ポーランド西部に位置するポズナン。その起源は古く、10世紀にまでさかのぼります。その当時に建てられた大聖堂(Katedra Poznańska)の地下墓地/カタコンベにはポーランド初代君主らが眠っています。

街のあちこちで見られるヤギの置物は、場所によって色が違う © Tomomi Splisgart

そんなポズナンの観光スポットといえば、旧市場広場。広場に並ぶ建物はカラフルでかわいらしく、あたり一帯はまるでおとぎの国のよう。中央にそびえる旧市庁舎の時計台からは、正午と午後3時に、角を突き合わせる2匹のヤギが姿を現します。伝説によると、1551年にこの市庁舎に大時計が設置された際、その記念の宴に調理されるはずだった2匹のヤギが逃げ出して、塔を上って小突き合いを始めたのだとか。ルネッサンス様式の旧市庁舎の中は博物館になっており、ポズナンの長い歴史を知ることができます。

ポーランドをはじめヨーロッパ各地の豊富なコレクションが見られる国立美術館 © Tomomi Splisgart

アートが好きな方は、旧市場広場の側にある国立美術館(Muzeum Narodowe)へ。目玉は、フランスを代表する画家クロード・モネの作品『プールヴィルの海岸(La plage à Pourville, Soleil Couchant)』(1882年)。2000年に、一度盗難に遭いましたが、10年後無事に発見され、今も日々来場者の目を楽しませてくれています。

王宮を背にしたプシェミスワフ二世の像 © Tomomi Splisgart

その近くには13世紀の王宮を利用した応用芸術博物館(Muzeum Sztuk Użytkowych)があります(現在の建物は2013年に復元されたもの)。2026年5月には、当時のポーランド王でこの王宮の建設にも関わった、プシェミスワフ二世の像の除幕式が行われました。

「皇帝の居城」と呼ばれるポズナン城(左)、聖マルチンを模したイルミネーション(右) © Tomomi Splisgart

11月11日はポーランド独立記念日。ポーランドではそれぞれの日に聖人の名前が割り当てられていますが、ポズナンでは街の中心部を貫く聖マルチン大通り(Św. Marcin)の「名前の日」を盛大に祝います。聖マルチンが先導するパレードの最終地点は1910年に建設されたポズナン城(Zamek Cesarski – 皇帝の居城の意)。最後のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世ホーエンツォレルンのために建てられた居城です。現在は文化センターとして、劇場やコンサートホール、展示室が設置されています。

最近では一年中食べられるのが嬉しい、ポズナン名物「聖マルチンのロガル」 © Tomomi Splisgart

催し物のほかに忘れてはならないのが「聖マルチンのロガル(Rogal świętomarciński)」。ケシの実ペーストのたっぷり入った大きなクロワッサンですが、その重さは200~250グラムもあります。19世紀末、聖マルチン教区の神父の呼びかけに応じて、貧しい人々に菓子を配ったのがその始まりだとか。

オペラだけでなく、バレエも上演されるオペラ劇場 © Tomomi Splisgart

ほかにも、荘厳なオペラ劇場(Teatr Wielki)、パイプオルガンのコンサートが聴けるファラ教会(Fara Poznańska)、毎年6月に音楽フェスティバルが行われるマルタ湖(Jezioro Maltańskie)、平和の鐘のあるツィタデラ公園(Park Cytadela)など見どころはたくさん。5年に一度、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールが開催される街でもあります(2026年は10月8日〜25日に開催)。一度訪れてみてはいかがでしょうか。

オペラ劇場の向かいにある公園でのんびりと過ごす人たち © Tomomi Splisgart

投稿者プロフィール

スプリスガルト 友美
スプリスガルト 友美
東京外国語大学ポーランド語専攻卒業後、結婚を機に2002年よりポーランドのポズナン在住。バルト海沿岸にあるグダンスク大学で日本語を教える傍ら、ポーランドの児童書をはじめ、観光スポット、文化、生活などについての記事執筆活動や翻訳活動にも携わっている。
著書(田村和子共著)『ポーランド・ポズナンの少女たち~イェジッツェ物語シリーズ22作と遊ぶ』(未知谷)
訳書『インプロの天才ショパン』(ポーランド音楽出版PWM)
最近の執筆記事『ポーランド児童文学の世界へようこそ!』(ポーランド文化情報サイトCulture.pl、2026年4月)
https://culture.pl/jp/article/porando-no-jido-bungaku-no-sekai
ブログ:ポーランドで読んで、ポーランドを書いて https://ameblo.jp/poziomka-pl/
https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/09/17_2610_poland-poznan_00.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/09/17_2610_poland-poznan_00-150x150.jpgスプリスガルト 友美ポーランド西部に位置するポズナン。その起源は古く、10世紀にまでさかのぼります。その当時に建てられた大聖堂(Katedra Poznańska)の地下墓地/カタコンベにはポーランド初代君主らが眠っています。 街のあちこちで見られるヤギの置物は、場所によって色が違う © Tomomi Splisgart そんなポズナンの観光スポットといえば、旧市場広場。広場に並ぶ建物はカラフルでかわいらしく、あたり一帯はまるでおとぎの国のよう。中央にそびえる旧市庁舎の時計台からは、正午と午後3時に、角を突き合わせる2匹のヤギが姿を現します。伝説によると、1551年にこの市庁舎に大時計が設置された際、その記念の宴に調理されるはずだった2匹のヤギが逃げ出して、塔を上って小突き合いを始めたのだとか。ルネッサンス様式の旧市庁舎の中は博物館になっており、ポズナンの長い歴史を知ることができます。 ポーランドをはじめヨーロッパ各地の豊富なコレクションが見られる国立美術館 © Tomomi Splisgart アートが好きな方は、旧市場広場の側にある国立美術館(Muzeum Narodowe)へ。目玉は、フランスを代表する画家クロード・モネの作品『プールヴィルの海岸(La plage à Pourville, Soleil Couchant)』(1882年)。2000年に、一度盗難に遭いましたが、10年後無事に発見され、今も日々来場者の目を楽しませてくれています。 王宮を背にしたプシェミスワフ二世の像 © Tomomi Splisgart その近くには13世紀の王宮を利用した応用芸術博物館(Muzeum Sztuk Użytkowych)があります(現在の建物は2013年に復元されたもの)。2026年5月には、当時のポーランド王でこの王宮の建設にも関わった、プシェミスワフ二世の像の除幕式が行われました。 「皇帝の居城」と呼ばれるポズナン城(左)、聖マルチンを模したイルミネーション(右) © Tomomi Splisgart 11月11日はポーランド独立記念日。ポーランドではそれぞれの日に聖人の名前が割り当てられていますが、ポズナンでは街の中心部を貫く聖マルチン大通り(Św. Marcin)の「名前の日」を盛大に祝います。聖マルチンが先導するパレードの最終地点は1910年に建設されたポズナン城(Zamek Cesarski – 皇帝の居城の意)。最後のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世ホーエンツォレルンのために建てられた居城です。現在は文化センターとして、劇場やコンサートホール、展示室が設置されています。 最近では一年中食べられるのが嬉しい、ポズナン名物「聖マルチンのロガル」 © Tomomi Splisgart 催し物のほかに忘れてはならないのが「聖マルチンのロガル(Rogal świętomarciński)」。ケシの実ペーストのたっぷり入った大きなクロワッサンですが、その重さは200~250グラムもあります。19世紀末、聖マルチン教区の神父の呼びかけに応じて、貧しい人々に菓子を配ったのがその始まりだとか。 オペラだけでなく、バレエも上演されるオペラ劇場 © Tomomi Splisgart ほかにも、荘厳なオペラ劇場(Teatr Wielki)、パイプオルガンのコンサートが聴けるファラ教会(Fara Poznańska)、毎年6月に音楽フェスティバルが行われるマルタ湖(Jezioro Maltańskie)、平和の鐘のあるツィタデラ公園(Park Cytadela)など見どころはたくさん。5年に一度、ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールが開催される街でもあります(2026年は10月8日〜25日に開催)。一度訪れてみてはいかがでしょうか。 オペラ劇場の向かいにある公園でのんびりと過ごす人たち © Tomomi Splisgart欧州13カ国のリアルな生活情報を網羅。プラハやワルシャワの最新トレンドから、スイスの高度な医療、オランダの住宅事情まで。移住検討者が「一番知りたかった」一次情報を、データと現地の声で届けます。