その創世記には、電話やテキストメッセージの発信・受信のためだけに使われていた携帯電話。それが今や、まるで体の一部なってしまったかのように、生活にはなくてはならないものへと進化しました。オンラインショッピング、家計管理、旅行計画、SNS、エンターテイメントなど、あらゆることが手のひらの上でできてしまうというのは、少し前なら考えられないことですね。

英国広告実務者協会(Institute of Practitioners in Advertising/IPA)の調査によると、イギリス人が携帯電話に費やす時間は、1日に平均3時間21分。また、リサーチ会社YouGovの調査では、成人の半数以上(約57%)がトイレに携帯電話を持ち込み、そのうち約8%は「いつも」そうしていると回答したということです。しかし、トイレに行く前と後で細菌数を測定した今回のユニークな実験の結果を見たら、この習慣を見直す人が増えるかもしれません。

トイレの水を流すと、細菌や排泄物を含む飛沫の「プルーム/噴霧状の雲(plume)」が放出されます。コロラド大学の2021年の研究によると、この飛沫は8秒間で約1.5メートル先まで拡散し、床や洗面台、洗浄レバー、ドアノブなどに付着する可能性があることが判明しました。つまり、携帯電話を近くの窓辺や床に置いただけでも、こうした細菌が付着してしまうかもしれないということです。実際、24カ国における56件の研究を対象とした2020年のレビュー調査では、携帯電話から大腸菌やサルモネラ菌が頻繁に検出されました。これらは重度の胃腸症状を引き起こす可能性のある食中毒菌で、携帯電話上で1日以上生存することもあります。さらに!オーストラリアのボンド大学の研究チームが、医療従事者が所有する95台の携帯電話からDNAサンプルを分析したところ、抗生物質が効かない「スーパーバグ/多剤耐性菌」が検出されたという恐ろしい結果が!病院や介護施設においては、単なる不衛生を超えて、命に関わる感染症を引き起こす恐れがあります。

Image by Andrew Martin from Pixabay

人間が触れるものは何であれ、細菌の『中継地点』になり得ます。もちろん、携帯電話も立派な中継地点。汚れた手から携帯電話に細菌が移ることもあれば、逆に汚れた携帯電話から手に細菌が付着することもあるでしょう。トイレを流す前にはシートを下ろし、携帯電話は除菌シートなどで拭くことを、日常的な衛生習慣の一環として取り入れるべきでしょう。

専用の拭き取り用綿棒を使って、バスルームに持ち込んだ携帯電話の表面から細菌数を測定した実験結果が興味深いので、ご紹介します。生きた細菌数は、コロニー形成単位(Colony-Forming Units/CFU)で示しています。(参考:漂白したばかりの厨房の表面ではほとんど検出できません)

鶏、カメ、犬と暮らす女性

AI Generated image

総細菌数:トイレ使用前1,100 CFU、トイレ使用後2,300 CFU

携帯電話に付着していた総細菌数は、トイレに行った後でおよそ2倍に増えました。使用前のCFUがすでに1,000を超えているということは、その携帯電話が最近掃除されていないことを示唆しています。また、検出された菌の中にはブドウ球菌が含まれていました。ブドウ球菌の多くの株は無害ですが、黄色ブドウ球菌は、抵抗力が弱っている人に感染症を引き起こす可能性があります。トイレに行った後には、別の細菌、ペディオコッカス属も検出。飼っている動物たちが外に出た際、この菌を付着させた植物に触れ、それがトイレの表面や、犬に触れた彼女の手を介して携帯電話に移った可能性があります。

普段からスクリーンタイムと衛生管理に配慮している女性

AI Generated image

総細菌数:トイレ使用前540 CFU、トイレ使用後1,000 CFU

職場のトイレに行く前の時点で、今回実験をした中ではもっとも清潔な状態の携帯電話でした。検査後に総細菌数は倍増しましたが、依然として低い範囲に収まっています。検査の前後を通じて検出された細菌の一つがミクロコッカス属。土壌、水、塵、空気中、そしてさまざまな物体の表面に一般的に存在する細菌ですが、免疫力が低下している人の傷口から侵入して血流に感染症を引き起こす可能性のある種も稀に存在します。

タクシーや電車を頻繁に利用する男性

総細菌数:トイレ使用前2,700 CFU、トイレ使用後12,000 CFU

使用前からすでに2,000個以上の細菌が付着していましたが、自宅のトイレを使用した後にはそれが約4.4倍に増加!1日最低4時間は使用しているということを考えると、特に驚くべきことではないのかもしれません。しかし、トイレ使用後の増加率の高さは、その環境にどれほど多くの細菌が存在し、いかに簡単に手から携帯電話へと移り得るかを示しています。検出されたのは、人の皮膚や環境中に一般的に存在するミクロコッカス属やブドウ球菌属などで、特に懸念すべきものではないものの、この男性は仕事上さまざまな人々や場所と接する機会が多いそう。やはり携帯電話は定期的に掃除をするのが良さそうです。

カメラのレンズ部分しか拭かない学生

総細菌数:トイレ使用前14,000 CFU、トイレ使用後910,000 CFU

トイレ使用後の総細菌数が65倍に増加!自宅のバスルームに携帯電話を持ち込んで、なぜこれほど劇的に細菌数が増えたのでしょうか?蛇口、ドアノブ、トイレの洗浄レバーなどに蓄積した汚れが、手を通じて携帯電話に付着したことが原因である可能性が高そうです。さらに、サンプルからは他の参加者の携帯電話には見られなかった腸内細菌科の細菌も検出。腸内細菌科にはサルモネラ菌などの病原体が含まれ、健康被害を引き起こす可能性も懸念されます。この学生の場合、携帯電話のこまめな掃除はもちろんのこと、バスルーム内の設備も定期的に掃除することを真剣に考える必要がありそうです。

子どもに自分のスマホを触らせる母親

総細菌数:トイレ使用前10,000 CFU、トイレ使用後2,300 CFU

使用後に生菌の総数が約77%減少するという珍しい結果に。とはいえ、トイレ使用前に採取したサンプルからは、ミクロコッカス属とバチルス属という2種類の細菌が検出されました。ミクロコッカス属は、傷口やカテーテルなどの医療器具を通じて体内に侵入すると感染症を引き起こす可能性があり、通常は無害のバチルス属は熱に強いため、加熱調理しても生き残る種類があります。トイレ使用後に細菌数が大幅に減少した原因は不明ですが、重要なのは、そもそもの細菌数が非常に多かったという点。これは日常的に使う物にいかに細菌が蓄積しやすいかを示しています。

携帯電話を清潔に保つためのアドバイス

  1. マイクロファイバークロスと、スマートフォンに使用しても安全な除菌シート(アルコール濃度70%のものなど)を使って掃除をする。電話のケースや、イヤホンや充電器などのアクセサリーにも細菌が付着しやすいため、定期的に掃除をする
  2. トイレや、調理中のキッチン、不特定多数の人が触れる場所など、スマートフォンが汚れる可能性のある場所での使用は避ける
  3. トイレのカウンター、床、共用テーブルなど、菌の付着が疑われる場所に携帯電話を置かない
  4. 可能な限り、他人との携帯電話の共用は避ける。風邪、インフルエンザ、胃腸炎などの一般的な病気や感染症の原因となる細菌やウイルスが人から人へと移る恐れがある

参照ウェブサイト:Daily Mail Health

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/08/16_2608_mobile-phone_00.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/08/16_2608_mobile-phone_00-150x150.jpgLiE 編集部その創世記には、電話やテキストメッセージの発信・受信のためだけに使われていた携帯電話。それが今や、まるで体の一部なってしまったかのように、生活にはなくてはならないものへと進化しました。オンラインショッピング、家計管理、旅行計画、SNS、エンターテイメントなど、あらゆることが手のひらの上でできてしまうというのは、少し前なら考えられないことですね。 英国広告実務者協会(Institute of Practitioners in Advertising/IPA)の調査によると、イギリス人が携帯電話に費やす時間は、1日に平均3時間21分。また、リサーチ会社YouGovの調査では、成人の半数以上(約57%)がトイレに携帯電話を持ち込み、そのうち約8%は「いつも」そうしていると回答したということです。しかし、トイレに行く前と後で細菌数を測定した今回のユニークな実験の結果を見たら、この習慣を見直す人が増えるかもしれません。 トイレの水を流すと、細菌や排泄物を含む飛沫の「プルーム/噴霧状の雲(plume)」が放出されます。コロラド大学の2021年の研究によると、この飛沫は8秒間で約1.5メートル先まで拡散し、床や洗面台、洗浄レバー、ドアノブなどに付着する可能性があることが判明しました。つまり、携帯電話を近くの窓辺や床に置いただけでも、こうした細菌が付着してしまうかもしれないということです。実際、24カ国における56件の研究を対象とした2020年のレビュー調査では、携帯電話から大腸菌やサルモネラ菌が頻繁に検出されました。これらは重度の胃腸症状を引き起こす可能性のある食中毒菌で、携帯電話上で1日以上生存することもあります。さらに!オーストラリアのボンド大学の研究チームが、医療従事者が所有する95台の携帯電話からDNAサンプルを分析したところ、抗生物質が効かない「スーパーバグ/多剤耐性菌」が検出されたという恐ろしい結果が!病院や介護施設においては、単なる不衛生を超えて、命に関わる感染症を引き起こす恐れがあります。 Image by Andrew Martin from Pixabay 人間が触れるものは何であれ、細菌の『中継地点』になり得ます。もちろん、携帯電話も立派な中継地点。汚れた手から携帯電話に細菌が移ることもあれば、逆に汚れた携帯電話から手に細菌が付着することもあるでしょう。トイレを流す前にはシートを下ろし、携帯電話は除菌シートなどで拭くことを、日常的な衛生習慣の一環として取り入れるべきでしょう。 専用の拭き取り用綿棒を使って、バスルームに持ち込んだ携帯電話の表面から細菌数を測定した実験結果が興味深いので、ご紹介します。生きた細菌数は、コロニー形成単位(Colony-Forming Units/CFU)で示しています。(参考:漂白したばかりの厨房の表面ではほとんど検出できません) 鶏、カメ、犬と暮らす女性 AI Generated image 総細菌数:トイレ使用前1,100 CFU、トイレ使用後2,300 CFU 携帯電話に付着していた総細菌数は、トイレに行った後でおよそ2倍に増えました。使用前のCFUがすでに1,000を超えているということは、その携帯電話が最近掃除されていないことを示唆しています。また、検出された菌の中にはブドウ球菌が含まれていました。ブドウ球菌の多くの株は無害ですが、黄色ブドウ球菌は、抵抗力が弱っている人に感染症を引き起こす可能性があります。トイレに行った後には、別の細菌、ペディオコッカス属も検出。飼っている動物たちが外に出た際、この菌を付着させた植物に触れ、それがトイレの表面や、犬に触れた彼女の手を介して携帯電話に移った可能性があります。 普段からスクリーンタイムと衛生管理に配慮している女性 AI Generated image 総細菌数:トイレ使用前540 CFU、トイレ使用後1,000 CFU 職場のトイレに行く前の時点で、今回実験をした中ではもっとも清潔な状態の携帯電話でした。検査後に総細菌数は倍増しましたが、依然として低い範囲に収まっています。検査の前後を通じて検出された細菌の一つがミクロコッカス属。土壌、水、塵、空気中、そしてさまざまな物体の表面に一般的に存在する細菌ですが、免疫力が低下している人の傷口から侵入して血流に感染症を引き起こす可能性のある種も稀に存在します。 タクシーや電車を頻繁に利用する男性 総細菌数:トイレ使用前2,700 CFU、トイレ使用後12,000 CFU 使用前からすでに2,000個以上の細菌が付着していましたが、自宅のトイレを使用した後にはそれが約4.4倍に増加!1日最低4時間は使用しているということを考えると、特に驚くべきことではないのかもしれません。しかし、トイレ使用後の増加率の高さは、その環境にどれほど多くの細菌が存在し、いかに簡単に手から携帯電話へと移り得るかを示しています。検出されたのは、人の皮膚や環境中に一般的に存在するミクロコッカス属やブドウ球菌属などで、特に懸念すべきものではないものの、この男性は仕事上さまざまな人々や場所と接する機会が多いそう。やはり携帯電話は定期的に掃除をするのが良さそうです。 カメラのレンズ部分しか拭かない学生 総細菌数:トイレ使用前14,000 CFU、トイレ使用後910,000 CFU トイレ使用後の総細菌数が65倍に増加!自宅のバスルームに携帯電話を持ち込んで、なぜこれほど劇的に細菌数が増えたのでしょうか?蛇口、ドアノブ、トイレの洗浄レバーなどに蓄積した汚れが、手を通じて携帯電話に付着したことが原因である可能性が高そうです。さらに、サンプルからは他の参加者の携帯電話には見られなかった腸内細菌科の細菌も検出。腸内細菌科にはサルモネラ菌などの病原体が含まれ、健康被害を引き起こす可能性も懸念されます。この学生の場合、携帯電話のこまめな掃除はもちろんのこと、バスルーム内の設備も定期的に掃除することを真剣に考える必要がありそうです。 子どもに自分のスマホを触らせる母親 総細菌数:トイレ使用前10,000 CFU、トイレ使用後2,300 CFU 使用後に生菌の総数が約77%減少するという珍しい結果に。とはいえ、トイレ使用前に採取したサンプルからは、ミクロコッカス属とバチルス属という2種類の細菌が検出されました。ミクロコッカス属は、傷口やカテーテルなどの医療器具を通じて体内に侵入すると感染症を引き起こす可能性があり、通常は無害のバチルス属は熱に強いため、加熱調理しても生き残る種類があります。トイレ使用後に細菌数が大幅に減少した原因は不明ですが、重要なのは、そもそもの細菌数が非常に多かったという点。これは日常的に使う物にいかに細菌が蓄積しやすいかを示しています。 携帯電話を清潔に保つためのアドバイス マイクロファイバークロスと、スマートフォンに使用しても安全な除菌シート(アルコール濃度70%のものなど)を使って掃除をする。電話のケースや、イヤホンや充電器などのアクセサリーにも細菌が付着しやすいため、定期的に掃除をする トイレや、調理中のキッチン、不特定多数の人が触れる場所など、スマートフォンが汚れる可能性のある場所での使用は避ける トイレのカウンター、床、共用テーブルなど、菌の付着が疑われる場所に携帯電話を置かない 可能な限り、他人との携帯電話の共用は避ける。風邪、インフルエンザ、胃腸炎などの一般的な病気や感染症の原因となる細菌やウイルスが人から人へと移る恐れがある 参照ウェブサイト:Daily Mail Health欧州13カ国のリアルな生活情報を網羅。プラハやワルシャワの最新トレンドから、スイスの高度な医療、オランダの住宅事情まで。移住検討者が「一番知りたかった」一次情報を、データと現地の声で届けます。