「イギリスチーズの王様(The King of English Cheese)」、そして時には「真の意味でのイギリス(Quintessentially English)」と評される「ブルースティルトン(Blue Stilton)」。日本のチーズ愛好家の間でも世界三大ブルーチーズのひとつに挙げられ、世界的にもそのブランド力を誇るチーズです。

イギリス国内で広く知られるようになったのは18世紀。当時、交通の要衝であったケンブリッジシャースティルトン村にあった当時の馬車宿「Bell Inn(現在のBell Inn Hotel)」で供されていたことがきっかけとなり、当時のロンドンでは「スティルトン村のチーズ」として流通したといわれています。

かつてグレート・ノース・ロード沿いに軒を連ねていた数多くの名門宿屋の一つ、スティルトンのBell Inn © Toby Speight/The Bell at Stilton

「スティルトン」という名称自体はチーズを有名にしたその村の名前に由来していますが、実際の生産地は、実はケンブリッジシャーのスティルトン村ではなく、その北西に位置するレスターシャー。1996年にPDO(原産地名称保護)認証を受けたことにより、現在の生産地はイギリス中部のレスターシャー、ノッティンガムシャー、ダービーシャーの3州に限定されています。

ポークパイ(左)、ロンドン市内にあるイギリスチーズ専門店でのスティルトンディスプレイ © Culture & Culture

これらの地域は伝統的なチーズの生産地であるだけでなく、イギリスを代表する保存食の一つであるポークパイの発祥地であることでも知られています。スティルトンとポークパイという2つの伝統的な食品文化が交差するレスターシャー内のマーケットタウン、メルトン・モーブレー(Melton Mowbray)*に位置するセント・メアリーズ教会では、この2つの伝統食文化を讃えるべく、毎年3月にポークパイ、5月にはアルチザンチーズの品評会である「アルチザンチーズ・アワード(Artisan Cheese Awards)」が開催されています。

ポークパイの老舗として知られる、メルトン・モーブレーにあるYe Olde Pork Pie Shoppe © Culture & Culture

アルチザンチーズ・アワードでは、イギリス産とアイルランド産のさまざまなアルチザンチーズ(伝統的な製法で職人技を活かした小規模生産のチーズ)がずらりと並ぶ中、ブルースティルトン生産者の品質の違いを審査する、ブルースティルトン限定審査カテゴリーが設けられています。ブルースティルトンだけが並ぶその審査テーブルには、どこか荘厳な雰囲気が漂い、この地域の「スティルトン」というチーズに対する誇りを感じます。

セント・メアリーズ教会で毎年開催されるアルチザンチーズ・アワード © Culture & Culture

*メルトン・モーブレーはイギリスではスティルトンチーズとポークパイの発祥地として知られています。メルトン・モーブレー・ポークパイは、PGI(地理的表示保護)認証を受けており、伝統製法と地域性が守られています。

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/05/13_2605_stilton_top.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/05/13_2605_stilton_top-150x150.jpgLiE 編集部「イギリスチーズの王様(The King of English Cheese)」、そして時には「真の意味でのイギリス(Quintessentially English)」と評される「ブルースティルトン(Blue Stilton)」。日本のチーズ愛好家の間でも世界三大ブルーチーズのひとつに挙げられ、世界的にもそのブランド力を誇るチーズです。 イギリス国内で広く知られるようになったのは18世紀。当時、交通の要衝であったケンブリッジシャーのスティルトン村にあった当時の馬車宿「Bell Inn(現在のBell Inn Hotel)」で供されていたことがきっかけとなり、当時のロンドンでは「スティルトン村のチーズ」として流通したといわれています。 かつてグレート・ノース・ロード沿いに軒を連ねていた数多くの名門宿屋の一つ、スティルトンのBell Inn © Toby Speight/The Bell at Stilton 「スティルトン」という名称自体はチーズを有名にしたその村の名前に由来していますが、実際の生産地は、実はケンブリッジシャーのスティルトン村ではなく、その北西に位置するレスターシャー。1996年にPDO(原産地名称保護)認証を受けたことにより、現在の生産地はイギリス中部のレスターシャー、ノッティンガムシャー、ダービーシャーの3州に限定されています。 ポークパイ(左)、ロンドン市内にあるイギリスチーズ専門店でのスティルトンディスプレイ © Culture & Culture これらの地域は伝統的なチーズの生産地であるだけでなく、イギリスを代表する保存食の一つであるポークパイの発祥地であることでも知られています。スティルトンとポークパイという2つの伝統的な食品文化が交差するレスターシャー内のマーケットタウン、メルトン・モーブレー(Melton Mowbray)*に位置するセント・メアリーズ教会では、この2つの伝統食文化を讃えるべく、毎年3月にポークパイ、5月にはアルチザンチーズの品評会である「アルチザンチーズ・アワード(Artisan Cheese Awards)」が開催されています。 ポークパイの老舗として知られる、メルトン・モーブレーにあるYe Olde Pork Pie Shoppe © Culture & Culture アルチザンチーズ・アワードでは、イギリス産とアイルランド産のさまざまなアルチザンチーズ(伝統的な製法で職人技を活かした小規模生産のチーズ)がずらりと並ぶ中、ブルースティルトン生産者の品質の違いを審査する、ブルースティルトン限定審査カテゴリーが設けられています。ブルースティルトンだけが並ぶその審査テーブルには、どこか荘厳な雰囲気が漂い、この地域の「スティルトン」というチーズに対する誇りを感じます。 セント・メアリーズ教会で毎年開催されるアルチザンチーズ・アワード © Culture & Culture *メルトン・モーブレーはイギリスではスティルトンチーズとポークパイの発祥地として知られています。メルトン・モーブレー・ポークパイは、PGI(地理的表示保護)認証を受けており、伝統製法と地域性が守られています。欧州13カ国のリアルな生活情報を網羅。プラハやワルシャワの最新トレンドから、スイスの高度な医療、オランダの住宅事情まで。移住検討者が「一番知りたかった」一次情報を、データと現地の声で届けます。