当然ながら、他の国と同様にポーランドにも法律や規制が数多くあります。そのほとんどは理にかなったものですが、中には「なぜ!?」と思うものも。しかしそんな法律にもそれなりの理由があったり、歴史的な起源があったりするものです。

動物がらみの規則

飼い犬が絶え間なく吠え続け過度に街の平和を乱した場合、飼い主は刑事告訴される可能性があります。極端な法律のようにも感じられますが、ポーランドでは住宅地の静けさを維持することがそれほど重要だということなのでしょう。

また、特別な許可を受けていない限りペットの金魚を散歩に連れて行くのは違法という、金魚愛好家に特化した法律もあります。しかし金魚と散歩する人の姿を想像すると、少し微笑ましい感じもしてしまいますね。

不思議な交通法規

わざわざ法律にしないといけないのか?という疑問もありますが、クマを背負って車を運転することはポーランドでは固く禁じられています。一見ふざけているようにも聞こえますが、クマを引き合いに出したのは、「安全運転を優先しどんなに状況にあっても気を散らす行為は避けましょう」というユーモアを込めた意味合いがあるようです。

車の価値を上げるために中古車の走行距離計に細工をすることは不誠実で、何よりも非常に危険な行為。しかし、ポーランドでは走行距離計を巻き戻すこと自体は必ずしも違法ではないそう。とはいえその事実を隠して車を販売することは立派な犯罪であるため、もしも問われたら「車の所有者から走行距離を戻すよう依頼されたが、その目的は認識していなかった」というのが整備工の言い逃れの常套句なのだとか。

多くの国では、トラクターの利用は農地やその周辺に限定されていることがほとんどですが、ポーランドではこの点が驚くほど自由で、高速道路でさえ走行が許されています。田植えや収穫のシーズンになると、普通自動車のドライバーと農民が道路を共有することについて注意喚起がなされますが、一般道路においてもトラクターを合法的な輸送手段として認めるポーランドは、農業という産業を重視しているということなのかもしれません。

恋人を車で迎えに行ったり目的地に送り届けたりするとき、誰でも合図がわりにクラクションを鳴らしたことがあるでしょう。しかし、ポーランドでは愛や賞賛を表現するのにクラクションを過度に鳴らすことを禁止しています。愛情表現は静かに行いましょう!

飲食に関わる法律

Image by Krimhild from Pixabay

美食の国が多いヨーロッパですが、ポーランドも例外ではありません。食に関するポーランドの知る人ぞ知る法律に、「特定の公共施設では特別な要請がない限り、顧客にケチャップを提供してはならない」というものがあります。これは、ポーランドの伝統的な味を守り、地元の調味料の価値を高めることが目的とのこと。

Photo by Pascal Naterop on Unsplash

豊かな森林に多種多様なキノコが生息するポーランドでは、キノコ狩りは重要な文化的娯楽の一つ。キノコの季節ともなると、近隣諸国から熱心なキノコハンターたちが集まってきます。しかし、保護されていたり、希少種であったりするキノコを収穫すると、罰金や懲役などの重大な結果が生じる可能性があります。キノコ狩りの冒険に乗り出す前に、キノコに関する法律をよく理解しておきましょう。

Photo by Pawel Czerwinski on Unsplash

その他の珍しい法律

ポーランドでは独創的なデザインのアパートをよく見かけますが、これには経済的な理由があるようです。面積150平方メートルのアパートの購入には23%の税金がかかりますが、それより小さいアパートだと8%と大幅に下がります。そこで生まれたのが「複合アパート」。1戸あたり約80平方メートルのアパートを建設し、所有者が購入後に2つのアパートの間の壁を取り壊して住むことを想定しています。

絵文字や顔文字がコミュニケーションに不可欠となったデジタル時代において、ポーランドには珍しい制限が存在します。それが、商業コミュニケーションにおける特定の絵文字の使用を禁止する法律。このような法律は不必要に感じるかもしれませんが、ビジネスの文脈における視覚的シンボルの潜在的な誤解や誤用に対する懸念を表したものとのこと。

Photo by Pascal Naterop on Unsplash

ビールと教会の関係とは?これまた奇妙なポーランドの法律に、教会から50メートル以内ではアルコールを販売してはいけないというものがあります。しかし、教会の裏手にある敷地にバーを開きたいと考えた姉妹がユニークな解決策を見つけました。入り口の前に迷路のようにくねくねと曲がった柵を設置して、パブと教会の間の歩く距離を延ばしたのです。パブの敷地は1ミリも動いていないにもかかわらず、「一杯飲む」ために歩かなければならない距離は70メートル以上増加しました。ユーモアと知恵の勝利ですね。

参照ウェブサイト:Expat Poland

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/11/09_2511_01-top.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2025/11/09_2511_01-top-150x150.jpgLiE 編集部当然ながら、他の国と同様にポーランドにも法律や規制が数多くあります。そのほとんどは理にかなったものですが、中には「なぜ!?」と思うものも。しかしそんな法律にもそれなりの理由があったり、歴史的な起源があったりするものです。 動物がらみの規則 飼い犬が絶え間なく吠え続け過度に街の平和を乱した場合、飼い主は刑事告訴される可能性があります。極端な法律のようにも感じられますが、ポーランドでは住宅地の静けさを維持することがそれほど重要だということなのでしょう。 また、特別な許可を受けていない限りペットの金魚を散歩に連れて行くのは違法という、金魚愛好家に特化した法律もあります。しかし金魚と散歩する人の姿を想像すると、少し微笑ましい感じもしてしまいますね。 不思議な交通法規 わざわざ法律にしないといけないのか?という疑問もありますが、クマを背負って車を運転することはポーランドでは固く禁じられています。一見ふざけているようにも聞こえますが、クマを引き合いに出したのは、「安全運転を優先しどんなに状況にあっても気を散らす行為は避けましょう」というユーモアを込めた意味合いがあるようです。 車の価値を上げるために中古車の走行距離計に細工をすることは不誠実で、何よりも非常に危険な行為。しかし、ポーランドでは走行距離計を巻き戻すこと自体は必ずしも違法ではないそう。とはいえその事実を隠して車を販売することは立派な犯罪であるため、もしも問われたら「車の所有者から走行距離を戻すよう依頼されたが、その目的は認識していなかった」というのが整備工の言い逃れの常套句なのだとか。 多くの国では、トラクターの利用は農地やその周辺に限定されていることがほとんどですが、ポーランドではこの点が驚くほど自由で、高速道路でさえ走行が許されています。田植えや収穫のシーズンになると、普通自動車のドライバーと農民が道路を共有することについて注意喚起がなされますが、一般道路においてもトラクターを合法的な輸送手段として認めるポーランドは、農業という産業を重視しているということなのかもしれません。 恋人を車で迎えに行ったり目的地に送り届けたりするとき、誰でも合図がわりにクラクションを鳴らしたことがあるでしょう。しかし、ポーランドでは愛や賞賛を表現するのにクラクションを過度に鳴らすことを禁止しています。愛情表現は静かに行いましょう! 飲食に関わる法律 Image by Krimhild from Pixabay 美食の国が多いヨーロッパですが、ポーランドも例外ではありません。食に関するポーランドの知る人ぞ知る法律に、「特定の公共施設では特別な要請がない限り、顧客にケチャップを提供してはならない」というものがあります。これは、ポーランドの伝統的な味を守り、地元の調味料の価値を高めることが目的とのこと。 Photo by Pascal Naterop on Unsplash 豊かな森林に多種多様なキノコが生息するポーランドでは、キノコ狩りは重要な文化的娯楽の一つ。キノコの季節ともなると、近隣諸国から熱心なキノコハンターたちが集まってきます。しかし、保護されていたり、希少種であったりするキノコを収穫すると、罰金や懲役などの重大な結果が生じる可能性があります。キノコ狩りの冒険に乗り出す前に、キノコに関する法律をよく理解しておきましょう。 Photo by Pawel Czerwinski on Unsplash その他の珍しい法律 ポーランドでは独創的なデザインのアパートをよく見かけますが、これには経済的な理由があるようです。面積150平方メートルのアパートの購入には23%の税金がかかりますが、それより小さいアパートだと8%と大幅に下がります。そこで生まれたのが「複合アパート」。1戸あたり約80平方メートルのアパートを建設し、所有者が購入後に2つのアパートの間の壁を取り壊して住むことを想定しています。 絵文字や顔文字がコミュニケーションに不可欠となったデジタル時代において、ポーランドには珍しい制限が存在します。それが、商業コミュニケーションにおける特定の絵文字の使用を禁止する法律。このような法律は不必要に感じるかもしれませんが、ビジネスの文脈における視覚的シンボルの潜在的な誤解や誤用に対する懸念を表したものとのこと。 Photo by Pascal Naterop on Unsplash ビールと教会の関係とは?これまた奇妙なポーランドの法律に、教会から50メートル以内ではアルコールを販売してはいけないというものがあります。しかし、教会の裏手にある敷地にバーを開きたいと考えた姉妹がユニークな解決策を見つけました。入り口の前に迷路のようにくねくねと曲がった柵を設置して、パブと教会の間の歩く距離を延ばしたのです。パブの敷地は1ミリも動いていないにもかかわらず、「一杯飲む」ために歩かなければならない距離は70メートル以上増加しました。ユーモアと知恵の勝利ですね。 参照ウェブサイト:Expat Poland