南フランスのプロヴァンス地方と聞くと、多くの方が美しいラベンダー畑を真っ先に思い浮かべることでしょう。

チーズの世界では、春から夏にかけてのプロヴァンス地方といえば究極のご当地チーズ「ブルス・ド・ローヴ(Brousse du Rove AOP)」。この時季にこの地を訪れる方には、ぜひとも試していただきたい一品です。

同地方の土着品種であるヤギのミルクを、熱と酸(酢)の力のみで凝乳させた究極のフレッシュチーズで、ミルクの質がダイレクトにチーズの味わいとなっています。ヤギはローヴ種のみと指定されており、生産後7日以内に食すことが鉄則とされ、シンプルな製法だからこそプロヴァンス地方でしか味わうことのできないとてもユニークなチーズです。

ミルクを熟成させずに凝乳させただけのフレッシュチーズは、長距離輸送をすると味わいが少しずつ劣化してしまいます。ブルス・ド・ローヴは特に長距離輸送そのものが困難です。

大都市であるマルセイユでは、春から初夏のシーズンになると、チーズ専門店だけでなくマルシェやデリなどでも手軽に手に入れることができ、小さな食品店などでは誇らしげに「ブルス・ド・ローヴ、あります」という看板を軒先に出していることもあります。地元の人たちは、通常5本セットで購入するようですが、少し小洒落たデリなどでは、イートインで1本ずつ提供していることも。

店員さんが親切に、「お塩?それともお砂糖?」と聞いてくるところをみると、これが地元流のいただき方なのでしょう。食べてみると、口当たりはふわふわとしており、ミルキーな甘さの中にちょっとしたハーブのようなニュアンスも。ヤギ臭さもほとんどなく、酸味も穏やかで、とても新鮮でクリーンな味わいです。

となると、いやいやこれは塩も砂糖も不要!このままでプロヴァンスの味そのものを楽しみたいと思うことでしょう。

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/06/02_2506_01_top.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/06/02_2506_01_top-150x150.jpgLiE特別寄稿シリーズ南フランスのプロヴァンス地方と聞くと、多くの方が美しいラベンダー畑を真っ先に思い浮かべることでしょう。 チーズの世界では、春から夏にかけてのプロヴァンス地方といえば究極のご当地チーズ「ブルス・ド・ローヴ(Brousse du Rove AOP)」。この時季にこの地を訪れる方には、ぜひとも試していただきたい一品です。 同地方の土着品種であるヤギのミルクを、熱と酸(酢)の力のみで凝乳させた究極のフレッシュチーズで、ミルクの質がダイレクトにチーズの味わいとなっています。ヤギはローヴ種のみと指定されており、生産後7日以内に食すことが鉄則とされ、シンプルな製法だからこそプロヴァンス地方でしか味わうことのできないとてもユニークなチーズです。 ミルクを熟成させずに凝乳させただけのフレッシュチーズは、長距離輸送をすると味わいが少しずつ劣化してしまいます。ブルス・ド・ローヴは特に長距離輸送そのものが困難です。 大都市であるマルセイユでは、春から初夏のシーズンになると、チーズ専門店だけでなくマルシェやデリなどでも手軽に手に入れることができ、小さな食品店などでは誇らしげに「ブルス・ド・ローヴ、あります」という看板を軒先に出していることもあります。地元の人たちは、通常5本セットで購入するようですが、少し小洒落たデリなどでは、イートインで1本ずつ提供していることも。 店員さんが親切に、「お塩?それともお砂糖?」と聞いてくるところをみると、これが地元流のいただき方なのでしょう。食べてみると、口当たりはふわふわとしており、ミルキーな甘さの中にちょっとしたハーブのようなニュアンスも。ヤギ臭さもほとんどなく、酸味も穏やかで、とても新鮮でクリーンな味わいです。 となると、いやいやこれは塩も砂糖も不要!このままでプロヴァンスの味そのものを楽しみたいと思うことでしょう。