現ナポリの近郊に位置し、かつて商業で栄えていた海洋都市ポンペイ。西暦79年に発生したヴェスヴィオ火山の大噴火でもたらされた火砕流によって、一瞬にして一帯が地中に埋まってしまったことはよく知られています。1748年に再発見され断続的ながらも発掘作業が行われるようになった結果、具体的な被害状況の証拠となるものや建築物、美術品などが多数見つかり、世界で最も保存状態のよいローマ遺跡の一つともいわれています。複数の小説やドラマ、映画の題材にもなり、「ポンペイ考古学公園」は世界中から多くの人々を惹きつけるようになったのですが・・・。

2024年10月の第一日曜日に、過去最高の旅行者数を記録

Image by valentina Ficuciello from Pixabay

新型コロナパンデミックが始まる以前よりポンペイ考古学公園への来園者数は増加傾向にありましたが、2023年にはその数が前年比の3分の1増となる400万人近くに増加し、パンデミック以前の水準を上回りました。2024年10月には48万人以上が訪れ、1日平均は約1万5,500人。またこの年に最も混雑したのは5月で、なんと約51万7,000人、つまり1日あたり約1万6,700人もの来園者があったそう。地元メディアによれば、入場無料となった10月第1日曜日には、過去最高の3万6,000人にも及ぶ観光客が訪れたとのことです。

この人気を受け公園の管理者は、2024年11月15日より1日あたりの来園者数を制限すると発表しました。とはいえ、上限2万人という数字では、入場を拒否される観光客はほんの一握りだけとなる可能性が高いようにも見えます。実際、広報担当者はロイターに対し、「2万人を超えたのは、入場が無料になる毎月第1日曜日以外では、3〜4日だけだ」と語りました。

入場制限を行う理由

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ポンペイ考古学公園のディレクター、ガブリエル・ズクトリーゲル氏は、来園者によってもたらされる古代遺跡にかかる負担を減らすことは、公園の保護と安全上の観点からも避けられないと述べました。こういった措置は、同公園のみならず、歴史的建造物を過度の利用から守るためにヨーロッパ全体でとられています。

ポンペイ一帯は大噴火によって壊滅的な被害を受けた後も、1,000年以上にもわたって灰の層の下にほぼそのままの状態で保存されていました。現在でも遺跡の約3分の1はまだ未発掘の状態で、今後も考古学者にとって大きな関心事であり続け、世界で最も完全なローマ人の日常生活の姿を提供していくことになるでしょう。イタリアだけでなく世界が所有する重要な文化遺産ともいえるポンペイ。その歴史と美しさを未来の世代も楽しめるように守っていかないといけませんね。

ポンペイ考古学公園に訪れる方は、事前にオンラインで入場券を購入しておきましょう:

参照ウェブサイト:www.bbc.co.uk/news/articles/cjdl1njj1peo

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/07/04_2507_03.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/07/04_2507_03-150x150.jpgLiE 編集部現ナポリの近郊に位置し、かつて商業で栄えていた海洋都市ポンペイ。西暦79年に発生したヴェスヴィオ火山の大噴火でもたらされた火砕流によって、一瞬にして一帯が地中に埋まってしまったことはよく知られています。1748年に再発見され断続的ながらも発掘作業が行われるようになった結果、具体的な被害状況の証拠となるものや建築物、美術品などが多数見つかり、世界で最も保存状態のよいローマ遺跡の一つともいわれています。複数の小説やドラマ、映画の題材にもなり、「ポンペイ考古学公園」は世界中から多くの人々を惹きつけるようになったのですが・・・。 2024年10月の第一日曜日に、過去最高の旅行者数を記録 Image by valentina Ficuciello from Pixabay 新型コロナパンデミックが始まる以前よりポンペイ考古学公園への来園者数は増加傾向にありましたが、2023年にはその数が前年比の3分の1増となる400万人近くに増加し、パンデミック以前の水準を上回りました。2024年10月には48万人以上が訪れ、1日平均は約1万5,500人。またこの年に最も混雑したのは5月で、なんと約51万7,000人、つまり1日あたり約1万6,700人もの来園者があったそう。地元メディアによれば、入場無料となった10月第1日曜日には、過去最高の3万6,000人にも及ぶ観光客が訪れたとのことです。 この人気を受け公園の管理者は、2024年11月15日より1日あたりの来園者数を制限すると発表しました。とはいえ、上限2万人という数字では、入場を拒否される観光客はほんの一握りだけとなる可能性が高いようにも見えます。実際、広報担当者はロイターに対し、「2万人を超えたのは、入場が無料になる毎月第1日曜日以外では、3〜4日だけだ」と語りました。 入場制限を行う理由 Image by falco from Pixabay ポンペイ考古学公園のディレクター、ガブリエル・ズクトリーゲル氏は、来園者によってもたらされる古代遺跡にかかる負担を減らすことは、公園の保護と安全上の観点からも避けられないと述べました。こういった措置は、同公園のみならず、歴史的建造物を過度の利用から守るためにヨーロッパ全体でとられています。 ポンペイ一帯は大噴火によって壊滅的な被害を受けた後も、1,000年以上にもわたって灰の層の下にほぼそのままの状態で保存されていました。現在でも遺跡の約3分の1はまだ未発掘の状態で、今後も考古学者にとって大きな関心事であり続け、世界で最も完全なローマ人の日常生活の姿を提供していくことになるでしょう。イタリアだけでなく世界が所有する重要な文化遺産ともいえるポンペイ。その歴史と美しさを未来の世代も楽しめるように守っていかないといけませんね。 ポンペイ考古学公園に訪れる方は、事前にオンラインで入場券を購入しておきましょう: 参照ウェブサイト:www.bbc.co.uk/news/articles/cjdl1njj1peo