
幸福になるカギは猫?
あなたの幸福度は高い方ですか、低い方ですか?そして、そもそも幸福度とはどのようにして図るのでしょう。経済学者たちは長年にわたり、国民の幸福度と、所得・国内総生産(GDP)・医療費といった社会経済的要因との間には強い相関関係があると提唱してきました。
研究者らは、幸福度には他にもより複雑な要因が関与している可能性があるのではと、猫の飼育が及ぼしうる影響について調査を行いました。研究チームは、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、中国、ロシアを含む全93カ国からデータを収集しました。

分析の結果は、非営利の科学・医学出版社である学術誌Plos Oneにて発表されました。それによると、幸福度は社会経済的要因だけでなく、生物学的・生態学的要因とも関連していることが判明し、国民1人あたりの猫の数が多い国ほど、幸福度が高いことが明らかに!
その理由の一つとして、猫が人々に寄り添って精神的な支えとなることで、全体的な幸福感を高めている可能性が挙げられます。コンパニオンアニマル(伴侶動物)を飼育できるだけの経済的余裕や生活環境が整っている社会は、そもそも幸福度が高い傾向にあるともいえるかもしれません。つまり、猫の存在が幸福感に寄与している可能性がある一方で、猫の多さが、より広範な社会経済的状況を示す指標になっているとも考えられます。

また、猫が媒介する寄生虫であるトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)にさらされるリスクが高い国では、その国の幸福度が低くなることも明らかになりました。これまでの研究でも、トキソプラズマ感染と、気分・認知・行動の変化や、いくつかの神経精神疾患との関連が指摘されています。となると、猫密度の高い国では幸福度が高いという一見矛盾するように見える現象はどう説明がつくのでしょう?
驚くべきことに、猫の密度が高い国ではトキソプラズマへの全体的な曝露率が低いことが明らかになったのです。猫の密度が高い国は、そうでない国に比べると経済的に豊かである傾向があり、多くの猫は室内飼され、安全な市販のキャットフードを食べ、獣医療を受けています。このような飼育環境の違いがこの「矛盾」の説明になる可能性が高いといえるでしょう。

© Anna Tarazevich
これまでのさまざまな研究でも、猫に限らず伴侶動物を飼育することは、心理的健康に大きく寄与するとされてきました。ペット(特に犬や猫)の存在は、孤独感の軽減、情緒的な絆の形成、ストレスの緩和、そして気分の改善をもたらす可能性が示唆されています。さらに、多くの社会においてペットは家族の一員とみなされ、その世話のあり方は、共感、余暇、そして動物との関係性に基づくウェルビーイング(幸福・健康)といった文化的価値観を反映しています。
したがって、ある社会や国におけるコンパニオンアニマルの数は、生活の質や、動物に関する社会規範を示す社会行動上の指標となりそうです。
余談ですが、2009年12月にアメリカ・マサチューセッツ州で、ある家族のペット猫が上級裁判の陪審員に選任されてしまったことがありました。飼い主夫妻は陪審員免除を申請し、その理由として「英語が話せない」の項目にチェックを入れたそうですが、その申請は却下されてしまいました。
結局、獣医師が彼は立派な家猫であるという診断書を書き、それを提出したことで無事、陪審員免除が認められたということです。どうやら、国勢調査があったときに、夫妻が家族のように可愛がっていた飼い猫の名前を「同居家族」の欄に記したことが原因のようでした。しかし、同居家族であることに間違いはないですね!

それはそれでかわいい猫の陪審員 AI Generated image
参考記事:PLOS One
https://living-in-eu.com/tidbit/key2happinesshttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/10/2610b_key2happiness_00-1.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/10/2610b_key2happiness_00-1-150x150.jpgあなたの幸福度は高い方ですか、低い方ですか?そして、そもそも幸福度とはどのようにして図るのでしょう。経済学者たちは長年にわたり、国民の幸福度と、所得・国内総生産(GDP)・医療費といった社会経済的要因との間には強い相関関係があると提唱してきました。 研究者らは、幸福度には他にもより複雑な要因が関与している可能性があるのではと、猫の飼育が及ぼしうる影響について調査を行いました。研究チームは、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、中国、ロシアを含む全93カ国からデータを収集しました。 Image by magnific 分析の結果は、非営利の科学・医学出版社である学術誌Plos Oneにて発表されました。それによると、幸福度は社会経済的要因だけでなく、生物学的・生態学的要因とも関連していることが判明し、国民1人あたりの猫の数が多い国ほど、幸福度が高いことが明らかに! その理由の一つとして、猫が人々に寄り添って精神的な支えとなることで、全体的な幸福感を高めている可能性が挙げられます。コンパニオンアニマル(伴侶動物)を飼育できるだけの経済的余裕や生活環境が整っている社会は、そもそも幸福度が高い傾向にあるともいえるかもしれません。つまり、猫の存在が幸福感に寄与している可能性がある一方で、猫の多さが、より広範な社会経済的状況を示す指標になっているとも考えられます。 Image by magnific また、猫が媒介する寄生虫であるトキソプラズマ(Toxoplasma gondii)にさらされるリスクが高い国では、その国の幸福度が低くなることも明らかになりました。これまでの研究でも、トキソプラズマ感染と、気分・認知・行動の変化や、いくつかの神経精神疾患との関連が指摘されています。となると、猫密度の高い国では幸福度が高いという一見矛盾するように見える現象はどう説明がつくのでしょう? 驚くべきことに、猫の密度が高い国ではトキソプラズマへの全体的な曝露率が低いことが明らかになったのです。猫の密度が高い国は、そうでない国に比べると経済的に豊かである傾向があり、多くの猫は室内飼され、安全な市販のキャットフードを食べ、獣医療を受けています。このような飼育環境の違いがこの「矛盾」の説明になる可能性が高いといえるでしょう。 © Anna Tarazevich これまでのさまざまな研究でも、猫に限らず伴侶動物を飼育することは、心理的健康に大きく寄与するとされてきました。ペット(特に犬や猫)の存在は、孤独感の軽減、情緒的な絆の形成、ストレスの緩和、そして気分の改善をもたらす可能性が示唆されています。さらに、多くの社会においてペットは家族の一員とみなされ、その世話のあり方は、共感、余暇、そして動物との関係性に基づくウェルビーイング(幸福・健康)といった文化的価値観を反映しています。 したがって、ある社会や国におけるコンパニオンアニマルの数は、生活の質や、動物に関する社会規範を示す社会行動上の指標となりそうです。 余談ですが、2009年12月にアメリカ・マサチューセッツ州で、ある家族のペット猫が上級裁判の陪審員に選任されてしまったことがありました。飼い主夫妻は陪審員免除を申請し、その理由として「英語が話せない」の項目にチェックを入れたそうですが、その申請は却下されてしまいました。 結局、獣医師が彼は立派な家猫であるという診断書を書き、それを提出したことで無事、陪審員免除が認められたということです。どうやら、国勢調査があったときに、夫妻が家族のように可愛がっていた飼い猫の名前を「同居家族」の欄に記したことが原因のようでした。しかし、同居家族であることに間違いはないですね! それはそれでかわいい猫の陪審員 AI Generated image 参考記事:PLOS OneLiE 編集部LiE 編集部 toyo@a-concept.co.ukAdministrator欧州移住の正解が見つかる | Living in Europe - 住まい・教育・医療の総合ポータル


