ローマ概要
ローマ概要
ローマの面積は1,285km2で、そこにおよそ434万人が住んでいます。(2025年1月現在)イタリア北部の芸術都市フィレンツェまでは約280km、南部の港町ナポリまでは約225km、ミラノやヴェネツィアなどイタリア北部の主要都市へも比較的アクセスしやすい位置にあります。
紀元前800年頃に拓かれたローマは、「永遠の都」と称され、古代ローマ帝国の中心地として栄えた歴史的遺跡、中世のバロック建築物やルネサンス期の芸術と現代的な要素が融合した魅力的な都市です。
ローマは、イタリアの行政区分上はラツィオ州に属しています。ローマを中心都市とするこの州はフロジノーネ県、ラティナ県、リエティ県、ビテルボ県、ローマ県の5県から成り立っています。
自治体/行政区
日本の市町村にあたるような規模による区別はなく、ローマのような大都市もバロー二のような小さな村も、基礎自治体はすべてコムーネ/共同体(comune)と呼ばれます。
ローマ市は、規模と人口のいずれもイタリア最大のコムーネで、、市の伝統的な行政区画であるリオニ(Rioni )、歴史的中心部の地域と地区、アウレリアヌス城壁周辺の地域、郊外、地区外の地域に区分けした合計15のムニチピ/行政区(municipi)に分かれています。
郵便番号
イタリアの郵便番号(Codice di Avviamento Postale/CAP)は5桁の番号からなり、独立国家であるバチカン市国とサンマリノ共和国でも使われています。
最初の2桁は州を、最後の3桁は通常特定の自治体を示しますが、ローマやミラノなどの大都市では自治体をさらにいくつかの地区に分け、それぞれ違う番号が振り分けられています。
公共交通機関
ローマでは、地下鉄、バス、トラム(路面電車)、近郊鉄道(Ferrovie Urbane)も、全て「アタク(ATAC)」と呼ばれる公共の交通会社によって管理されているため、乗車券はすべての交通機関共通で、有効期間内であれば、地下鉄からバスなど、同じ乗車券で乗り継ぐことも可能です。
地下鉄
地下鉄には3路線あり、ローマの西と南東を結ぶA線(オレンジ)、南北を走るB線(青)、 中心地のやや東側からフィウミチーノ空港までを結ぶC線(緑)と色分けされています。
運行時間
日~木曜日 5:30 – 23:00 / 金・土曜日 5:30 – 01:30まで、平日は5分おき、休日は7分おきに運行しています。
乗車券の種類
乗車券の料金は、有効時間や使用回数によって異なり、使い切りの1回券、24時間券、48時間券など複数あります。短期間で地下鉄を多く利用する場合は時間券を購入すると割安になります。
1回券(BIT)
1回使い切りの片道切符にあたる「BIT」。使い勝手がよいですが、最新型の自動券売機では販売されてないこともあります。
24時間券(ROMA 24H)
利用開始から24時間有効の乗車券。地下鉄や市バスなどを1日に5回以上乗る場合は、1回券を何度も購入するよりお得です。
48時間券(ROMA 48H)
利用開始から48時間有効の乗車券。24時間券を2回購入するよりもお得です。
72時間券(ROMA 72H)
利用開始から72時間有効の乗車券。3日間公共交通機関をフル活用する場合は、この時間券がお得です。
1週間定期(C.I.S.)
利用開始から1週間有効な乗車券。
複数(MULTI-BIT – 2, 5, 10)
複数枚の乗車券(2回券、5回券、10回券)をセットで購入することができます。料金的には1回券を複数枚購入するのと料金は変わりませんが、乗車のたびに1回券を購入する手間が省けます。
その他のチケットについてはATACのウェブサイト・チケットページをご覧ください。
乗車券購入方法
地下鉄
・自動券売機
・ATACのチケットオフィス
・ローマ市内にある「T」のマークが目印のタバコ屋((Tabacchi)、キオスク(edi̱cola)
・バスの運転手から直接購入
タッチパネル式自動券売機
日本語にも対応しています。クレジットカードしか利用できない場合があります。複数回券(2回券、5回券、10回券)」を購入できるのは、このタイプの自動券売機のみですが、1回券は、購入できない販売機もあります。
タッチパネル式自動券売機の購入手順
①画面の下にある国旗の部分より言語を選択します。
②乗車券の種類と枚数を選択
③現金かカード支払い。ただしクレジットカードしか選択できない場合があります。
切符やお釣りが出てくるまで時間がかかることがあるので、辛抱強く待ちましょう。
紙幣での支払いも可能ですが、購入額によっては釣り銭額に上限があるので、紙幣ではなくりコインを用意しましょう。
ボタン式自動券売機
ボタン式の自動券売機も数多くあります。一見タッチパネル式に見えますが、操作は画面左右のボタンを押して行います。時間券(24〜72時間券)と1回券用の券売機のため、複数回券は購入できません。
地下鉄の乗り方
①メトロ(Metro)の頭文字を取った「M」の看板が地下鉄駅の目印です。改札機を通過する際には乗車券を黄色い丸のエリアにタッチします。乗車券をタッチしても、改札の扉が開かない、音が鳴らないなどの場合などは、旧式改札機の可能性があるので、乗車券を挿入口に入れてみましょう。乗車券を挿入すると改札機のレバーのロックが解除されるので、回収口から乗車券を回収し、改札機のレバーを押しながら通過します。
②駅構内の案内表示に従って移動します。駅にもよりますが、先発と次発の電車の到着時間や進行方向は、頭上の電光掲示板に表示されています。
③地下鉄のドアには自動型と手動型があります。手動の場合はドア周辺の丸いボタンを押してドアを開けます。降りる際も同様です。
④下車時には乗車券を改札口に通す必要はないので、そのまま出ることができます。
乗り換え
A線とB線への乗り換えは、案内板を確認しながら進みましょう。B線への乗り換えは、青色の四角の中に「B」が表示されています。A線に乗り換えの場合は、赤の四角の中に「A」の表示があります。
割引
大人が同伴する10才未満の子どもの運賃は、大人同伴の場合は無料です。トレニタリア鉄道(Trenitalia)は4才未満まで無料。またベビーカーも折りたためば無料で持ち込みできます。(2025年4月時点)
学生用ローマ年間割引パス
ローマ在住の青少年・学生、またはローマ在住ではない学生で、奨学金を受給しているか大学の寮に無料で宿泊していて、ISEE(等価経済状況指標)収入が20,000ユーロ以下の方を対象としています。
その他の割引についてはこちらをご覧ください
詳しくはATACのサイト
ローマパス
ローマ市と公共交通機関(ATAC社)が発行している「ローマパス(Rome Pass)」は、観光スポットや交通機関利用時に入場無料や割引特典が受けられるお得なパスです。特典は以下の通りです。
・45カ所以上の観光スポット、美術館や博物館、遺跡などへの入場が無料、もしくは割引になります。
・地下鉄(A、B、B1、C線)、バス(ATAC社)に加えて、ローマの路面電車や一部の鉄道線(Roma-Lido、Roma-Flaminio Piazza del Popolo-Viterbo、Roma-Giardinetti)も乗り放題です。
・ローマ市内にある休憩所兼有料トイレ「P.Stop」が無料で利用できます。
パスには48時間券と72時間券があり、一番最初に利用した時点から有効期限のカウントダウンが開始されます。48時間券は最初の1施設が入場無料、72時間券は最初の2施設が入場無料になります。無料の入場特典使用後は、対象施設45カ所以上で割引料金が適用されます。利用回数に制限はありませんが、1施設につき1度のみ利用可能となります。購入したらパス裏面に必ず署名しましょう。
地下鉄を利用する際の注意点
ローマの地下鉄はスリが多いことで有名です。乗車券の自動販売機のまわりには人が多いので、鞄や貴重品は前に抱えるなど、持ち物の管理には気をつけましょう。
・リュックやバックは背中側に背負わないようにしましょう。
・財布やスマホを後ろポケットに入れないようにしましょう。
・ドア付近に立たず、席が空いていれば座りましょう。
・電車内では常に周囲に注意を払い、注意を払っていることを明確に示しましょう。
・駅構内ではなるべく階段を利用しましょう。
交通関連のアプリ
Metro Roma
地下鉄全線の路線図とルート情報を網羅しています。
ストライキ、迂回路、運休などを含む公共交通機関(地下鉄、バス、トラム、電車)の情報や天気予報もお届けします。
Probus Rome: Live Bus & Routes
Probus Rome は、ローマ市内をバスで移動する方法をすばやく見つけるのに最適なアプリです。
ローマの地下鉄やトラムの路線図やローマ市内マップはATACのウェブサイトをご覧ください。
タクシー
ローマの正規タクシーは、車体の色が白で、ドアにローマ市の市章とタクシーのライセンス番号、会社名がステッカーで掲示されています。屋根にはTAXIという文字のサインも出ています。
タクシーに乗る方法は、タクシー乗り場での乗車か、電話またはアプリでタクシーを呼ぶのが一般的。流しのタクシーは、法外な料金を請求したりトラブルのもとになるので避けたほうが無難です。
主なタクシー会社
ローマ市観光局のサイトで紹介されている主なタクシー会社です。電話またはウェブサイトで予約もできます。
Cooperativa Pronto Taxi Roma
T06 6645
Cooperativa Radio Taxi Samarcanda
T06 5551
Radio Taxi Tevere
T06 4157 – 06 4994
Radiotaxi 3570
T06 3570
配車サービス
以下の配車サービスアプリが使用できます。
・Uber
・FREE NOW(旧 MY TAXI)
・AppTaxi
・ChiamaTaxi
・Wetaxi
レンタサイクル
2017年12月にローマでサービスを開始したシンガポール発のObikeは、ローマでのシェアサイクルの利用マナーが悪く、個人所有物として利用する人が相次ぎ、開始から1年足らずでローマから撤退することになりました。現在ローマはヨーロッパの主要な首都の中で、唯一シェアサイクル・サービスの無い都市となっています。
シェアサイクル・サービスの代わりに多くの自転車レンタル店があり、各店によって料金やサービスが異なります。お勧めのレンタル店は
・VeloService :市中心部にあり、手頃な価格で多様なスタイルの自転車を提供しています。
・Rome by Bike : 観光プランもあるので、初めての人に最適です。
・Ciclofficina : 環境保護に力を入れており、リサイクル自転車も多く取り扱っています。
電動スクーター(電気キックボード)
⚫︎道が混みすぎていてバスの遅延や乗客オーバーで乗車拒否は当たり前のローマでは電気キックボードも人気の移動手段です。車が入れないエリアも楽々移動できます。
⚫︎アプリを使って利用するため、携帯電話さえ持っていれば誰でも利用できます。
⚫︎代表的なのは「Lime」と「TIER」の2社です。
Limeの乗り方
①アプリをダウンロード(配車アプリのUberのアカウントでレンタルすることも可能)
②Limeスクーターの中央にあるQRコードをアプリで読み取ると料金の支払い画面になります。決済を済ませるとスクーターが点灯して乗車準備完了
③助走をつけながらライムマークの発進ボタンを押すと走り出します。停止した状態で発進ボタンを押しても走り出さないので、うまく助走をつけるのがコツ。
TIERの乗り方
①アプリをダウンロードするとカード番号を入れる画面が表示されるので、情報を入力します
②アプリの画面上に現在地と、その近くにあるキックボードの位置情報が共有されます。自転車あるいはキックボードのマークを画面上で探して、そこからレンタル開始です。
忘れ物
地下鉄A線、B線/B1線、C線
地下鉄内で物をなくしたら、B線EUR Fermi駅に設置された新しい統合カウンターまでお越しください。
営業時間:月・水・金 10:30 – 13:00
T 06 4695 5105
ローマ・カピターレ(Roma Capitale)
地上公共交通機関バス、路面電車、地域鉄道でなくした物の捜索をします。
営業時間:月・木曜日 9:00 – 13:00
T 06 4695 2400
ローマ・ジャルディネッティ鉄道
T 06 46956347
ローマ・ヴィテルボ鉄道
T 800 174471 公共交通機関の管理会社AstralとCotralの営業時間 月~土曜日7:00 -20:00
astralspa.it / cotralspa.it
COTRAL
COTRALのバスで何かを紛失した場合は、フリーダイヤルに電話するか、ウェブサイトにあるオンライン申請フォームで問い合わせましょう。乗車にした日時、路線、停車駅などすべての情報と紛失物の説明を提供する必要があります。
T 800 174 471
ROMA TPL
ROMA TPLのバスで何かを紛失した場合は、電話かメールで連絡します。日時、路線、停車駅などの情報と紛失物の説明します。
紛失物が見つかった場合は、有効な身分証明書と紛失・盗難届をROMA TPL事務所で提示すれば、引き取ることができます。引き取り手数料はかかりません。
住所:Via Antonio Fontanesi, 24, 00155 Roma (RM)
T 06 64 7781
ローマ首都圏の拾得物取扱所
住所:Circonvallazione Ostiense 191
T 06 67693220-3268-3214
https://www.comune.roma.it/web/it/dettaglio.page?contentId=UFF103808
https://www.comune.roma.it/web/it/scheda-servizi.page?contentId=INF39645
紛失物は、有効な身分証明書と紛失・盗難届を各事務所で提示して引き取ることができます。引き取り手数料はかかりません。保管料や調査・捜索料を請求される場合があります。調査依頼から30日を過ぎて引き取る場合は、追加の保管料が加算されることがあります。自宅で品物を受け取る場合は、送料も加算される他、身分証明書のコピーと支払い領収書を添えた書面を遺失物取扱所に送る必要があります。