ヨーロッパ産チーズあれこれ
Vol.8 ブリア・サヴァラン
伝統的なフランスチーズの名称は、原産地に由来するものが多いのですが、著名な人物の名前がそのままチーズ名になったものがあります。 フランスの政治家であり思想家、そして美食家としても知られるブリア・サヴァラン(1755年〜1826年)。名著『美味礼讃』で、美食に関する理論を唱え、「日頃何を食べているのかを聞けば、その人物の人となりが分かる」や、「チーズのないデザートは、点睛を欠いた美女のようなもの(意訳)」など、後世に伝わる名言を残しています。 時代の流れに合わせ日本語版も新訳が刊行されるブリア・サヴァランの名著『美味礼讃』…
Vol.7 ワールドチーズアワード
世界最大規模の国際チーズコンクールであるワールドチーズアワード、通称WCA。毎年11月中旬にヨーロッパのどこかの都市で3日間にわたって開催されます。 第37回目となる2025年大会の開催地は、スイスの首都、ベルン。前年のポルトガル、ヴィゼウ大会を大きく上回る、世界46カ国から5,244種のチーズが出品されました。 審査日の前日夕方、出品チーズの最終チェックが念入りに行われる…
Vol.6 穴のあいた伸びるチーズ
チーズといえば、多くの人はボディ内部に丸い穴がいくつもあいているチーズを思い描くことでしょう。世界に数あるチーズの中で、見事、万国に共通するチーズのアイコンとなったのが「エメンタール」。その発祥地は、スイスの首都であるベルンの北東にある、エメン渓谷近郊のエメンタール地方(「Emme」は川名で「Tal」はドイツ語で谷を意味します)。ドイツ語圏では「エメンターラー」と呼ばれ、スイスの原産のもののラベルには「エメンターラー(Emmentaler)」と書かれています。 …
Vol.5 樹皮の帯を巻いたチーズ
木枠に収まったトロトロのチーズ、通称「モン・ドール(Mont d’Or)」。世界のチーズファンの間で人気が定着してきています。 アルプス山脈の西端、フランスとスイスの国境に位置するジュラ山脈周辺で、両国で生産されているこのチーズ名の由来は、ジュラ山脈にある「黄金の山」という意味のモン・ドール山。秋から冬の季節限定で生産され、夏の放牧を終え、下山してきた牛のミルクから作られます。…
Vol.4 ブラのチーズ祭典
1986年にイタリアで始まった「スローフード運動」。地域に根付いた伝統的な食文化と農産物の消失、ファストフードの台頭を憂い、誰もが良い物を食べる喜びを享受でき、環境に負荷をかけない食の生産、食をとりまく公正な社会の創生を目指すことを提唱した社会運動です。 今ではこの運動も世界中に広がり、イタリアを本拠地とする非営利団体「スローフード協会」が発足しました。日本を含め多くの国々にも運営機関が存在しています。 イタリア北部、ロンバルディア州産の伝統チーズStorico…
Vol.3 フレッシュチーズ
夏真っ盛りのヨーロッパ。乳を固めて水分を抜いただけで、熟成による重厚感や複雑なうまみはありませんが、後味がさっぱりとして、瑞々しい「フレッシュチーズ」がおいしく感じられる季節です。 これといったしっかりとした形がなく、純白なチーズのほとんどがフレッシュチーズと称されています。ヨーロッパでは、牛だけでなく、山羊や羊、さらには2〜3種の異なる動物のミルクを混ぜた各土地特有の混乳製フレッシュチーズなど、多種多様なものが生産されています。 フレッシュトマトとフルーツのインサラータ・カプレーゼ…
Vol.2 プロヴァンス – 究極のご当地チーズ
南フランスのプロヴァンス地方と聞くと、多くの方が美しいラベンダー畑を真っ先に思い浮かべることでしょう。 チーズの世界では、春から夏にかけてのプロヴァンス地方といえば究極のご当地チーズ「ブルス・ド・ローヴ(Brousse du…
Vol.1 チェダーチーズとは何?
今では世界中の国々で生産されているチェダーチーズ。 日本のスーパーマーケットのチーズコーナーでも「チェダー」という文字をよく目にします。 しかし、…










