長期休暇の取りやすい国に住んでいると、車でヨーロッパ各国を回ってみたいと思われる方もいらっしゃることでしょう。多くの国で同じユーロ通貨が使えるし、外国語は賢いスマホアプリと義務教育で習った英語、そして度胸でなんとか乗り切れそう!
ただ一つ困ってしまうのは、各国で微妙に異なる交通法規。携帯電話を持ったままの運転や、シートベルト不着用での運転が不法であることは常識の範囲内ですが、中には意外なものもあります。今回はそんなルールをご紹介します。
Image by Malinaphotocz from Pixabay
異国の運転法規を理解することの重要性
安全で快適な運転ができるよう、出発前に訪れる国の運転規則を調べておくことはとても重要です。「同じヨーロッパだし、交通法規もそれほど違わないだろう」と思われるかもしれませんが、実際にはその国独自のルールがあることも少なくありません。例えば、左側通行のイギリスからやってきたドライバーの実に18%が海外で運転中にニヤミスを起こし、31%が空いた道路ではつい反対側を運転してしまったという経験があるといいます。
基本的なヨーロッパの運転規則はもちろんのこと、独特な国別の運転規則を把握して、罰金、罰則、予期しない出費、通院や入院などを回避することに努めましょう。
ヨーロッパ各国の少し変わった運転ルール
ヨーロッパを運転中に遭遇する可能性のある、独特の規則をいくつか見てみましょう。
イギリス:駐車、駐車場、渋滞税、排ガス税、ダートフォード・クロッシング通行料違反(PCN)に関する罰金
Image by Alexa from Pixabay
イギリスでは、駐車規則違反をしたり、渋滞税・排ガス税・通行料などが未払いの際に、罰金を伴う「反則金通知書(Penalty Charge Notice/PCN)」が発行されます。罰金は28日以内に支払うことが法律で定められていますが、14日以内に支払えば50%引きになります。逆に28日のデッドラインを過ぎても未払いの場合には罰金が50%増しとなり、それから14日以内に支払うようにとの連絡が届きます。それを過ぎると・・・いよいよ裁判沙汰となってしまいますので、罰金は無視せず早めに支払い、楽しい旅行を続けましょう。
ちなみに、スピード違反などの重要な違反には割引は一切ありませんので、ご注意を!
キプロス: 運転中の飲食禁止
日本でよく知られる標語のように「乗ったら飲むな、飲むなら乗るな・・・」といわれたら、単に飲酒を避けることを意味すると思われるかもしれませんが、キプロスではなんと、これが水や食べ物にも適用されます。運転中にお菓子を食べたり、水を飲んだりしているのが見つかると、85ユーロの罰金が科せられることも!この国で運転をする場合は、食事や水分補給のためにも定期的に車を止めて休憩を取りましょう。
ギリシャ:運転中の喫煙禁止
ご多分にもれず、ギリシャにおいても喫煙の許される場所が徐々に減少してきています。自家用車も含め、車内喫煙は違法。また、罰金額は喫煙時に車内に12歳以下の子どもがいたかどうかで変わってきます。ギリシャ保健省には違反者通報用のホットラインもあるようですので、喫煙者の方は気をつけましょう!
スウェーデン、スロベニア、デンマーク、ノルウェー: 後退時にハザードランプを点灯
1年のうち長期間にわたって陽が差さず、視界の悪くなる多くの国で適用されるルール。車両を後退させる際に自動点灯するバックランプに頼るだけでは不十分なため、ハザードランプも点灯しないとなりません。特に混雑した場所や狭い場所において、視認性を高め、歩行者や他の道路利用者に警告するように作られたルールです。この習慣がない国から入国した場合にはつい見落としがちですが、遵守しないとその場で罰金が科せられる可能性もあります。
スペイン:20日以内に払うと罰金が半額に
スペイン旅行中に運悪く罰金を科せられたときに備えて知っておきたいルール。スペインの法律では、交通違反や行政罰を含む特定の罰金を早期に支払うと割引が受けられることになっています。罰金請求後20日以内に支払うと、合計金額の半額割引が受けられます。割引は罰金通知書に記載されている指示に従えば自動的に適用されますが、そもそも罰金を完全に回避するよう気をつける方が得策ですね。
スペインでは他にも、運転の際に視力矯正が必要なドライバーは、予備のメガネやコンタクトレンズを所持することが法で定められています。
スイス:日曜日の洗車は厳禁
Photo by Tima Miroshnichenko
スイスで高速道路を利用する際は、事前にビニエット(Vignette)のステッカーが貼られていないと罰金が科せられます。ビニエットは郵便局やガソリンスタンド、オンラインで購入(https://vignetteswitzerland.com )することができます。
交通違反の罰金は、たとえばスピード違反ならば、20〜260スイスフランと幅があります。これは、罰金額に違反者の収入が反映されるため。高額所得者の方はことさらに(!)気をつけないとなりませんね。
また、日曜日を休息日とする国は多いものの、スイスではこれがより厳粛に守られているようで、日曜日に車を手洗いしたり高圧洗浄機を使ったりすることは禁止されています。レンタカーの返却などでどうしても日曜日に洗車する必要がある場合は、洗車場に行きましょう。
デンマーク:車の下に人がいないか確認
他の国ではあまり聞いたことのないルールの1つかもしれませんが、ドライバーは、乗車前に車の下に人がいないかの確認をしないとなりません。都市部では多くの子どもたちが車の下で遊んだり隠れたりすることあるというのが理由だそうです。この簡単な確認で安全な出発が保証され、潜在的な事故を防ぐことができますね。
ドイツ:裸で運転してもオーケー!しかし・・・
ドイツでは自家用車の中は「プライベートスペース」とみなされるため、裸で運転することを禁止する特定の法律がありません。言い方を変えれば、服を着ずに運転しても咎められないということになります。ただし、一歩車から出たらそこは公共のスペースですから、裸は厳禁。また裸で運転すると集中力が損なわれたり、他のドライバーの気を散らしたりする可能性があるため、事故を防ぐためにも、それが合法なドイツだからといって服を脱ぐことはやめた方がいいかもしれません。
フィンランド:季節によって変わる制限速度
10月~3月の間、高速道路における制限速度は通常のマイナス20キロに変更されます。覚えておかないと、気付かぬうちに20キロオーバーのスピード違反となってしまいます。
フランス:廃止された規則
かつてフランスでは、すべての自動車およびオートバイのドライバーはセルフテスト用アルコール検知器の携帯が義務付けられており、違反すると罰金が科せられていました。しかし、このルールは2020年に廃止となっています。
とはいえ、警察は継続してドライバーの飲酒量のランダムチェックを行っていますので、油断は禁物です。
フランス:フロントガラスには排ガスレベルを示すステッカーを!
Image by Gerd Altmann from Pixabay
フランスの「低排出ガス地帯(Zone à Faibles Émissions/ZFE)」と呼ばれる車両乗り入れ制限地区では、車両に排ガスレベルを認定する「クリテール(Crit’Air)」のステッカーを貼ることが義務付けられています。汚染度によって1(ミニマム)から6(マキシマム)までの番号が振り分けられ、番号によっては乗り入れ不可となる都市もあるので注意しましょう。詳細はフランス環境連帯移行省のウェブサイト(フランス語、ドイツ語、英語)(https://www.certificat-air.gouv.fr )でご確認ください。
ベラルーシ:汚い車の運転禁止
Photo by Prateek Katyal on Unsplash
「汚い」の程度をどのように定義づけるのかは謎ですが、ブルガリアやロシアでも同様のルールがあるようです。
ポーランド:クマと運転は相性が悪い?
世界でも珍しいポーランドの運転法規の1つ、「クマを乗せて車を運転してはいけない」。この法律の背後にある理由は不明ですが、ポーランドではヒグマ(Brown Bear)は保護動物となっているので、そのためかもしれません。しかし、もしもクマを背負って運転している人がいたら、他の車を運転していようが歩いていようが、目撃した人たちは注意が削がれかなり危険。したがってポーランドで運転をする際には、道中、人の(クマの?)良さそうなクマがヒッチハイクをしていても断るのが賢明のようです。
余談ですが、「車中・車外にかかわらず、子ども公園の近くではクマのプーさんのTシャツは着用してはならない。その理由はパンツを履いていないプーさんの姿が “半裸” 認定されたから」とのニュースがポーランド以外の国々で大きく報じられたことがありました。実際には、ポーランド中部の小さな町トゥシン(Tuszyn)において、子ども公園のマスコットとしてプーさんが適切かどうかについて自治体で話し合いが持たれたときに、きちんと服を着たポーランドの人気アニメ「おやすみくまちゃん(Miś Uszatek)」に登場するキャラクター「ウシャテク(Uszatek)」の方がプーさんよりも適切なのではとの意見が出たというだけのことでした。しかも会議があったのは2014年のことなのに、なぜだかそれから7年も経ってから発覚し、かなり事実を捻じ曲げた内容で世界に拡散されてしまったとのことです。
ポルトガル: 予備燃料は携帯不可
安全上の理由から、ポルトガルではガソリン缶を車両に積むことが禁止されています。予備燃料が携帯できない上、都市部以外ではガソリンスタンドの営業時間が07:00 – 22:00と限定されているため、運転中はガス欠に要注意。レンタカーを利用の際、満タンで車を返却する契約になっている場合には特に気をつけましょう。契約不履行になると、予期しない料金が発生するなど、レンタカーデスクで面倒なことが起こる可能性があります。
マケドニア:助手席でも!?
ドライバーでなくとも、見るからに酔っぱらったように見える人が前の座席を陣取ることは違法です。シラフでも自分は酔っ払いの風貌かもしれないと心配されている方は念のため後部座席に座りましょう!
マルタ:方向指示器の使用は自分次第
すべての車両に方向指示器が装備されてはいるものの、マルタ共和国ではそれを使うことは強制されていません。周りの車両が突然車線を変更するということが普通に起きますので、気をつけましょう。
ヨーロッパを車で旅行する際の共通ルール
Photo by eberhard grossgasteiger
EU加盟国で発行された運転免許証は、EU内のどの国でも有効です。ただし、出かける前に運転免許証の期限内であることだけは確認しておきましょう。海外滞在中に運転免許証の有効期限が切れると自動的に無効となり、免許証として認識されない可能性があります。また、EU加盟国で発行された仮運転免許証であっても、外国では運転することはできません。
EU以外の国で発行された運転免許証を使ってEU域内を運転する予定がある場合には、念のため、その免許証が使用可能かどうか事前に訪問国の当局またはその国の大使館か領事館に問い合わせましょう。
道路交通規則と安全に関するEU加盟国共通の法律はありませんが、すべてのEU諸国に適用されるいくつかのルールがあります:
観光バスやミニバスを含むすべての車両でシートベルトを着用すること
車やトラックに乗る子どもは適切なチャイルドシートを使用のこと
※その他の車両でもチャイルドシートの使用推奨
運転中の携帯電話の使用は厳禁。ただし、ハンズフリーであれば良い
国によって異なる交通規則
EU 諸国では、次のような分野で異なる規則が適用されています:
運転する際の血中アルコール濃度の上限(ゼロとしている国もあり)
道路や車両の種類ごとの速度制限(同じ国でも季節によって変わる場合もあり)
車両および自転車に必要な安全装備
昼間走行灯や、冬用タイヤ着装の義務
左側通行(アイルランド、キプロス、マルタ。EU国以外のヨーロッパではイギリス)
チャイルドシートが義務付けられる年齢や身長
国によって異なる上記のようなルールについては下記で確認を:
https://europa.eu/youreurope/citizens/travel/driving-abroad/road-rules-and-safety/index_en.htm#inline-nav-1
*海外に長期滞在する場合はIDP(国際免許証)が必要になる場合もあります。滞在期間の長短にかかわらず、念の為IDPを取得しておくと身分証明書ともなり、安心です。
参照ウェブサイト:
Your Europe/Driving abroad
RAC/Driving advice for every country in Europe
MT/Unusual road rules in Europe
https://living-in-eu.com/tidbit/highway-code-in-europe https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/08/06_2508_top.jpg https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/08/06_2508_top-150x150.jpg 2025-08-05T17:56:12+00:00 LiE 編集部 長期休暇の取りやすい国に住んでいると、車でヨーロッパ各国を回ってみたいと思われる方もいらっしゃることでしょう。多くの国で同じユーロ通貨が使えるし、外国語は賢いスマホアプリと義務教育で習った英語、そして度胸でなんとか乗り切れそう!
ただ一つ困ってしまうのは、各国で微妙に異なる交通法規。携帯電話を持ったままの運転や、シートベルト不着用での運転が不法であることは常識の範囲内ですが、中には意外なものもあります。今回はそんなルールをご紹介します。
Image by Malinaphotocz from Pixabay
異国の運転法規を理解することの重要性
安全で快適な運転ができるよう、出発前に訪れる国の運転規則を調べておくことはとても重要です。「同じヨーロッパだし、交通法規もそれほど違わないだろう」と思われるかもしれませんが、実際にはその国独自のルールがあることも少なくありません。例えば、左側通行のイギリスからやってきたドライバーの実に18%が海外で運転中にニヤミスを起こし、31%が空いた道路ではつい反対側を運転してしまったという経験があるといいます。
基本的なヨーロッパの運転規則はもちろんのこと、独特な国別の運転規則を把握して、罰金、罰則、予期しない出費、通院や入院などを回避することに努めましょう。
ヨーロッパ各国の少し変わった運転ルール
ヨーロッパを運転中に遭遇する可能性のある、独特の規則をいくつか見てみましょう。
イギリス:駐車、駐車場、渋滞税、排ガス税、ダートフォード・クロッシング通行料違反(PCN)に関する罰金
Image by Alexa from Pixabay
イギリスでは、駐車規則違反をしたり、渋滞税・排ガス税・通行料などが未払いの際に、罰金を伴う「反則金通知書(Penalty Charge Notice/PCN)」が発行されます。罰金は28日以内に支払うことが法律で定められていますが、14日以内に支払えば50%引きになります。逆に28日のデッドラインを過ぎても未払いの場合には罰金が50%増しとなり、それから14日以内に支払うようにとの連絡が届きます。それを過ぎると・・・いよいよ裁判沙汰となってしまいますので、罰金は無視せず早めに支払い、楽しい旅行を続けましょう。
ちなみに、スピード違反などの重要な違反には割引は一切ありませんので、ご注意を!
キプロス:運転中の飲食禁止
日本でよく知られる標語のように「乗ったら飲むな、飲むなら乗るな・・・」といわれたら、単に飲酒を避けることを意味すると思われるかもしれませんが、キプロスではなんと、これが水や食べ物にも適用されます。運転中にお菓子を食べたり、水を飲んだりしているのが見つかると、85ユーロの罰金が科せられることも!この国で運転をする場合は、食事や水分補給のためにも定期的に車を止めて休憩を取りましょう。
ギリシャ:運転中の喫煙禁止
ご多分にもれず、ギリシャにおいても喫煙の許される場所が徐々に減少してきています。自家用車も含め、車内喫煙は違法。また、罰金額は喫煙時に車内に12歳以下の子どもがいたかどうかで変わってきます。ギリシャ保健省には違反者通報用のホットラインもあるようですので、喫煙者の方は気をつけましょう!
スウェーデン、スロベニア、デンマーク、ノルウェー: 後退時にハザードランプを点灯
1年のうち長期間にわたって陽が差さず、視界の悪くなる多くの国で適用されるルール。車両を後退させる際に自動点灯するバックランプに頼るだけでは不十分なため、ハザードランプも点灯しないとなりません。特に混雑した場所や狭い場所において、視認性を高め、歩行者や他の道路利用者に警告するように作られたルールです。この習慣がない国から入国した場合にはつい見落としがちですが、遵守しないとその場で罰金が科せられる可能性もあります。
スペイン:20日以内に払うと罰金が半額に
スペイン旅行中に運悪く罰金を科せられたときに備えて知っておきたいルール。スペインの法律では、交通違反や行政罰を含む特定の罰金を早期に支払うと割引が受けられることになっています。罰金請求後20日以内に支払うと、合計金額の半額割引が受けられます。割引は罰金通知書に記載されている指示に従えば自動的に適用されますが、そもそも罰金を完全に回避するよう気をつける方が得策ですね。
スペインでは他にも、運転の際に視力矯正が必要なドライバーは、予備のメガネやコンタクトレンズを所持することが法で定められています。
スイス:日曜日の洗車は厳禁
Photo by Tima Miroshnichenko
スイスで高速道路を利用する際は、事前にビニエット(Vignette)のステッカーが貼られていないと罰金が科せられます。ビニエットは郵便局やガソリンスタンド、オンラインで購入(https://vignetteswitzerland.com)することができます。
交通違反の罰金は、たとえばスピード違反ならば、20〜260スイスフランと幅があります。これは、罰金額に違反者の収入が反映されるため。高額所得者の方はことさらに(!)気をつけないとなりませんね。
また、日曜日を休息日とする国は多いものの、スイスではこれがより厳粛に守られているようで、日曜日に車を手洗いしたり高圧洗浄機を使ったりすることは禁止されています。レンタカーの返却などでどうしても日曜日に洗車する必要がある場合は、洗車場に行きましょう。
デンマーク:車の下に人がいないか確認
他の国ではあまり聞いたことのないルールの1つかもしれませんが、ドライバーは、乗車前に車の下に人がいないかの確認をしないとなりません。都市部では多くの子どもたちが車の下で遊んだり隠れたりすることあるというのが理由だそうです。この簡単な確認で安全な出発が保証され、潜在的な事故を防ぐことができますね。
ドイツ:裸で運転してもオーケー!しかし・・・
ドイツでは自家用車の中は「プライベートスペース」とみなされるため、裸で運転することを禁止する特定の法律がありません。言い方を変えれば、服を着ずに運転しても咎められないということになります。ただし、一歩車から出たらそこは公共のスペースですから、裸は厳禁。また裸で運転すると集中力が損なわれたり、他のドライバーの気を散らしたりする可能性があるため、事故を防ぐためにも、それが合法なドイツだからといって服を脱ぐことはやめた方がいいかもしれません。
フィンランド:季節によって変わる制限速度
10月~3月の間、高速道路における制限速度は通常のマイナス20キロに変更されます。覚えておかないと、気付かぬうちに20キロオーバーのスピード違反となってしまいます。
フランス:廃止された規則
かつてフランスでは、すべての自動車およびオートバイのドライバーはセルフテスト用アルコール検知器の携帯が義務付けられており、違反すると罰金が科せられていました。しかし、このルールは2020年に廃止となっています。
とはいえ、警察は継続してドライバーの飲酒量のランダムチェックを行っていますので、油断は禁物です。
フランス:フロントガラスには排ガスレベルを示すステッカーを!
Image by Gerd Altmann from Pixabay
フランスの「低排出ガス地帯(Zone à Faibles Émissions/ZFE)」と呼ばれる車両乗り入れ制限地区では、車両に排ガスレベルを認定する「クリテール(Crit’Air)」のステッカーを貼ることが義務付けられています。汚染度によって1(ミニマム)から6(マキシマム)までの番号が振り分けられ、番号によっては乗り入れ不可となる都市もあるので注意しましょう。詳細はフランス環境連帯移行省のウェブサイト(フランス語、ドイツ語、英語)(https://www.certificat-air.gouv.fr)でご確認ください。
ベラルーシ:汚い車の運転禁止
Photo by Prateek Katyal on Unsplash
「汚い」の程度をどのように定義づけるのかは謎ですが、ブルガリアやロシアでも同様のルールがあるようです。
ポーランド:クマと運転は相性が悪い?
世界でも珍しいポーランドの運転法規の1つ、「クマを乗せて車を運転してはいけない」。この法律の背後にある理由は不明ですが、ポーランドではヒグマ(Brown Bear)は保護動物となっているので、そのためかもしれません。しかし、もしもクマを背負って運転している人がいたら、他の車を運転していようが歩いていようが、目撃した人たちは注意が削がれかなり危険。したがってポーランドで運転をする際には、道中、人の(クマの?)良さそうなクマがヒッチハイクをしていても断るのが賢明のようです。
余談ですが、「車中・車外にかかわらず、子ども公園の近くではクマのプーさんのTシャツは着用してはならない。その理由はパンツを履いていないプーさんの姿が “半裸” 認定されたから」とのニュースがポーランド以外の国々で大きく報じられたことがありました。実際には、ポーランド中部の小さな町トゥシン(Tuszyn)において、子ども公園のマスコットとしてプーさんが適切かどうかについて自治体で話し合いが持たれたときに、きちんと服を着たポーランドの人気アニメ「おやすみくまちゃん(Miś Uszatek)」に登場するキャラクター「ウシャテク(Uszatek)」の方がプーさんよりも適切なのではとの意見が出たというだけのことでした。しかも会議があったのは2014年のことなのに、なぜだかそれから7年も経ってから発覚し、かなり事実を捻じ曲げた内容で世界に拡散されてしまったとのことです。
ポルトガル: 予備燃料は携帯不可
安全上の理由から、ポルトガルではガソリン缶を車両に積むことが禁止されています。予備燃料が携帯できない上、都市部以外ではガソリンスタンドの営業時間が07:00 – 22:00と限定されているため、運転中はガス欠に要注意。レンタカーを利用の際、満タンで車を返却する契約になっている場合には特に気をつけましょう。契約不履行になると、予期しない料金が発生するなど、レンタカーデスクで面倒なことが起こる可能性があります。
マケドニア:助手席でも!?
ドライバーでなくとも、見るからに酔っぱらったように見える人が前の座席を陣取ることは違法です。シラフでも自分は酔っ払いの風貌かもしれないと心配されている方は念のため後部座席に座りましょう!
マルタ:方向指示器の使用は自分次第
すべての車両に方向指示器が装備されてはいるものの、マルタ共和国ではそれを使うことは強制されていません。周りの車両が突然車線を変更するということが普通に起きますので、気をつけましょう。
ヨーロッパを車で旅行する際の共通ルール
Photo by eberhard grossgasteiger
EU加盟国で発行された運転免許証は、EU内のどの国でも有効です。ただし、出かける前に運転免許証の期限内であることだけは確認しておきましょう。海外滞在中に運転免許証の有効期限が切れると自動的に無効となり、免許証として認識されない可能性があります。また、EU加盟国で発行された仮運転免許証であっても、外国では運転することはできません。
EU以外の国で発行された運転免許証を使ってEU域内を運転する予定がある場合には、念のため、その免許証が使用可能かどうか事前に訪問国の当局またはその国の大使館か領事館に問い合わせましょう。
道路交通規則と安全に関するEU加盟国共通の法律はありませんが、すべてのEU諸国に適用されるいくつかのルールがあります:
観光バスやミニバスを含むすべての車両でシートベルトを着用すること
車やトラックに乗る子どもは適切なチャイルドシートを使用のこと
※その他の車両でもチャイルドシートの使用推奨
運転中の携帯電話の使用は厳禁。ただし、ハンズフリーであれば良い
国によって異なる交通規則
EU 諸国では、次のような分野で異なる規則が適用されています:
運転する際の血中アルコール濃度の上限(ゼロとしている国もあり)
道路や車両の種類ごとの速度制限(同じ国でも季節によって変わる場合もあり)
車両および自転車に必要な安全装備
昼間走行灯や、冬用タイヤ着装の義務
左側通行(アイルランド、キプロス、マルタ。EU国以外のヨーロッパではイギリス)
チャイルドシートが義務付けられる年齢や身長
国によって異なる上記のようなルールについては下記で確認を:
https://europa.eu/youreurope/citizens/travel/driving-abroad/road-rules-and-safety/index_en.htm#inline-nav-1
*海外に長期滞在する場合はIDP(国際免許証)が必要になる場合もあります。滞在期間の長短にかかわらず、念の為IDPを取得しておくと身分証明書ともなり、安心です。
参照ウェブサイト:
Your Europe/Driving... LiE 編集部 LiE 編集部
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