ポーランド
基礎情報 2025年の祝祭日 地理 気候 サマータイム 時差 電圧 金融関連 携帯電話 ブロードバンド
基礎情報
正式国名
日本語 :ポーランド共和国
ポーランド語:Rzeczpospolita Polska
英 語:Poland
首都
日本語 :ワルシャワ
ポーランド語:Warszawa
英 語:Warsaw
国土面積
312,696 km²(ヨーロッパで9番目に広い国土を持つ国で、日本よりやや小さい面積)
人口
3,814万人(2025年7月現在)
在留邦人数(2024年10月時点)
長期滞在者: 2,136人
永住者: 1,717人
合計: 3,853人(うち成人数: 419人)
主な言語
ポーランド語98.2%、シレジア語1.4%、その他1.1%等(2011 est.)
民族構成
ポーランド人96.9%、シレジア人1.1%、ドイツ人0.2%、ウクライナ人0.1%、その他1.7%(2011 est.)
主な宗教(2019〜22)
カトリック84.6%、正教会1.3%、プロテスタント0.4%、その他0.3%(2022 est.)
2025年の祝祭日
4月21日(月) イースターマンデー
5月1日(木) メーデー
5月3日(土) 憲法記念日
6月9日(月) 聖霊降臨祭(sub)
6月19日(木) 聖体祭
8月15日(金) 聖母の昇天祭
11月1日(土) 万聖節
11月11日(火) 独立記念日
12月25日(木) クリスマス
12月26日(金) セカンド クリスマス
地理
ポーランドは中央ヨーロッパに位置し、面積は約31万平方キロメートルで日本の約8割ほどの大きさです。西はドイツ、南はチェコとスロバキア、東はウクライナとベラルーシ、北東はリトアニアと国境を接し、北側はバルト海に面しています。つまり、7カ国とバルト海に囲まれた戦略的な位置にあります。
地形は主に平野で、特に北部から中部にかけて「ポーランド平原」が広がっています。一方、南部にはカルパチア山脈(タトラ山脈を含む)がそびえ、ポーランド最高峰リシ(Rysy、2,499m)がこの山脈にあります。
大河はヴィスワ川(Vistula)が有名で、国内を南から北に縦断してバルト海に注ぎます。もう一つ大きな川はオドラ川(Oder)で、西側を流れドイツとの国境の一部を形成しています。
気候
ポーランドは中央ヨーロッパに位置し、海洋性気候と大陸性気候の影響が交錯する地域にあります。西側は北大西洋からの暖かく湿った空気が届きやすく、比較的穏やかで降水量も多くなりますが、東に進むにつれて大陸性気候の特徴が強まり、気温差が大きくなります。夏は日中25℃前後まで上がる日も多く、湿度が低いためカラッとした爽やかな暑さになります。一方、冬は寒さが厳しく、特に東部や山岳地帯では氷点下10度以下まで冷え込むことも珍しくありません。
四季の移り変わりがはっきりしているのもポーランドの特徴で、春には雪解けとともに一斉に花が咲き、明るい緑に包まれます。夏は日照時間が長く、雨は降るものの短時間で済むことが多く、夜は気温が下がって過ごしやすくなります。秋は9月ごろから徐々に気温が下がり始め、木々が黄色や赤に色づく美しい紅葉が見られますが、10月後半からは曇りや雨の日が増えて冬の気配が漂い始めます。冬は地域によって様子が異なり、南の山岳地帯では雪が多くスキーリゾートとしても人気ですが、西の低地では雨混じりになることもあります。
降水量は年間を通して500~700mm程度で、最も降水が多いのは6月から7月にかけての初夏です。北に広がる平野部、南のタトラ山脈、そしてバルト海沿岸といった多様な地形がポーランドの気候に変化を与えていますが、全体としては「穏やかながら冬はしっかり寒い」という、典型的な東欧らしい気候が特徴です。
平均気温(°C) | 日照時間(H) | UV Index | |
---|---|---|---|
1月 | -3.7 – 2.1 | 1.33 | 1 |
2月 | -3.2 – 3.6 | 2.23 | 1 |
3月 | -0.5 – 8.3 | 3.67 | 2 |
4月 | 3.9 – 15.0 | 5.2 | 4 |
5月 | 8.6 – 20.4 | 7.33 | 5 |
6月 | 11.9 – 23.4 | 7.7 | 6 |
7月 | 14.1 – 25.6 | 7.83 | 6 |
8月 | 13.5 – 25.3 | 7.37 | 5 |
9月 | 9.4 – 19.9 | 4.83 | 4 |
10月 | 5.1 – 13.6 | 3.43 | 2 |
11月 | 1.6 – 7.6 | 1.4 | 1 |
12月 | 3.5 – -2.1 | 0.93 | 0 |
サマータイム
ポーランドはEU加盟国の一つとして、ヨーロッパ共通のサマータイム制度を採用しています。
開始:3月最終日曜日の午前2時に1時間進めて、午前3時に
終了:10月最終日曜日の午前3時に1時間戻して、午前2時に
日照時間が長くなる夏季に、時計を1時間進めることで夕方の明るい時間を有効活用し、エネルギー消費の削減や経済活動の活性化を図るのが主な目的です。
時差
日本との時差は、冬時間で8時間、サマータイム期間中の日本との時差は7時間となります。
電圧
電圧は220Ⅴと日本よりも高電圧です。 そのため日本から持ってきた電化製品を使う場合は変圧器が必要になる場合があります。 スマートフォンやカメラ、パソコンなどは100-240Vのグローバル対応になっているものがほとんどなので、変圧器は不要です。
iPhoneやiPadなどのアップル社製品は全て海外でもそのまま使用することが可能です。ヘアドライヤーなどはグローバル対応していないものが多く、変圧器なしでそのまま使うと火災の原因になるので気をつけましょう。
コンセントタイプはCタイプです。
金融関連
ポーランドは中央・東欧の中でも金融システムが発展している国の1つで、国内には国営・民間・外資系を含む多数の銀行が存在します。中央銀行はポーランド国立銀行(Narodowy Bank Polski、NBP)で、金融政策の策定、通貨の発行、物価安定などを担っています。
商業銀行としては国内最大手のPKO Bank Polski(PKO BP)が有名で、個人・法人向けの幅広いサービスを提供しています。次いでPekao SA、Santander Bank Polska、mBank、ING Bank Śląskiなどが主要銀行として全国規模のネットワークを持っています。これら大手銀行の多くは欧州の金融グループに属しており、経営やサービス水準は欧米基準で、デジタルサービスも非常に充実しています。
銀行窓口では英語対応できるスタッフがいることが多く、外国人でも書類を揃えれば比較的簡単に口座を開設できます。ただし、ビザの種類や住所証明が必要なので長期滞在や駐在でないと開設は難しいケースもあります。外国人向けに英語ベースのインターネットバンキングを提供する銀行も多く、残高照会や振込など日常的な取引もオンラインで完結できます。
ATMは主要都市はもちろん地方にも広く整備されており、国際ブランド(Visa、Mastercardなど)のカードで現金を引き出せます。ポーランドではキャッシュカードの非接触決済(タッチ決済)が普及しており、スーパーやレストラン、小規模な店舗でもカード支払いが可能で、電子決済社会が進んでいます。
また、近年はPolish API(PSD2 EU指令に基づく銀行API)によりフィンテック系サービスとの連携が進み、オンライン送金や資産管理サービスなど、欧州標準の先進的な金融サービスも増えています。
口座の種類
銀行は、主に3種類の銀行口座を提供しています。
普通預金口座(Rachunek Oszczędnościowo-Rozliczeniowy, ROR)
日本でいう「普通預金口座」に相当します。給与の受け取り、日常の支払い、送金、カード利用など幅広く使われます。
インターネットバンキングやモバイルバンキングが利用可能。
多くの場合、無料または低額の口座維持費で利用できます。
貯蓄口座(Rachunek Oszczędnościowy)
貯蓄目的の口座で、普通預金よりも高めの利率がつくことが多いです。
出し入れは自由ですが、日常の決済には向きません。
普通預金口座(spořicí účet)
貯蓄が目的であれば、貯蓄を安全に保管しながら利息を受け取れる普通預金口座が最適ですが、金利はかなり高くなります。ATMで一定額の現金を引き出すことはできますが、銀行カードや小切手帳は発行されません。
法人口座(Rachunek Firmowy)
企業や個人事業主向けの口座。ビジネス用の入出金管理や決済に使われます。
多くの銀行がビジネスローンや決済サービスとセットで提供しています。
口座を開く
銀行口座を開設するには、以下の手順と書類が必要です。なお、銀行や口座の種類によって若干異なる場合があります。
・本人確認書類:有効なパスポートまたはEU圏内ならIDカード。
・住所証明:現地の住所を証明する書類(賃貸契約書、公共料金の請求書など)。
・滞在許可証またはビザ(必要な場合):学生ビザや就労ビザなど。短期滞在の場合は開設が難しいこともあります。
1.銀行を選ぶ
主要銀行(PKO Bank Polski、Pekao SA、Santander Bank Polska、mBank、INGなど)はオンラインでの事前予約や問い合わせが可能です。都市部では英語対応の窓口もあります。
2.窓口訪問またはオンライン申請
窓口での手続き:直接銀行支店に行き、口座開設を希望する旨を伝えます。担当者が書類をチェックし、申込書に記入します。
一部銀行は外国人向けにオンラインで口座開設申請が可能です。ただし、本人確認のため支店での最終確認が必要な場合もあります。
3.書類の提出と審査
提出書類を基に銀行が審査を行い、問題なければ口座開設が承認されます。通常数日以内に手続き完了します。
4.デビットカードの発行
口座開設後、即日または数日以内にデビットカードが発行されます。カードは支店で受け取るか郵送されます。
5.オンラインバンキングの登録
口座管理のため、オンラインバンキングやモバイルバンキングに登録します。多くの銀行が英語対応のアプリやウェブサービスを提供しています。
携帯電話
ポーランドでは携帯電話の普及率が非常に高く、ほとんどの人がスマートフォンを利用しています。主要都市だけでなく地方部でもモバイル通信網が整備されており、4G(LTE)が広くカバーされています。最近では5Gの導入も進み、大都市圏では高速通信が利用可能です。
携帯電話サービスは主にプリペイド(プリペイドカード)とポストペイド(契約プラン)の2種類があり、旅行者や短期滞在者にはプリペイドSIMカードが便利です。プリペイドSIMは空港、携帯ショップ、コンビニ、キオスクなどで簡単に購入でき、手軽にチャージ(トップアップ)して使えます。
主要な携帯電話キャリアには以下があります。
Play
国内最大手の一つで、広いエリアをカバー。料金プランも多彩で初心者にお勧め。
Orange Polska
フランスのOrangeグループの一員で、通信品質が高い。
T-Mobile Polska
ドイツのT-Mobileグループ傘下で、広範囲にサービスを提供。
Plus
ポーランド独自の大手キャリア。カバー範囲が広く、地方でも利用しやすい。
料金プランはデータ通信重視のものから通話・SMS付きのものまで多様で、短期旅行者向けには1週間や1か月のプランもあります。通信速度は都市部で高速ですが、農村部ではやや遅くなることがあります。
また、SIMロックフリーのスマートフォンがあれば、現地のSIMカードを差し替えてすぐに利用可能です。日本の携帯会社からの海外ローミングも利用できますが、費用が高くなるため現地SIMの利用が一般的です。
さらに、ポーランドの携帯キャリアはEU内ローミング料金の撤廃に従い、EU加盟国間では追加料金なしでデータや通話が利用できるため、隣国旅行の際も便利です。
ブロードバンド
ポーランドは近年、インターネットインフラの整備が急速に進んでいます。都市部を中心に高速の光ファイバー(FTTH)やケーブルインターネットが普及しており、一般家庭や企業で安定した高速通信が利用可能です。
全国的には固定ブロードバンドの普及率は上昇傾向にあり、特にワルシャワ、クラクフ、ヴロツワフなど主要都市では100Mbps以上の速度が一般的です。地方でもADSLやモバイルブロードバンドを使った接続環境が整備されているため、基本的なネット利用には問題ありません。
主なインターネットプロバイダーには以下があります。
Orange Polska
国内最大手の通信会社で、光回線サービスの提供も充実。
UPC Polska
ケーブルインターネットで高速通信を提供。
Vectra
ケーブルインターネットの大手。
Netia
固定電話とインターネットをセットで提供。
T-Mobile Polska
モバイルブロードバンドも含め広範囲にサービスを展開。
また、ポーランド政府は「デジタルポーランド」政策の一環として、地方のインターネット整備促進にも力を入れており、農村部でも通信環境の改善が進んでいます。