毎日のように口にしている食べ物がなぜおいしいのか考えたことはあるでしょうか?それは、非常に高い食品安全基準を持つEUの規則のおかげといえるかもしれません。ヨーロッパで売られている食品は、おいしいだけでなく、安全が保証されています。

食品ラベルの重要性と意義

ヨーロッパの食品店やスーパーマーケットで手にする食材のラベルにプリントされた小さな文字。そこには一体何が記されているのでしょう。

食品ラベルはEUの規則に沿って、使用されている原材料が量の多い順に並んでいます。アレルゲンが強調され、栄養成分や原産国、使用期限、賞味期限、保管方法までが記載されており、自分や家族に合った食材を購入することができるのです。

EUの食品法によって確立されているのは、「安全な食品」と「正確かつ正直な情報に対する消費者の権利」。消費者は、ラベル表示の規則によって食品の含有量と組成に関する包括的な情報を得ることができ、それに基づいた選択をすることが可能となります。

PDOとPGI

Image by freepik

EUに加盟している27カ国で生産・消費される食品や飲料は、膨大かつ多様なヨーロッパの遺産。EUでは、地理的表示を通して特定の食品および飲料の名称(特定のオリーブ油や酢、果物、野菜、チーズ、蒸留酒、肉製品など)が保護されています。フランスのシャンパン、イタリアのパルマハム、スペインのマンチェゴチーズ、ギリシャのカラマタオリーブは、国際的な評判を獲得しているEUの農産物からできた製品のほんの一例です。

食べ物や飲み物を購入するときは、「保護原産地呼称(Protected Designation of Origin/PDO)」と「保護地理的表示(Protected Geographical Indication/PGI)」にも注目してみましょう。知的財産権ともいえる地理的表示のラベルは、特定の場所で生産され、独自の特性を持ち、伝統的な方法で作られ、法的に保護された製品であることを証明しています。

PDOとPGIのほかにも、EUの山岳地帯で生産されたことを意味する「山岳製品(Mountain Product)」、生産場所に関係なく、生産方法と製品の独自の特性を強調する「伝統的特殊品保証(Traditional Speciality Guaranteed/TSG)」などがあります。

EUのオーガニックロゴ

Dusan Milenkovic, europäische Kommission, Public domain, via Wikimedia Commons

EUのオーガニック製品は、環境、生物多様性、動物福祉に配慮した天然物質とプロセスを使用して生産されています。畑から食卓に至るまで厳格な規則に従っている有機農業の製品にはオーガニックロゴが付いており、簡単に見分けることができます。このロゴが使えるのは、最終製品に少なくとも 95% のオーガニック成分が含まれている製品のみ!

農家を支えるEU

農家や農業企業、森林管理業者、農村部の非農業中小企業、農村開発や環境的に持続可能な取り組みを行う地域団体は、EU​​の共通農業政策(Common Agricultura Policy/CAP)から資金の提供を受け取ることができます。CAPは、食料の安定供給を確保し、農家の収入を守り、環境を保護し、農村地域の活気を維持することを目的として1962年に発足。EU全域の若い農家に積極的に投資し、彼らのビジネスアイデアの実現を支援しています。一定の義務は果たさなければならないものの、そのメリットは非常に大きいとされています。

CAPはまた、EU全域の農村地域と景観を維持し、農家のみならず、農産食品産業や関連部門の雇用を促進することで、農村経済を存続させる努力を継続しています。

食品ロスをなくす

Image by macrovector on Magnific

食料の無駄は天然資源に不必要な圧力がかかり、食料安全保障に影響を与えることから、 EUは、食品ロスと食品廃棄物の防止および削減を目指しています。食品廃棄物、あるいは消費者に届く前の段階であっても、発生する食品ロスは世界的な課題。国連食糧農業機関 (Food and Agriculture Organization of the United Nations/FAO)によると、世界中で生産される食料の約3分の1が、食料サプライチェーンのある時点で失われるか、廃棄されているといいます。

EUにおいては、食品廃棄物の50%以上が家庭から出ており、これは、生産または加工中に発生する食品廃棄物のほぼ2倍に相当します。非効率な食品サプライチェーンや消費の状況は、環境、経済、社会に大きな悪影響を与えます。そのためEUとその加盟国は、2030年までに、生産およびサプライチェーンでの食品ロスを削減し、小売および消費者レベルにおける一人当たりの食品廃棄物を半減するという国連の持続可能な開発目標に取り組んでいます。この取り組みを加速させるため、EUでは食品のロスと廃棄を制限するための具体的な措置を導入しています。

EU加盟国が実施すべき最初の措置は「予防」ですが、予防が不可能な場合には、食品の「再利用」や「リサイクル」、また、他の目的に使用する措置を講じるべきとしています。

1. 予 防:そもそもの食品ロスや食品廃棄物をなくす
2. 再利用:再流通やフードバンクを通した人間の消費用として、あるいは動物の飼料として再利用
3. リサイクル:副産物を回収し、堆肥化などを通して栄養素を再利用
4. リカバー:エネルギー回収を伴う焼却

ヨーロッパの食べ物の安全度

EUでは、栽培される畑から販売される棚までしっかりと管理されているため、食の安全性は世界でもトップクラスといえるでしょう。これはまた、すべての輸入食品と飼料に関しても等しく当てはまります。輸入品がEU内で生産された食品と同様の高い基準を確実に満たすよう、強力な公的管理システムが導入されています。

欧州食品安全機関(European Food Safety Authority/EFSA)の科学者たちは、独立したリスク評価と科学的アドバイスを提供しています。EUの規則では、すべての製品についてサプライチェーンを通して追跡することができるため、問題が発生したらすぐに特定し、排除することができます。

食品添加物のEナンバーとは

通称「Eナンバー」と呼ばれる食品添加物。これらには悪いイメージもありますが、食品の鮮度を保ち、安全に保管し、味や食感、外観を改善するためにも使われます。

添加物は「その他の成分」としてラベルに記載され、着色料、保存料、酸化防止剤、安定剤などの機能名と、その後に特定の名前またはE番号が表示されます。クエン酸(Citric Acid)、アスパルテーム(Aspartame)、E-330といったものがラベルに記載されているのを見たことがある方もいるかもしれません。

EUでは添加物も厳しく規制されています。EUの法律で定義される添加物とは、「通常は、単独で食品として消費されない」、「通常は、特徴的な成分として使用されない」物質を指します。意図的に添加されるのは、保存、着色、安定化などの機能を実行するためです。また、食品添加物は「消費者にとってメリットがなければならない」と規定され、次のうち一つ以上の目的を果たしていなければなりません。

1. 栄養の質を保つ
2. 特別な食事のニーズを満たす
3. 保存期間、安定性、または感覚的品質(外観、味、質感)の改善
4. 食品の生産、包装、保管を安全かつ衛生的に促進

ヨーロッパの豊かな食の遺産

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ラップランドから地中海に至るまでの多様な風景と何世代にもわたる伝統によって形作られているヨーロッパの豊かな食の遺産。地の利と文化のユニークな組み合わせにより、高い食品安全基準に裏付けられた特有の風味が生み出されます。

参照ウェブサイト:European Union/Stories

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/06/13_2606_eufood_top.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/06/13_2606_eufood_top-150x150.jpgLiE 編集部毎日のように口にしている食べ物がなぜおいしいのか考えたことはあるでしょうか?それは、非常に高い食品安全基準を持つEUの規則のおかげといえるかもしれません。ヨーロッパで売られている食品は、おいしいだけでなく、安全が保証されています。 食品ラベルの重要性と意義 ヨーロッパの食品店やスーパーマーケットで手にする食材のラベルにプリントされた小さな文字。そこには一体何が記されているのでしょう。 食品ラベルはEUの規則に沿って、使用されている原材料が量の多い順に並んでいます。アレルゲンが強調され、栄養成分や原産国、使用期限、賞味期限、保管方法までが記載されており、自分や家族に合った食材を購入することができるのです。 EUの食品法によって確立されているのは、「安全な食品」と「正確かつ正直な情報に対する消費者の権利」。消費者は、ラベル表示の規則によって食品の含有量と組成に関する包括的な情報を得ることができ、それに基づいた選択をすることが可能となります。 PDOとPGI Image by freepik EUに加盟している27カ国で生産・消費される食品や飲料は、膨大かつ多様なヨーロッパの遺産。EUでは、地理的表示を通して特定の食品および飲料の名称(特定のオリーブ油や酢、果物、野菜、チーズ、蒸留酒、肉製品など)が保護されています。フランスのシャンパン、イタリアのパルマハム、スペインのマンチェゴチーズ、ギリシャのカラマタオリーブは、国際的な評判を獲得しているEUの農産物からできた製品のほんの一例です。 食べ物や飲み物を購入するときは、「保護原産地呼称(Protected Designation of Origin/PDO)」と「保護地理的表示(Protected Geographical Indication/PGI)」にも注目してみましょう。知的財産権ともいえる地理的表示のラベルは、特定の場所で生産され、独自の特性を持ち、伝統的な方法で作られ、法的に保護された製品であることを証明しています。 PDOとPGIのほかにも、EUの山岳地帯で生産されたことを意味する「山岳製品(Mountain Product)」、生産場所に関係なく、生産方法と製品の独自の特性を強調する「伝統的特殊品保証(Traditional Speciality Guaranteed/TSG)」などがあります。 EUのオーガニックロゴ Dusan Milenkovic, europäische Kommission, Public domain, via Wikimedia Commons EUのオーガニック製品は、環境、生物多様性、動物福祉に配慮した天然物質とプロセスを使用して生産されています。畑から食卓に至るまで厳格な規則に従っている有機農業の製品にはオーガニックロゴが付いており、簡単に見分けることができます。このロゴが使えるのは、最終製品に少なくとも 95% のオーガニック成分が含まれている製品のみ! 農家を支えるEU 農家や農業企業、森林管理業者、農村部の非農業中小企業、農村開発や環境的に持続可能な取り組みを行う地域団体は、EU​​の共通農業政策(Common Agricultura Policy/CAP)から資金の提供を受け取ることができます。CAPは、食料の安定供給を確保し、農家の収入を守り、環境を保護し、農村地域の活気を維持することを目的として1962年に発足。EU全域の若い農家に積極的に投資し、彼らのビジネスアイデアの実現を支援しています。一定の義務は果たさなければならないものの、そのメリットは非常に大きいとされています。 CAPはまた、EU全域の農村地域と景観を維持し、農家のみならず、農産食品産業や関連部門の雇用を促進することで、農村経済を存続させる努力を継続しています。 食品ロスをなくす Image by macrovector on Magnific 食料の無駄は天然資源に不必要な圧力がかかり、食料安全保障に影響を与えることから、 EUは、食品ロスと食品廃棄物の防止および削減を目指しています。食品廃棄物、あるいは消費者に届く前の段階であっても、発生する食品ロスは世界的な課題。国連食糧農業機関 (Food and Agriculture Organization of the United Nations/FAO)によると、世界中で生産される食料の約3分の1が、食料サプライチェーンのある時点で失われるか、廃棄されているといいます。 EUにおいては、食品廃棄物の50%以上が家庭から出ており、これは、生産または加工中に発生する食品廃棄物のほぼ2倍に相当します。非効率な食品サプライチェーンや消費の状況は、環境、経済、社会に大きな悪影響を与えます。そのためEUとその加盟国は、2030年までに、生産およびサプライチェーンでの食品ロスを削減し、小売および消費者レベルにおける一人当たりの食品廃棄物を半減するという国連の持続可能な開発目標に取り組んでいます。この取り組みを加速させるため、EUでは食品のロスと廃棄を制限するための具体的な措置を導入しています。 EU加盟国が実施すべき最初の措置は「予防」ですが、予防が不可能な場合には、食品の「再利用」や「リサイクル」、また、他の目的に使用する措置を講じるべきとしています。 1. 予 防:そもそもの食品ロスや食品廃棄物をなくす 2. 再利用:再流通やフードバンクを通した人間の消費用として、あるいは動物の飼料として再利用 3. リサイクル:副産物を回収し、堆肥化などを通して栄養素を再利用 4. リカバー:エネルギー回収を伴う焼却 ヨーロッパの食べ物の安全度 EUでは、栽培される畑から販売される棚までしっかりと管理されているため、食の安全性は世界でもトップクラスといえるでしょう。これはまた、すべての輸入食品と飼料に関しても等しく当てはまります。輸入品がEU内で生産された食品と同様の高い基準を確実に満たすよう、強力な公的管理システムが導入されています。 欧州食品安全機関(European Food Safety Authority/EFSA)の科学者たちは、独立したリスク評価と科学的アドバイスを提供しています。EUの規則では、すべての製品についてサプライチェーンを通して追跡することができるため、問題が発生したらすぐに特定し、排除することができます。 食品添加物のEナンバーとは 通称「Eナンバー」と呼ばれる食品添加物。これらには悪いイメージもありますが、食品の鮮度を保ち、安全に保管し、味や食感、外観を改善するためにも使われます。 添加物は「その他の成分」としてラベルに記載され、着色料、保存料、酸化防止剤、安定剤などの機能名と、その後に特定の名前またはE番号が表示されます。クエン酸(Citric Acid)、アスパルテーム(Aspartame)、E-330といったものがラベルに記載されているのを見たことがある方もいるかもしれません。 EUでは添加物も厳しく規制されています。EUの法律で定義される添加物とは、「通常は、単独で食品として消費されない」、「通常は、特徴的な成分として使用されない」物質を指します。意図的に添加されるのは、保存、着色、安定化などの機能を実行するためです。また、食品添加物は「消費者にとってメリットがなければならない」と規定され、次のうち一つ以上の目的を果たしていなければなりません。 1. 栄養の質を保つ 2. 特別な食事のニーズを満たす 3. 保存期間、安定性、または感覚的品質(外観、味、質感)の改善 4. 食品の生産、包装、保管を安全かつ衛生的に促進 ヨーロッパの豊かな食の遺産 Image by...欧州13カ国のリアルな生活情報を網羅。プラハやワルシャワの最新トレンドから、スイスの高度な医療、オランダの住宅事情まで。移住検討者が「一番知りたかった」一次情報を、データと現地の声で届けます。