https://living-in-eu.com/cheese/202510_vol6_emmentalhttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/10/2510_emmenter-top.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/10/2510_emmenter-top-150x150.jpgLiE 編集部チーズといえば、多くの人はボディ内部に丸い穴がいくつもあいているチーズを思い描くことでしょう。世界に数あるチーズの中で、見事、万国に共通するチーズのアイコンとなったのが「エメンタール」。その発祥地は、スイスの首都であるベルンの北東にある、エメン渓谷近郊のエメンタール地方(「Emme」は川名で「Tal」はドイツ語で谷を意味します)。ドイツ語圏では「エメンターラー」と呼ばれ、スイスの原産のもののラベルには「エメンターラー(Emmentaler)」と書かれています。
世界各地で、穴のあるハードチーズが「エメンタール」、または「スイスチーズ」という名で製造、販売されるようになりましたが、世界のチーズファンの間で知られる「ヤールスバーグ(Jarlsberg)」も、元々はエメンタール製法の流れを汲むものです。
元祖であるスイスのエメンタールは、直径80~100センチメートル、重さは100キロ前後、大きいものになると120キロほどにもなります。大きさという面では当然、紛れもなく世界一。
エメンタールのシンボルである小さな丸い穴は、プロピオン酸菌というバクテリアが特別な熟成環境で活発に活動して炭酸ガスを出し、それがチーズ内に閉じ込められることで形成されたもので「チーズアイ」と呼ばれます。この種のチーズに共通する甘いナッツのような風味は、その特殊な微生物の活動に起因しています。
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エメンタールはまた、アルプス山脈近郊の伝統郷土料理ともいえるチーズフォンデュには欠かすことのできないチーズ。フォンデュはフランスやドイツといった近隣諸国だけでなく、アメリカなど世界中に広まりました。
加熱して溶けた際に糸を引くようになめらかに長く伸びるのもこのスタイルのチーズの特徴で、グラタンスープのチーズにエメンタールを使用すると、スルスルとチーズが伸び、まるで麺類のようになります。
エメンタールを使ったお料理をいただく際は、伸ばしてみると食べる楽しさも増すことでしょう!LiE 編集部LiE 編集部toyo@a-concept.co.ukAdministratorLiving in Europe