本人学校
プラハ日本人学校(Japonské škole V Praze)
1980月4月に開校。日本をルーツに持つ6~15歳までの児童を対象とした全日制の学校。授業は日本語で行われ、日本の教育指導要領に準拠したカリキュラムを提供しています。学校では運動会・遠足・ミニマラソン大会・学習発表会などの諸行事やスキー教室などの郊外での学習及び現地校との交流会などを行っています。
⚫︎学校生活
制服
チェコ共和国では制服は一般的ではありません。一部の私立学校や教会学校ではすでに制服を導入していますが、ほとんどの公立学校では制服はありません。
近年、チェコでは小中学校に制服を導入する提案が出ていますが、学校によっては反対意見が多いようです。
ランチ
地域や学校により異なりますが、学校によっては2025年9月から教育省の新しい法令による学生食堂の新しいルールとなる週1回のベジタリアンデー、砂糖と塩分の摂取量の削減、野菜、豆類、魚の摂取量の増加、加糖飲料の禁止、メニューの栄養評価、調理師の研修義務化などを導入するところもあります。
また、学食に弁当の持ち込みができる学校も増えているようです。
教科書
チェコの学校では、教科書の費用を学校が負担し生徒に貸し出す場合もありますが、一般的には保護者が負担するケースが多く、担任の先生が保護者から徴収したお金で注文するのが一般的です。
教科書の返却システムはどの学校でも共通です。子どもたちは学年末に教科書を受け取り、同時に低学年の古い教科書を返却します。
生徒たちは教科書を渡す前に、きれいにし、もし教科書の状態が悪ければ、損害賠償金を支払う可能性もあります。
教科書を採択する権限は各学校に委ねられてます。学校の経済的な問題から10年近く同じ教科書を使用している学校もあります。
後期中等教育段階では、学校が購入した教科書をスキャンして電子化した教科書を2000年代中期から導入されました。現在では、タブレット端末を紙媒体の教科書代わりにする学校もあります。
宿題
チェコの児童の宿題負担は、国際的に見て最も低い水準にあります。
小学校1年生は、宿題を自宅で生徒に読み聞かせたり、読み聞かせを聞いたり、座って鉛筆を正しく握っているか確認したりすることなど家族のサポートが非常に望ましい時期です。
帰国にあたって
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