ワルシャワ概要 ワルシャワの公共交通機関

ワルシャワ概要

ワルシャワはポーランドの首都であり、同国最大の都市です。バルト海からは約350キロ南に位置し、ヴィスワ川のほとりに広がっています。人口は約1.8万人以上(2020年代初頭時点)で、経済、政治、文化の中心地として国内外から多くの人々が集まる都市です。

歴史的には、第2次世界大戦で大きな被害を受けましたが、市民や専門家の努力により旧市街が忠実に復元され、現在では世界遺産にも登録されています。現代的な高層ビルと歴史的建造物が共存する都市景観が特徴です。

経済面では、ポーランドの金融・商業の中心地であり、多くの国際企業の東欧本社が置かれています。銀行やIT産業、サービス業が発展しており、EU圏内でも重要な経済拠点の一つです。

文化的には、多数の劇場、美術館、コンサートホールがあり、国際的な音楽祭や文化イベントも開催されます。大学や研究機関も集積しており、学術都市としての役割も果たしています。

交通面では、ワルシャワ・ショパン空港が国際的な玄関口となっており、鉄道やバス、地下鉄網も整備されています。都市内の交通インフラは比較的発展しており、市民生活や観光に便利です。

自治体/行政区

ワルシャワはポーランド最大の都市であると同時に、1つの「県(ヴォイヴォディナ)」に相当する自治体です。市内はさらに18の行政区(dzielnica / ジェリツァ)に分かれており、それぞれが区役所を持ち、独自に公共サービスや教育、文化活動などを行っています。各区には市議会によって選出された区長がいて、市全体の行政と連携しながら地域運営を担っています。

Bemowo(ベモヴォ)
Białołęka(ビャウォウェンカ)
Bielany(ビェラニ)
Mokotów(モコトフ)
Ochota(オホタ)
Praga-Południe(プラガ・ポウドニエ)
Praga-Północ(プラガ・プウォノツ)
Rembertów(レンベルトフ)
Śródmieście(シロドミエシチェ/中央区)
Targówek(タルグヴェク)
Ursus(ウルスス)
Ursynów(ウルシヌフ)
Wawer(ヴァヴェル)
Wesoła(ヴェソワ)
Wilanów(ヴィラヌフ)
Włochy(ヴウォヒ)
Wola(ヴォラ)
Żoliborz(ジョリボシュ)

公共交通機関

ワルシャワはポーランド最大の都市として、交通インフラが非常に発達しており、バス、トラム(路面電車)、地下鉄(メトロ)、近郊鉄道(SKM、KM) が市内・郊外を網羅しています。これらを合わせてZTM(ワルシャワ交通局)が運営・管理しており、乗車券は共通で利用できます。

地下鉄(Metro)

・ポーランド唯一の地下鉄で、現在M1(南北線)とM2(東西線)の2路線が運行中。
・M1は市内中心を南北に貫き、ワルシャワ中央駅や主要オフィス街を結んでいます。
・M2は旧市街付近を通り、ワルシャワ東駅方面へもアクセス可能。
・新路線や延伸も計画中で、利便性は年々向上しています。

トラム(Tramwaj)

・全長120km以上のネットワークを持ち、市内中心から郊外まで広くカバー。
・1〜79番まで多数の路線があり、通勤・通学や観光にも便利です。
・地上を走るため景色が楽しめるのも魅力。

バス(Autobus)

・市内中心から郊外までを結ぶ主力交通機関。
・路線バスは昼夜運行しており、夜間バス(Nで始まる番号)も充実しているため、深夜移動も可能です。
・一部は空港直行便(175番など)としても使われています。

近郊鉄道(SKM、KM)

・SKM(Szybka Kolej Miejska)は市内と近郊を結ぶ快速列車で、地下鉄より広域をカバー。
・KM(Koleje Mazowieckie)はマゾフシェ県(ワルシャワを含む地域)を中心に走る近郊列車で、観光地へのアクセスにも便利です。

ワルシャワの公共交通割引制度(ZTM)

学生割引(50%割引)
対象:26歳未満のフルタイム学生(ポーランド国内またはEU加盟国の大学に在籍していることが条件)
必要書類:有効な学生証(ISICやポーランドのLegitymacja studenckaなど)
割引率:50%割引
対象券種:紙のチケット・定期券(1ヶ月・3ヶ月)どちらも対応
※非EUの学生(例:日本人留学生)は、ポーランドの学生証を持っていれば対象になります。

小学生・中高生(7~16歳)
対象:7~16歳の児童・生徒
必要書類:学生証または年齢を証明できるもの
割引率:50%割引

高齢者割引 / 無料乗車
対象①:70歳以上の方は完全無料
身分証(パスポート・身分証明書)提示でOK
対象②:65~69歳は割引対象外(※通常料金)

障がい者および付き添い
ポーランド政府が定めた障がい者手帳を持つ方は無料または割引
視覚障がい者の付き添い1名も無料
外国人の場合、ポーランド国内で有効とされる書類が必要(詳細はZTMに要確認)

ワルシャワ市民向け定期券の特別割引(Warszawiak Card)
「Warszawska Karta Miejska(WKM)」または「Karta Miejska」で、住民登録している場合、定期券の大幅割引が受けられます
条件:ワルシャワ市に住民登録済みかつ住民税(PIT)を納付

運賃・乗車券

ZTMの乗車券でバス・トラム・メトロを共通利用できます。

主な乗車券は、20分券、75分券、90分券、1日券(24時間有効)、3日券などがあり、どれもゾーン制(ゾーン1はワルシャワ市内、ゾーン2は郊外を含む)で料金が変わります。

乗車券は券売機、ZTM販売窓口、またはモバイルアプリで購入可能。購入後は車内の刻印機で打刻が必要です。

ワルシャワ交通局(ZTM)管轄の交通機関で忘れ物をした場合

お問い合わせ先はこちらです。

忘れ物をした場合の対応手順

ZTMのカスタマーサービスに連絡
電話(ポーランド語・英語対応あり)またはEメール
電話番号:+48 19 115(ZTMインフォライン)
メール:kontakt@ztm.waw.pl

ZTMの「忘れ物センター」に問い合わせ
ul. Gen. Józefa Sowińskiego 21
最寄り駅:地下鉄M2線「Księcia Janusza」駅
営業時間:月〜金の 08:00〜16:00(祝日を除く)

オンラインでの問い合わせフォーム
公式サイト:https://www.wtp.waw.pl/

タクシー利用時の注意とコツ

正式なタクシーを利用
屋根の「TAXI」マーク、運賃表の表示、メーター完備の車両を選びましょう。非公式車両は法外な請求をしてくる可能性があります

タクシーアプリの活用
Uber、Bolt、Free Now、iTaxiといったアプリを使うと、乗車前に料金の目安がわかりやすく、安心です。特に空港や駅ではアプリ指定の乗り場も用意され、混雑時でも安心して利用できます。

事前確認が重要
乗る前に「基本料金はいくらか」「メーターを使う」など確認しましょう。特に駅・空港ではボードに表示があります。
非公式ドライバーに注意:空港や駅周辺には観光客向けに近づいてくる“要注意人物”がいるため、非公式車は避け、必ずタクシー乗り場かアプリ経由で合法的に乗車してください。

シェア自転車

ワルシャワには市が運営する公共シェアバイクシステムVeturiloがあり、現在は300以上のステーションに約3,300台(うち電動300台+タンデム30台)が配置され、ワルシャワ全18区に広がっています。

使い方
1.公式サイトまたはモバイルアプリ(App Store/Google Play)からアカウント登録
2.初回に最低10 PLN(約300円)をチャージ
3.ステーションの自転車にあるQRコードをスキャン、または番号+PIN入力で施錠が解除され利用可能に

利用料金(2025年時点)
通常自転車
・最初の20分:無料
・21–60分:1 PLN
・2時間目:3 PLN
・3時間目:5 PLN
・4時間目以降:1時間ごとに7 PLN

電動自転車
・最初の20分:無料
・21–60分:6 PLN
・2時間目以降:1時間ごとに14 PLN