カフェやギャラリーが立ち並ぶことで知られる、オーストリアの首都ウィーンの新興地区、ノイバウ地区(Neubau)は2026年10月、「素敵な散歩道(Schönes Gassi)」キャンペーンを開始しました。

600匹ほどの犬が住むと推定される同地区において、樹木環境への影響に対処するため、いくつかの基本的な規則を守るよう飼い主に求めたものです。

ガイドラインによれば、動物の尿は樹皮を腐食させて保護層を弱めるため、腐食性の病原菌や真菌が幹に侵入する可能性が高まるとのこと。しかし、新鮮な尿は水溶性が非常に高いので、尿の跡にすぐ水をかければ、土壌に浸透するアンモニアなどの有害物質の濃度を大幅に下げ、臭いも軽減できます。

犬の権利も、美しい緑も守りたい!

地域団体「Grätzllabor」* は、「縄張りをマーキングすることは犬にとってコミュニケーションの一形態ですが、都市部の樹木にとってはストレスになります。その結果、樹木の腐敗が進み、最悪の場合は樹木の安定性が損なわれてしまいます」と述べています。
*Grätzllabor:地域住民、地区政治、市行政が一堂に会し、自分たちの近隣地域(Grätzl)の未来に向けたアイデアを検証・開発する、ウィーンの地区レベルでの中心的な地域参加プログラム

尿の洗い流しは、飼い主がペットに木や緑地でマーキングすることを「許可」するものではなく、飼い主が愛犬に対する責任を果たすよう促すものだとのこと。地元のドッグトレーナーは「犬の立ち入り禁止区域だらけのウィーンにしたくありません。しかし、犬が場所を選ばずどこにでも排尿することを許される街にもしたくないのです。必要なのは、犬への配慮、教育、そして犬のための十分で適切な施設だと思います。」と語りました。

Photo by Sergio Arteaga

飼い主は、公共の場所でペットの尿を洗い流すための水ボトルを無料で受け取ることができます。この取り組みは自主的な動きですが、今後、ウィーン市内の他地域にも拡大される可能性もあるようです。また、今の段階で動物の排泄物に関連する問題を軽減することで、将来的にもっと極端で法的拘束力のある措置が導入されることを回避できると期待できます。

EUで犬を飼っている世帯の割合が約7割ともっとも高いスペインや他のいくつかの国では、すでに似たような取り組みを実施しています。全国一律の法律というわけではなく、要件は都市によって異なるものの、例えばバルセロナでは犬の尿を薄めずに放置すると、最高300ユーロの罰金、尿や排泄物の清掃が義務付けられているマドリードでは、違反者に75ユーロから500ユーロの罰金という、重大な罰が科される違反行為となっています。また、スペインにおける多くの地方条例では、尿の洗い流しに使うのは、単なる水ではなく、石鹸水、酢、あるいは承認された洗浄・消毒液を入れた容器の携帯が義務付けられています。

ニセアカシアの花 Image by Goran Horvat from Pixabay

一方、ドイツのベルリンでは、新型コロナウイルス感染症が流行した当時にペットとして飼われる犬が増加したため、同市の一部地域で、尿に特に敏感なニセアカシアの植樹を中止したそうです。また、同市のシャルロッテンブルク=ヴィルマースドルフ地区(Charlottenburg-Wilmersdorf)では、2024年の春に、犬専用の「おしっこストーン(Pinkelsteine)」を設置し、緑地を避けて特定の場所で排泄できるように促しています。これらの石は頻繁な洗浄に耐え、地域の植物の周囲の土壌汚染を防ぐ、管理しやすくて耐久性のある代替手段となっているそうです。

ママ〜、ここでしても大丈夫かな? Photo by Nguyễn Tiến Thịnh from Pixabay

参考ウェブサイト:Daily Mail News、The Gardian Europe News

https://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/10/18_2610_vienna-dogs_00.jpghttps://living-in-eu.com/wp-content/uploads/2026/10/18_2610_vienna-dogs_00-150x150.jpgLiE 編集部カフェやギャラリーが立ち並ぶことで知られる、オーストリアの首都ウィーンの新興地区、ノイバウ地区(Neubau)は2026年10月、「素敵な散歩道(Schönes Gassi)」キャンペーンを開始しました。 600匹ほどの犬が住むと推定される同地区において、樹木環境への影響に対処するため、いくつかの基本的な規則を守るよう飼い主に求めたものです。 ガイドラインによれば、動物の尿は樹皮を腐食させて保護層を弱めるため、腐食性の病原菌や真菌が幹に侵入する可能性が高まるとのこと。しかし、新鮮な尿は水溶性が非常に高いので、尿の跡にすぐ水をかければ、土壌に浸透するアンモニアなどの有害物質の濃度を大幅に下げ、臭いも軽減できます。 犬の権利も、美しい緑も守りたい! 地域団体「Grätzllabor」* は、「縄張りをマーキングすることは犬にとってコミュニケーションの一形態ですが、都市部の樹木にとってはストレスになります。その結果、樹木の腐敗が進み、最悪の場合は樹木の安定性が損なわれてしまいます」と述べています。 *Grätzllabor:地域住民、地区政治、市行政が一堂に会し、自分たちの近隣地域(Grätzl)の未来に向けたアイデアを検証・開発する、ウィーンの地区レベルでの中心的な地域参加プログラム 尿の洗い流しは、飼い主がペットに木や緑地でマーキングすることを「許可」するものではなく、飼い主が愛犬に対する責任を果たすよう促すものだとのこと。地元のドッグトレーナーは「犬の立ち入り禁止区域だらけのウィーンにしたくありません。しかし、犬が場所を選ばずどこにでも排尿することを許される街にもしたくないのです。必要なのは、犬への配慮、教育、そして犬のための十分で適切な施設だと思います。」と語りました。 Photo by Sergio Arteaga 飼い主は、公共の場所でペットの尿を洗い流すための水ボトルを無料で受け取ることができます。この取り組みは自主的な動きですが、今後、ウィーン市内の他地域にも拡大される可能性もあるようです。また、今の段階で動物の排泄物に関連する問題を軽減することで、将来的にもっと極端で法的拘束力のある措置が導入されることを回避できると期待できます。 EUで犬を飼っている世帯の割合が約7割ともっとも高いスペインや他のいくつかの国では、すでに似たような取り組みを実施しています。全国一律の法律というわけではなく、要件は都市によって異なるものの、例えばバルセロナでは犬の尿を薄めずに放置すると、最高300ユーロの罰金、尿や排泄物の清掃が義務付けられているマドリードでは、違反者に75ユーロから500ユーロの罰金という、重大な罰が科される違反行為となっています。また、スペインにおける多くの地方条例では、尿の洗い流しに使うのは、単なる水ではなく、石鹸水、酢、あるいは承認された洗浄・消毒液を入れた容器の携帯が義務付けられています。 ニセアカシアの花 Image by Goran Horvat from Pixabay 一方、ドイツのベルリンでは、新型コロナウイルス感染症が流行した当時にペットとして飼われる犬が増加したため、同市の一部地域で、尿に特に敏感なニセアカシアの植樹を中止したそうです。また、同市のシャルロッテンブルク=ヴィルマースドルフ地区(Charlottenburg-Wilmersdorf)では、2024年の春に、犬専用の「おしっこストーン(Pinkelsteine)」を設置し、緑地を避けて特定の場所で排泄できるように促しています。これらの石は頻繁な洗浄に耐え、地域の植物の周囲の土壌汚染を防ぐ、管理しやすくて耐久性のある代替手段となっているそうです。 ママ〜、ここでしても大丈夫かな? Photo by Nguyễn Tiến Thịnh from Pixabay 参考ウェブサイト:Daily Mail News、The Gardian Europe News欧州13カ国のリアルな生活情報を網羅。プラハやワルシャワの最新トレンドから、スイスの高度な医療、オランダの住宅事情まで。移住検討者が「一番知りたかった」一次情報を、データと現地の声で届けます。